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シリーズ化してしまった感が否めませんが、時計ネタ
第3弾です。
実はクルマの試乗記とかよりも反響が大きくて少々複雑な気持ちですがw
過去の記事はコチラ↓↓
【第1弾】オメガ・シーマスター
【第2弾】ティソ・スケレッテ
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カジュアルウォッチで有名なスウォッチから
革新的な機械式ムーブメントを搭載した
システム51というモデルが昨年デビューし、日本においても今年の5月からリリースされています。
僕も以前から興味を持っていましたが、先日入手しました!
始めにさらっとモデルの特徴を明記しておきましょう。
【swatch】SISTEM 51

・自動巻(手巻き機能付き)
・6振動(毎時21,600振動)
・19石
・カレンダー機能
・ハック機能(秒針停止機能)無し
・日常生活防水
・ケース怪 : 42mm
・ケース素材 : プラスチック
・風防 : アクリル強化ガラス
・シースルーバック
《表》
《裏》
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
、、、、と、上記の特徴だけでは何の変哲も無い機械式のカジュアルウォッチですが、いったいこの時計の何がスゴイのか?
システム51内のムーブメント。
パーツ総数51個からなる5つのモジュールをたった一つのネジで結合。
・最大約90時間のパワーリザーブ
・日差 約±10秒
・パーツ総数51個で構成
・長寿命設計、メンテナンス不要
・フルオートメーションの組み立て
・ムーブメントは100%スイス製
・開発にあたって17の特許を申請
先ずは、モデル名から由来する
パーツ総数51個で構成したムーブメント。
自動巻の3針(しかもカレンダー機能付き)としては圧倒的に部品が少ないです。
↑の表はタイプ別におおよその部品点数が記されたものです。
一般的な3針自動巻が
100前後のパーツ数を要するのに対し、システム51はその
半分程度の点数で完成されちゃってるんですね(驚)
故に、シンプルな構造で済むため
部品の生成から組み立てまでの全工程を機械で行う事が可能となりました。
機械式時計はどこかで必ず手作業による組み立てが必要になってくるのがこれまでの常識でしたが
手作業を一切排除するなんてずいぶん思い切ったなぁ、と驚いています(笑)
このように徹底的な合理化を進める事によって、これまでの低価格路線から大きく逸脱する事も無く
日本での販売価格は
17,500円(税込)
しかし、単に構造がシンプルで安価なだけでは僕も含めた時計ファンの心を掴むのは難しいでしょう。
同価格帯(以下)のカテゴリーでは既に
セイコー・ファイブが存在し、優良なベーシックモデルを数多く輩出しています。
(信頼性も高く、世界的に人気を集めている)
そんな中、システム51に対して個人的に大きく興味を引いた項目がありました。
・最大約90時間のパワーリザーブ
・日差 約±10秒
メーカーが公称している上記の2点!
これにはちょっと目を疑いました(笑)
この価格帯の時計ではあり得ないです。
今までは。。
現在、機械式時計の新たな付加価値として
ロングパワーリザーブが高級機種を中心に定着しています。
機械式時計のパワーリザーブは一般的に
40〜50時間前後といったところでしょうか?
高級機はゼンマイの入った香箱を2つ以上に増やした
ツインバレル等の手段を使って
60時間...80時間...............7日..8日
、、という具合に駆動時間を引き延ばしています。
ただ、そんな事をすれば部品数が多くなってメカの内部が複雑になり、ツインバレル以上の機構を採用した腕時計は安くても
50万円以上の値付けがされているのが一般的でした。
最近はゼンマイなどの性能を向上させ、ツインバレルを採用しなくてもロングパワーリザーブを実現しているモデルがちらほら出始めていますが、それでも
10万円前後の価格帯です。
システム51は一体、どんな手を使って90時間のパワーリザーブを実現したのか...?
ツインバレルではない事は確かですが、
17の特許の中にその秘密が隠されているのかもしれません。
精度に関しては購入して間も無いので
「ホンマかいな!?」
、、、って言うぐらいに懐疑的ですが、本当に
日差±10秒以内を実現しているのかどうかをこれから確認してみようと思います。
日差±10秒以内は機械式だと高精度の部類なので、実現したらこれもスゴイ事ですね!
(おおよその日差が分かり次第、当ブログの本文に追記する予定です)
《11月14日追記》
使用してまだ一カ月足らずですが、
一週間ほど連続して精度の計測を行いました。
流石に毎日キッカリ24時間ごとの計測は難しく
おおよその日差となりますのでご容赦下さい。
(その他、気温や装着状況によって結果は異なると思われます)
11/7 8:20 【スタート】
↓
平置き
↓
11/8 8:25 【+6秒】
↓
3時間着用
↓
11/9 7:43 【+7秒】
↓
平置き
↓
11/10 6:38 【+3秒】
↓
平置き
↓
11/11 8:49 【±0秒】
↓
4時間着用
↓
11/12 18:01【-3秒】
↓
1時間着用
↓
11/13 5:28 【±0秒】
↓
平置き
↓
11/14 8:09 【-6秒】
後半でマイナス(遅れ)が出てしまったのはあまり印象が良くありませんが、とりあえずメーカーの公称する数値内に全て収まっています。
そしてもう一つ、
これは精度とは関係ありませんが以下の写真をご覧ください。
【プラスチック風防】
【リュウズ】
使用して一カ月も経たないうちに幾つか
キズを作ってしまいました(汗)
やはりケースの耐久面は価格相応の作りとなっているようです。
従来通り、カジュアルウォッチとしてのコンセプトはそのままなので
その点は割り切る必要がありそうですね。
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、、、いかがでしょうか?
この時計のトピックがあまりにも多くて、はっきり言うと所有しているオメガやティソよりもインパクトは大きいですね。
本当はこれ以上時計を増やす予定は無かったのですが
安価だったのに加え、あまりにも画期的なモデルだったので半ば衝動的に購入してしまいました(笑)
一応、メンテ不要と書いてるので負担も少ないかな、、と。
最後にメンテ繋がりで、、、
この時計はメンテナンス不要と謳っているものの
ムーブメントがケースに密封されている為、そもそも
メンテナンス出来ない構造になっています。
万一故障した際にはムーブメントの入ったケースごと交換となるでしょう。
(自分だったら新しいのを買うw)
機械式時計はメンテナンスしながら永く使って行くのがこれまでの考え方であり、魅力でもありましたが
それらを一切捨てた安価で高性能な機械式ムーブメントは今後ユーザーに対してどのような価値観を生み出すのか。。
機械式時計が現代に復権し、ブームを巻き起こして久しいですが
システム51の登場によって大きなターニングポイントを迎えるのかもしれません。
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Posted at
2014/10/29 16:29:20