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龍聖のブログ一覧

2009年02月19日 イイね!

エルディア蒼龍伝 44

 
      第3章   講和条約  4



   銀河西暦4986年(帝国歴686年)10月23日。


新設される特務艦隊に配属される3万人の乗組員が第10駐留ステーションに
続々とやってきていた。
その中にはハラピーら首脳部も含まれていた。

 「ふわぁ~、着いた着いた。」
 「随分遠くにあったんですね、第10駐留ステーションって。」
 「まあ、アンヴァイセン以下どデカイ艦艇ばっかだから、ステーション自体も
  それに対応できるのはここしかないからなぁ。」


超大艦巨砲プロジェクトは上級貴族には自身の階級を鼓舞できるとして注目されていたが、
動力源の新燃料の不安定さが解消できなかった為、最初に建造されたアンヴァイセンには
当時有事の際に死傷しても軍内部に影響のないハラピーが選ばれたのだった。
その後の活躍は今更語るまでもないが、元帥以下の門閥貴族から嫉妬を浴びる事になった。
そこで、彼ら上級貴族は己の階級を鼓舞する手段を戦艦から空母に変換しようとしていた。

銀河西暦4985年11月、その試作空母として建造された「ヴェルシューフェン」は
第3艦隊旗艦として就航された。
その効果を早速試したかった帝国艦隊総司令長官ハワード・ブリマシュアン元帥は、
第3艦隊に自治領の1つ『バルテックポリス自治領』で出没する海賊退治の命を下した。

当時の第3艦隊指揮官はベルクード・ブリマシュアン中将。
そう、ハワード・ブリマシュアン元帥の従兄にあたる人物だ。
だが、軍のなかでは残念ながら階級に対して評価は高くなかった。
いわゆる「親の七光」で中将にいるという事だ。w
元帥もその辺りは認識していたようで、とっとと武勲をたてさせて、その成果で
管理職に就かせ現場から離したかった思惑もあったが、それを知る者はごく一部のみであった。

この時の情報では、その時出た海賊はそんなに強くないとの事だったので

 「その程度なら、うちの従兄でも大丈夫だろう。」

…と鷹を括っていたのだが、運の悪い事に退治に行った時にたまたま出くわした海賊が
何と銀河系のなかでもトップ3と言われる海賊組織『シュテーラ』だったからもう大変!
試作空母とはいえ650m級とどデカイ為、海賊達から標的になったしまったのだ。

 「参謀、帝国軍のあの艦は何だろうな?」
 「相当デカイですね。帝国軍の新型艦でしょうか、キャプテン・エスペラーデ。」
 「ま、そんなトコだろう。見た所空母のようだな。」
 「はい、そのようです。」
 「よし。では、あのデカブツから先に倒してしまおう。」

海賊『シュテーラ』のボス、キャプテン・エスペラーデは帝国1の海賊組織で、
100隻程度の艦艇とかなりの数が存在しなおかつ全艦が高速走行できるので、
行動も早ければ逃げ足も速いのでいまだに警察だけでなく軍も手を焼いている状態だった。

 「司令官、海賊の砲撃が我が艦に集中します!?」

キャプテン・エスペラーデの指揮の元、海賊『シュテーラ』の面々は巧みに敵を
翻弄しながら艦艇を動かし的を絞らせなくした。
更に砲火は空母に集中され、指揮官ベルクード・ブリマシュアン中将はいいようにもてあそばれ
ようやく艦列を整えた頃にはさっさと逃げていた。

 「バカモ~ン!?」

叔父であり上官でもあるハワード・ブリマシュアン元帥はその結果を聞いて落胆すると共に
大型空母を旗艦にする計画を含めた大艦巨砲主義までも白紙にする結果となってしまった。

そして、その為試作艦の後前倒しで作られていた戦略空母シェーンメルクは行き場を失った。
それに目を付けたブルーム・バルディー大将がその空母を預かりという形で取得。
今回ハラピーらの特務艦隊にその空母を使うことにしたのだった。



 「お~、さすがにデカイなぁ」

第10駐留ステーションに到着したハラピーは、まず最初にその戦略空母を見に行った。

 「驚きましたなぁ、アンヴァイセンでも何でこんなバカデカイ艦を作ったんだろうと
  思ってましたが、まさか空母もあったとは、ねぇ。」
 「私も知らなかったよ。」
 「ハラピー閣下が知らないとは珍しいですなぁ。」
 「私がエルディア兵器科学研究所時代に手掛けたのはアンヴァイセンまでだ。」
 「では、誰かが新たにこの空母を開発したんでしょうかねぇ?」
 「この空母はアンヴァイセンの技術をベースにこれまでのアンヴァイセンの実践経験を
  元に改良されているそうだ。」
 「なるほど。私は詳しい事はわかりませんが、素材は悪くないって事ですね。」
 「ま、そんなトコだ。ハンセン中佐。」

