2008年08月23日
ゼンソクの時期と対処
私は小学校に上がる前に、早くもゼンソク持ちとなっていました。
ここ数年は発作もなく安定していたのですが、今年は再発org
気象病とも呼ばれるように、大気の状態が不安定な時期に現れやすく、異常気象にも何かと振り回されやすいのがこの病気。
幸い私の場合は入院するという程ではないのですが、気管支の炎症によって気道が狭くなり、呼吸困難で緊急入院という方もいます。
発作を抑える薬が日進月歩で開発されていますので、いたずらに不安がる必要もありませんが、現在でも気管支炎によって年間5千人程度の死者が出ているという統計データもあるだけに、軽んじることはできません。
そういえば、ゼンソクは誤解を抱かれやすい病気の一つですね。
代表的なものは、体力をつけれさえすれば治るというもの。そうは言っても、オリンピック選手の中にもゼンソク持ちが結構いるんですけど。これでは説明つきません。もちろん体力があったほうが良いのですが、発作がなくなるわけではありません。
咳で伝染するという誤解。罹患者が風邪を併発していれば、他の人が風邪を引いたときと同じで風邪は伝染しますが、ゼンソク自体は伝染しません。・・・というか、諸説ありますが、異物を退治し追い出そうとする体内の過剰反応の病気なので、本来ウィルスは介在せず、伝染性の病気ではありません。 逆に言えば、ゼンソク患者は風邪を引くと発作を起こしやすくなります。要注意。
あるいは、ゼンソクは小心者が罹る病気で、精神力を鍛えさえすれば治ってしまうという説。・・・むりぽ。そんな単純なものではありません。しばしば複合的要因が潜んでおり、やみくもに精神を鍛えようとしたり、精神科に通ってもすべての人が治るわけではありません。逆に言えば、精神科に行くことで完治できる人はとてもラッキーです。
もうひとつ。親が過保護だから。・・・「精神や肉体を鍛えろ」とどこか共通していますが、これも眉唾です。むしろゼンソクは小さい子供のうちにしっかりと治療したほうが完治する可能性が高いです。私が小さい頃にはまだ治療のためのガイドラインが発足したばかりの時期で、ましてや田舎でしたから情報が行き届かない。医師でさえ発作時の対処療法的な医薬に頼り、あとは体力づくりせよという方が多かったのが実情です。年齢を重ねる毎に完治する可能性は下がってゆきます。
もう少し、喘息についての情報が人々に行き渡ると良いのですが。
ゼンソクの罹患・発症の原因ですが、これまた幾つもあって特定しづらいです。
一つは、遺伝的要因。直系家族の中にアレルギー体質の人がいれば、自身もゼンソクとなる可能性あり。可能性の段階ですが。
もう一つは、ハウスダストや粉塵、タバコです。ゼンソクの人は、即禁煙です。家族にヘビースモーカーがいたり、材木や砕石工場が近隣にあったり、締め切った部屋で揮発性の高い化学物質を扱う習慣があったり、屋内で猫・犬などの哺乳類を飼うのも注意が必要。せめて空気清浄機の有効利用を。
現在の治療法としては、薬物療法が中心です。
薬はおおよそ二種類に分けられ、リムーバーと呼ばれる発作時に気道を広げ症状を和らげる頓服薬と、コントローラーと呼ばれる長期的に服用し発作を予防する予防薬とがあります。
かつてはリムーバーばかりが珍重され(また、本人も一時的に楽になるので)、全体としては、かえって発作の頻度や程度を悪化させてしまった時期もありました。現在はリムーバーとコントローラーを併用しつつ、コントローラー一本へ近づける努力が求められています。…結局のところ薬が手放せないのですが、発作のあの苦しみに比べれば、止むを得ないのかもしれません。法定疾病として千円でも二千円でも医薬品費の補助が欲しいところです。人によっては月に万単位でかかる人もいるとのことでしたから。
私は専門家ではなく一罹患者にすぎないので、これら記述は参考程度にとどめてほしいのですが、やはり専門家(医師・薬剤師)にしっかり相談して、今後の治療方針をしっかり確立しておくことをお勧めします。
・・・と言っている私自身が病院苦手でダメだったりしますが(汗
ゼンソクのために人生の幾つもの場面を不快なものにしてしまうのはもったいないですから。楽しい旅行がフイになったり、苦しくなったり、ドライブ中に発作で事故ったりしては、元も子もありません。
なお、ドライブ中に強い発作がおきたときは、運転席の窓と自分の口を開け外気を強制的に肺の中に取り込み(過呼吸に注意)、腹式呼吸を使って息を吐き、少しでも早く道路脇などの安全な場所に停車してください。
たとえ見知った道であっても、発作が治まるまで運転は控えたほうが無難です。大切な命やクルマを失ってから嘆いても取り返しはつきませんから。
また、クルマには小青竜湯(即効性の高い漢方薬。医師・薬剤師に相談を)と水のセットや、龍角散のど飴を常備しておいたり、リムーバーを持ち歩く癖を持つと良いでしょう。さらに、GPS情報を添付する「ゼンソク発作中、救出頼む」メールをケータイ内に予め保存し、信頼できる人にいつでも送信できるよう準備するのも手です。
一番大切なのは、本人の体調管理と周囲の人の理解なのですが・・・。
ブログ一覧 |
健康・医療 | その他
Posted at
2008/08/23 06:57:48
タグ
今、あなたにおすすめ