激しかった台風もようやく過ぎ、晴天が戻ってきました。
さんさんと照りつける日差しに、夏が近いことを感じます。
ホームセンターでは今、サンシェードや網戸のほか、節電タイプのエアコンや扇風機、そして家庭用サーキュレータといった夏向けの商品に力を入れているようです。
節電ブームだけでなく、今年8月には始まるであろう一般家庭への電気料金値上げ、また、来年からは段階的な消費税増税が予定されていますので、これらの負担増が家計を直撃することは否めない事実です。そこで各家庭が行うだろう対策は・・・この不景気で収入の大幅増が見込めない以上、エコ家電やエコカーを先行投資として購入し、あとはひたすら節約節約・・・ではないかと。
7月中にもエコカー減税の財源が枯渇しそうとのことですから、愛車のご購入はお早めに^^;
そこで気になるのが、各家電の節電効果。
同種の商品でも節電効果が高いグレードほど商品の購入価格が高いという、悩ましい状況もあったりと、判断は難しいところですよね。
一般的に言えるのが、エアコンに比べると扇風機やサーキュレータは消費電力も購入価格も安いことです。そもそも構造が違うので(用途も微妙に違うし)、当然なのかもしれません。
エアコンは一定空間内の空気そのものを除湿・冷却するのが本来の用途であるのに対し、同じくファンがついているとはいえ、体に直接風を当て体表面の気化熱を利用して冷涼感を与えるのが扇風機ですね。サーキュレータは室内の高温な空気を排気して外部の冷たい空気を取り入れる「換気」や、エアコンの冷房効率を高めるため室内の空気を積極的にかき混ぜることを本来の用途としていますよね。
ちなみに扇風機一台の消費電力が50W程度であるのに対し、エアコン一台は10倍程度になります。最近の節電タイプのエアコンなら、もう少し低減できるのかもしれませんが、それでも50W程度にまで抑えるのは技術的にまだ難しいような気もします。純粋に消費電力で考えるなら、扇風機やサーキュレーターがお安くなります(しかし、猛烈に暑い日はエアコンでないとツライという状況もある
でしょう。扇風機に空気を冷やす機能はありませんから・・・)。
ただ、そこで気になるのが「扇風機をつけたまま寝ると死ぬ」という話です。
Wikiでは「
医学的、科学的根拠は全くない」「
病気などが無い人が長時間、扇風機の風を浴び続けたが影響は出なかったと言う報告は数多くある」「
健康体の人間や過労・泥酔などをしない人間には関係のない話」「
現象を極度に強調したか、あるいは原因や因果関係に関する科学的な無理解により発生したもの」等として、否定的な見解を掲げたページが掲載されています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%87%E9%A2%A8%E6%A9%9F%E3%81%AE%E9%83%BD%E5%B8%82%E4%BC%9D%E8%AA%AC
けれどもそのWiki当該ページの解説を読み進めてゆくと、次のように矛盾した記述が多数出てきます。
「
扇風機による体温の低下は死亡事故の要因の一部であっても主要因ではないとされる」
「
急性アルコール中毒や睡眠薬の服用などにより泥酔、昏睡状態にある場合、覚醒に至らないまま体温低下を起こす可能性がある」
「
もともと過労状態であったり、老齢・病弱などの身体的な素因があったうえで、長時間扇風機やエアコンの風を受ける事で体温調節がうまく機能せず、結果として心臓麻痺などの症状がおこる可能性がある。この場合因果関係の従属性として「扇風機に当たったまま寝ると死ぬ」確率がある」
「オイオイ、結局どっちなんだよ。」と突っ込みたくなりますが、筆者さんは、うまい逃げ道を用意してるんですね。「
全称命題として「すべてのヒトは扇風機に当たったまま寝ると死ぬ」とするのは早まった一般化による誤謬である。」。
ええと。
そもそも全称命題(「すべての○○は□□だ」という話)として考える人は少ないような・・・^^;
結論先にありきの議論だったようで、むしろ危機管理の視点からは「都市伝説」などと片付けることはできません。むしろ一般予防(多くのひとに注意を呼びかける)が必要だと思います。
実際、Wiki同ページの筆者氏も心臓麻痺の可能性を否定していません。
では、なぜ大きな問題になっていないのか。
ひとつに、インバーター式エアコンの普及です。室温を一定に保ち、風向きもマイコンで制御、あげくの果てには「おやすみモード」等といった機能が充実しており、過冷却による体調悪化を防ぐ努力がメーカーで積み重ねられているからです。まあ、それでもクーラー病や夏バテになったりするんですけどね。さらに、扇風機にもタイマーや首振り、「リズム」と呼ばれるランダム送風機能がつけられるようになってきました。加えて、各メーカーは睡眠時など長時間利用のリスクについて取説や外箱に記載するなどして注意喚起しています。
それらの相乗効果があって、事故の発生率が著しく低くなっているのではないかと思います。つまり、ある程度確立した対策がすでに立てられているから。そして。。。もうひとつ。死因との因果関係を立証することの難しさもあげられます。
まさかタイマー機能のないサーキュレーターの風を直接浴びながら寝てしまう人もいないとは思いますが(笑)、長時間にわたり冷風を直接浴びることは体調悪化の原因ともなりかねませんので、エアコンにしろ扇風機にしろ、十分注意しながらご利用ください。老婆心でした。
追記:
これを書いている最中にPCが熱暴走して、一度ダウンしたことは内緒です。
最初から書き直しでした・・・・プププ。気温26℃なんだけどなぁ。
Posted at 2012/06/20 11:18:19 | |
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