今日は、クルマの旅の話で、難しい内容はない。私のブログの中で、旅関連の記事は少なく、時間もたってしまったけれど、たまにはこういうのも良いかもしれない。
長く西の方に住んでいたためか、東北を旅行するのはいつも新鮮だ。ロードスターRFで旅にでかけた。 2名乗車だと、室内はドリンクホルダーの置き場に困るほど狭いが、2名分の荷物を積むには十分なトランクがあるので、2泊3日程度の旅行に行くための荷物を積むための積載量は問題がない。
出発前点検中のロードスターRF
東北には、美味しい食べ物やお酒があり、飛行機でも、鉄道でも自動車でも旅行するのは楽しい。今年は、明治維新から150年であるが、会津では明治維新と呼ぶ事はなく、戊申戦争から150周年記念としている。折角の節目の年故に、会津を訪れ、戊申戦争の記念展示を見ることと、福島県の会津に、美味しい料理を食べさせてくれる、古民家を移築した宿に泊まることを目的とした。この宿は、主に地元の食事会などを主催することがメインであるようだが、1日にわずか二組だけ宿泊客を取っている。
週末は予約が取りづらいことで有名でもあるが、今回は平日の予約であったので、1か月前でも取ることができた。会津の様々なお料理を中心に出してくれる。 たくさんお料理が出るようであるが、同行者はたくさん食べたい人なので、追加の料理もお願いした。
あいにく、天候はすぐれなかったが、東北自動車道は空いており、たんたんと距離を刻む。 高速道路では、しばしば、新型のクラウンを見かけたので、大分普及しているようだ。どのクラウンも、RFより巡航速度が速い。 こちらは、SAやPAでだらだらするので、ペースを上げても意味はないし、速度を上げるとリア側の駆動系の振動周波数がボディと共振してうるさいので、淡々と燃費が17km/L~18km/Lくらいのペースで走る。 振動の周波数も対策の仕方もわかっているのだが、この時は、面倒がってやってなかった。
PAやSAでだらだらするのが楽しい
美味しそうな桃を売っている。
会津城へと向かう。会津城は、再建であるが、内部が佐幕派であった会津藩の歴史を説明する展示があるので、半分博物館のようなものである。 天守閣まで登る間に、様々な歴史の話を読む。 副隊長が達筆だったそうで、部隊の旗なども書かれていたが、明治維新後は書家になったそうで、彼の書の作品を意外な場所で見ることになった。
会津城のお庭にある歴史を感じさせる建物
お茶席
抹茶とお菓子を頂く
会津城仕様のコーラ
結局撮影だけして、コーラは同行者が持って帰った
会津の街を見学した後、少し早めに宿に向かう。若松から会津へ向かう道路は、70km/h制限の高規格道路で、天候が怪しかったが、オープンにするチャンスがあったのは良かった。 今回の旅で泊まる宿は、いずれも泊まることが目的の宿なので、少し早めについてゆっくりするのが良いようだ。 田んぼの真ん中に古民家が現れ、広い駐車場に駐車する。
この「志ぐれ亭」は一日に2組しか宿泊客を取らないので、宿全体が静かで、落ち着いた雰囲気の中で過ごすことができる。
志ぐれ亭
古民家を移築した旅館、趣がある。
宿のご主人と女将から、古民家の移築に関するお話を伺った。ほぼ元のパーツを使って移築するためにかなり気を使って移築されているのだが、移築前の最後の持ち主がいなくなって、空き家になって30年近くたっていたのに、適当に外気と繋がっていたため、黴ることもなく、中をほぼ荒らされることもなく、そのままの状態で維持されていたのは奇跡に近い。 柱や構造材だけでなく、畳やふすま、欄間、神棚、畳に至るまで相当な物が当時のまま残っている。 この家を作った時に、大工さんが一緒に作ったという神棚を拝見した。 私の家は神道なのでお参りもさせて頂いた。
立派な神棚
これもオリジナルのまま残る。
「会津若松」は会津ではないのだそうだ。北九州に若松市があるため、若松市と名乗ることができず、市制を定める時に、会津若松という名前になったが、若松、喜多方、会津はそれぞれ別の地方と文化を持つのだそうだ。
食事は、広間で頂く。広間には、立派な書が飾ってある。
