
日本三大地金魚と呼ばれる、天然記念物【四尾の地金】【土佐錦】【出雲なんきん】の金魚は、血が濃い為弱いと良く言われます。
♪私自身は、地金が弱いと思った事は無いです。

例えば【土佐錦】は、昭和20年ごろの戦災と大地震の生き残り6匹を元に現在に受け継がれた為、血が濃く弱い原因になっています。
この世界にいると、○○系統 △△系統と良く言い、その血(系統)を守る為に、兄弟や親子で掛け合わせて繁殖し、近親交配をする愛好家が普通に多いです。
理由は、師匠から受け継ぐ時に、『他の血を混ぜるな』との教えだったり、自分の理想の魚を作る為だったり、○○系統絶対主義などで、その後のことは、それほど深く考えていないと思います。
私は、地金を始めて8年になりますが、1度も兄弟や親子で掛け合わせた事は、ありません。
昨年からは勇気が要りましたが、系統の違う魚同士で掛け合わせています。また、なるべく多く色々な種親の仔を採り残す様にしています。
ベテランの先輩方の話では、地金やらんちゅうの固定率は、ほんの十数年前にやっと固定(安定)したとの事。
逆に云うと、それだけ血が更に濃くなったとも言えると思います。
もともと血が濃い金魚を更に、近親交配で掛け合わせ続けたらどうなるか、考えている人は少ないと思います。
※最近は、らんちゅうが弱いと良く聞きます。すでにその影響が出始めているのかもしれません。
★そこで、どんな結末が待っているのか、紹介していきたいと思います。
❶中世ヨーロッパ貴族の近親婚は、当たり前の事でしたが…。

〈ハプスブルク家滅亡〉
近親婚で滅んだ一族として有名なのは、スペインのハプスブルク家もその1つです。スペインはハプスブルク王朝(1516~1700)の下で、世界の一大帝国として大きな繁栄を遂げました。しかし、王家では叔父と姪、いとこ同士など血縁者間での結婚が一般的で、この近親交配が、繁栄を極めた王朝の滅亡の大きな原因だったとされます。
スペイン・ハプスブルク家の最後の王、カルロス2世は、身体的障害・知的障害があったことで知られ、1700年に39歳で没しました。生涯で2度結婚していますが、
カルロス2世は性的にも不能だったとされ、子供を成すことができず、王位を継承させることができませんでした。
スペインのハプスブルク家では幼児の死亡率が異常に高く、10歳以上まで生き残ることができる子供が少なかったこともわかりました。研究によると、
1527年から1661年までの間にハプスブルク家には34人の子供がいたものの、そのうち10人(29.4%)は1歳までに死亡、17人(50.0%)は10歳までに死亡しています。これは当時の一般的な乳幼児死亡率より明らかに高い数字です。
☆参照
https://blog.goo.ne.jp/ns3082/e/7952347d15924e6d2738e66abc8982f4
❷ ジャーマンシェパード

<人間好みに変形させられたシェパードの5割が歩けず殺される>
イギリス全域の動物病院430カ所からデータを集めた。その結果、ジャーマンシェパードは、異常な傾斜のある背中や攻撃性、そして関節炎やガンといった病気に苦しむ割合が、他の犬種よりも多かった。
生まれてきたジャーマンシェパードの2頭に1頭が歩けないので安楽死させられる。
ドッグショーで高く評価されるジャーマンシェパードの条件は、後ろ脚が極端に短く、肩から尻尾にかけて異常な傾斜のあること。ブリーダーは「優れた」個体を生み出すために、このような特徴を持って生まれた個体同士を人為的に掛け合わせて繁殖を繰り返す。
☆参照
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
https://www.newsweekjapan.jp/amp/stories/world/2017/07/21-9.php
❸ブルドッグ

〈100年以上にわたる選択的交配が、このイヌをひ弱にしてしまった。〉
実は今、ブルドッグたちは呼吸や骨格、皮膚の障害をかかえている。しかも、
多くの個体が自然に交尾したり出産したりできない。幼いうちに呼吸障害を起こすと、5歳以上まで生きられない可能性が高い。
母犬の産道を通れないので、
ブルドッグの子犬は、帝王切開で生まれるしかない。ペダーセン氏は、
ブルドッグの出産の80パーセントが人工受精と帝王切開だと見ている。
研究者らは、
世界中から集めた合計139匹のブルドッグのDNAを採取、解析した。北米、ヨーロッパ、アルゼンチンで暮らす健康な個体のグループと、大学の動物病院に入院中のさまざまな疾患をもつグループだ。
健康で地域もばらばらな個体群なら、それぞれのゲノム構造は大きな違いがあるものと考えられていたが、
結果は衝撃的だった。ブルドッグの場合、どの個体もゲノムの大半の領域が同じだった。
★139匹がほぼ同じゲノムと云う事は、世界中のブルドッグがある意味クローンと云う怖さ。
遺伝的多様性が低い理由の一つは、現代のブルドッグがわずか68匹の集団から始まっていると見られることだ。
さらに交配を重ねると、疾患が急増するかもしれません。
☆参照
Nikkei National Geographic Inc.
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/080200285/
★その他、多くの犬種で、遺伝的疾患が起きていて、将来的にハプスブルク家の様に絶滅する可能性があります。
これらの様にならない為にも、金魚愛好家も、近親交配の行末を考えて欲しいと思っています。
交配と遺伝❷につづく。
>* ))))><
Posted at 2018/06/20 23:08:01 | |
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