hikobonのブログ一覧

　福岡市早良区野芥。難読地名だ。さわらくのけと読む。以前から所在は知っていたのだけれど、初めて訪ねてみた。下町風住宅街の一角にある。
　
　水曜日は仕事が休みなので、以前から取り組み始めた裂田溝と裂田神社をもう一度見ておこうと考えて車を走らせた。途中野芥でこの辺りに縁切地蔵があったはずと、寄り道してみた。由来はここに書いたので参照してほしい。
　
　世に悪縁を断ち切りたい人々がいかに多いのかを、このお地蔵さんは身を削ってまで、見続けて来たのだろう。ご本尊はまったく原型を留めていない。全国各地から、この福岡市のはずれの地にやって来て祈願しているそうだ。

　最近町を流していると、小規模な道路の掘り返し工事がやたらと目に付く。
年末や期末に良く現れる、あの工事だ。零細土木業者の越年資金用工事なのだが、この時期に多くあるのは珍しい。何かが起こり始めているのだろうか。

　予算の前倒し執行なのかもしれない。この工事が終われば後が無いとか・・・・。

　どうやら、経済の収縮は避けられない様子だ。

　いよいよこの季節が始まった。紅葉は標高の高いところから始まる。九州初はおそらく久住高原だろうと、出かけることにした。

　空は曇り空、雨こそ降らないが薄日すらささない。気温はほどほど、視界はあまり良くない。例によって遅発ち。お昼前に太宰府から高速に乗る。一路別府を目指しGO。
　今回はここでちょっと実験をしてみた。太宰府から別府まで約123kmほどなのだけれど、ノンストップで普段は他車を一台も追い越さない走行で1時間半ほどかかり、この時の燃費は21km/L程度なのだが、今日は他車に一台も追い越されない走行でどの様な燃費になるか実験してみた。
　実際は数台に追い越されはしたのだけれど、1時間10分で走りきった。結果15.81km/Lで20分短縮の為に神経とガソリンをすり減らす事となった。この燃費が後々まで響き、本日の全コース通算燃費は通常20km/L程度は記録するのだけれど、18.25km/Lに留まった。
　運転の仕方でここまで燃費が違うと言う見本のようだ。

　別府湾SAで、軽く食事をし温泉街を通り抜け、鶴見岳、由布岳、この辺りの峠はもう既に真赤や黄色の色付いている。標高1330mの牧ノ戸峠周辺は正に見頃だった。
　瀬の本高原はまだ秋色ではないが、ヒゴタイ公園のコスモスは今を盛りと咲き競っていた。ここで日没。秋の日が落ちるのは早い。日田経由で帰ることにした。

　住宅販売の元プロ営業マンと一緒に仕事をする機会があった。彼は現役時代、何度も表彰されたことがあったと言う、全国レベルの販売コンテストでも何度か優勝したことの有るプロセールスマンだった。その彼が販売の秘訣を教えてくれた。

　「俺はね、今まで住宅を売っていた事は無いんだ。俺はね、顧客に夢を売っていたんだ。建物はそれに付いてきただけなんだよ」と彼は言った。「車のセールスだって同じだよ、車のスペックなんて詳しい客の知識には勝てないから、この車が貴方の夢をどれだけ叶えてくれるかを説明するんだよ」

　高度成長期からバブル期にかけて活躍した、プロセールスの言葉だった。

　夢を売る。それが充分に機能した時代だったのだろう。ところが物が溢れ、夢が夢で無くなってしまった今、夢を売る商売は下向きのカーブを辿るしかないのだろう。

　そこで現れたのが不安を売る商売だ。サプリの業界、薬業界、最たるものは保険。人々の不安を煽って金にしようとする。最悪のパターンになりつつある。

　振り込め詐欺のように犯罪までが、その辺りの心理の隙を突いてくる。恐ろしい世の中になりつつある。

　この国にはコンビニエンスストアが津々浦々に網羅されている。確かに便利な世の中になったものだ。全国で４２５５７店（２００９/８現在JFA調べ）あるそうだ。
　何処にでも見かけることが出来るコンビニの軒数の12倍以上の軒数を誇る業界がある現状を知っているだろうか？
　国交省の統計によれば19年3月末で、建設業許可業者数は５２４２７３業者だ。
地方における唯一の産業が建設業だった事を示している数字なのだ。
　かつて田中角栄首相の列島改造以来、膨れ上がりここまでの数になってしまった。ここ数年は減少傾向とも言われているが、まだまだ過剰であることには違いない。
　この業種は近年とみに評判が悪い。掘り返して埋めるだけの工事が多いのも現状だが、地方交付税がそこで働く人々の生活の糧になっていたことも事実だ。猛暑の中、吹雪の中、交通整理の旗を振る人々の糧になっていた。

　昔、お店をやっていた頃、パートさんに頑張りやさんが居た。子供を一人で育てていたのだけれど、左手に軽いマヒがあり、障害者手帳の申請を勧めたが、彼女は頑として申請しなかった。「働ける間はちゃんと働きます」その言葉通りだった。お店が終わると、夜のスナックで又仕事。そんな母親に育てられた子供は、既に大学を卒業し社会に出て行ったと風の便りで聞いた。

　一方、母子加算を要求する人々が居る。働けるのに働かず、回転寿司が食べたいとか沖縄旅行をしたいとか・・・。

　一生懸命に働く人々に罪はない。この様な人々にこそ、本当に遣り甲斐の有る仕事を与えて生活を安定させることが急務なのではないだろうか。