これは、レプリカでも再生品でもなく、オリジナルなのである。
この書は、会津藩の副隊長の方が侍を引退された後に書家になり、書かれたものだそうだ。会津の人は、明治維新のことを戊辰戦争と呼ぶ。もう、江戸幕府が大政奉還してから150年はたっているけれど、会津の中では、明治維新ではないのだろう。 ベトナム戦争が、ベトナムではアメリカ戦争と呼ばれるのと同じなのかもしれない。
お風呂は、それぞれの客室用に用意される。温泉ではなく地元の水を沸かしたものだが、かつてお殿様しか入れなかったという、塗のお風呂である。塗りの中に入れたお湯は、大変柔らかく滑らかであり、温泉とはまた違うリラックスと気持ちの良さがある。
会津の地形[天守閣からの眺め)
盆地になっており、山形、新潟、関東を結ぶ
交通の要所だった。
土地の料理を中心にした夕食は、地酒をいろいろと選んで始めた。
上記の歴史のある書に囲まれながら、じっくりと食事を楽しめる。
前菜 美しい盛り付けに、料理への期待が高まる
馬刺し三種類、会津の食べ方で。
熊本の馬刺しよりも、赤味が中心のお肉で味わいが良い。
こづゆ
正月や祝い事の際に食べる、ハレの料理で、干し貝柱から取っただしを中心に山菜を煮ている。
歴史は古く、江戸時代後期、会津藩主 松平容保が参勤交代で鶴ヶ城に帰ってきたときに
召し上がった料理の一つと言われている。
他の場所でも同じ料理を食べたが、この宿の調理が最も美味しかった。
鴨の焚き合わせ(メイン)
それぞれの材料を別々のだしで炊いてあり、
一つのお皿に盛るので、炊き合わせである。
当然ながら、全て別々の味がする。
鮎の塩焼き
清流に住む鮎で、他の地域の鮎とは餌が違うので味も違う。
鱒、ジャガイモ、地鶏の蒸し物
川魚の鱒と、地物のジャガイモ、地鶏の組み合わせ
素材の味をそのまま楽しめるのだが、素材の品質がよく、
何もたれをつけない方が楽しめる。
地物野菜の天ぷら
無農薬野菜を作っており、その野菜の天ぷら
締めの蕎麦
この蕎麦だけを食べにくる人がいるくらいに美味しい。。
蕎麦専門店以外の場所でも、美味しい蕎麦に出会うケースがある。
夏なのでシーズン外だが、そば粉は冷蔵され、品質を落とさないようにしている。
完熟トマトのレモン煮
昼食で単品で頼めるほどの名物デザート。
トマトは糖度の高い物を使い、レモンの果汁で適切に煮てあり、酸味と糖分のバランスが
極めて良い。 トマトはしっかり煮込まれているわけではなく、適切な歯ごたえが残っている。
市販されているわけではなし、他で見たことはないが、この宿の名物料理である。
お酒も含めて、福島・会津の料理をゆっくりした時間の中で楽しむことができた。
ゆっくり寝て、目覚めると残念ながら雨のため、外への散歩はあきらめた。
朝食は2組一緒に、囲炉裏のそばで頂く。この囲炉裏にかけてあるお味噌汁がまたおいしい。
ご飯もおかずも、一つ一つがよく考えられており、ゆっくりとたっぷり頂けるのは嬉しい。
囲炉裏にかけてあるみそ汁と、朝食を頂く(Foodie は撮影ソフトの名前)
ご飯は、いくつかの種類からおかわりが選べるが、さんまご飯が美味しいので、こちらを
おかわりした。 卵が美味しいので、白ごはんで食べたい、という人もいるので、
いくつかのご飯が用意されている。
新潟のお米ほど粘りは強くないが、食味、香りがよく、さすが東北のお米だと思う。
他にお客様がほとんどいないので、出発まではのんびり過ごす。
予定では、仙台方面へ向かうつもりなのだが、宿の主人の勧めで会津から米沢へと向かう大峠道路というワインディングへ向かう。この道路は歴史の多い道でもあるが、現代はきれいに整備された道路(国道121号線)になっている。 今回は雨天故にトップをあけることはできないが、川に沿ったワインディングロードで、ターンパイク並みに道路幅が広く、交通量が少ないので、快適な走りを楽しむことができるだろう。 良くわかってはいるけど、日本にはいろいろな道と景色があり、自動車旅行が楽しめる国だなと感じる。
福島県会津地方の道路はよく整備されていて、走りが気持ちがいい
旅に出ているロードスターRF