ハラピーと一緒にきたハンセン中佐とバカデカイ空母を見ながらそんな話をしていた。
すると、

 「ハラピー中将閣下ですか?」

と、声を掛けてくる人物が。

 「いかにも、私がハラピーですが…」
 「申し遅れました。私がこの戦略空母シェーンメルク艦長アルフレッド・グリンベルガー少将です。」
 「あ…ど、どうも。初めまして。」

この配属も含めた特務艦隊の主な陣容は下記の通りだ。

 艦隊司令兼旗艦アンヴァイセン艦長 … ライオネル・ハラピー 中将
 特務艦隊副官兼参謀長         … マヤ・アルジェリーニ 少佐
 「シェーンハイト」空戦隊々長      … ザフィーラ・ベルギノーゼ 中佐
 「ローゼンバトラー」陸戦隊々長    … ブラッティー・ハンセン 中佐
 シェーンメルク艦長            … アルフレッド・グリンベルガー少将
 補給艦隊主任               … ギルバート・フォン・シュタインバーグ 少佐

艦艇数の激減で首脳部も兼任も増えた。
特にハラピー自身も驚いたのが、マヤがこれまでの副官に加えてなんと参謀も兼任となった事だ。

 「なあマヤ、大丈夫か?」
 「大丈夫、大丈夫。お兄ちゃんの為にも頑張るよ!」
 「まあ、ボチボチ頑張ってくれ。」

彼女には副官としては文句のない実績があったが、参謀としての能力は未知数。
でも、マヤが側近のままであった事は上司(人事管理局局長)に感謝するハラピーであった。w


  -つづく-


 次回もきまぐれ更新。w
2009年02月11日 イイね!

エルディア蒼龍伝 43

      第3章   講和条約  3



 銀河西暦4986年(帝国歴686年)10月21日。エルディア人事管理局。

 「おぅ、3人とも揃ってるな。」

ハラピー中将・ハンセン中佐・ザフィーラ中佐の3名はブルーム・バルディー大将の
命により、人事管理局に出頭していた。

 「今回はどういうご用件で?」

わかってはいたが、ハラピーが局長に尋ねる。

 「昨日も言ったようにお前さん達は今日から私の配下になった。」
 「どういう経緯でそうなったかはあえて問いませんが、一体私達は何を?」
 「特務艦隊として動いてもらう。」
 「特務艦隊?」

「特務艦隊とは何ぞや?」という疑問に長官は非常に簡単に答えてくれた。

 「行きがかり上だ。」

要は行き場のない我々を拾ってくれる為の措置だったそうだ。

 「疎まれてますねぇ、中将。」

さりげなくハンセンはフォローする。

 「オレが悪いのか?」
 「悪く思うのは私達ではなく上級貴族の方々ですわ。」
 「はぁ…肝に銘じとくよ。」

ザフィーラも仕方ないわ、という表情だ。



 「これが特務艦隊の陣容ですか?」

3日後、ブルーム・バルディー大将から特務艦隊の編成表を受け取ったザフィーラが
 ハラピーの官舎にその書類を持ってきた。

 「アンヴァイセンはそのままのようです。」
 「ああ、乗りなれた戦艦(ふね)だしな。最も誰にも渡す気もないがな。w」
 「あの戦艦はハラピーのお気に入りですものね。」

プライベートだとザフィーラは階級が上のハラピーを呼び捨てで呼ぶし、
ハラピーもそれについては何も気にしてはいない。
さすがに任務上では階級に沿って対応するが。w

 「もう1隻戦艦があって、あと3隻が空母。駆逐艦が5隻で輸送艦が10隻…」
 「それだけ…のようね。」
 「マジか!? 特務艦隊って銘打っておきながら全部で20隻だけか、やれやれ。」

さすがにハラピーも呆れてしまった。

 「ちょっと待って、ハラピー!?」
 「どうしました、ザフィーラさん?」
 「こ、これ見て。」

ザフィーラから艦艇の資料を見せてもらう。

 「何だ、これは!」

ハラピーがその資料をみて驚きを隠せなかった。

 「戦艦ボリシュベルグ、戦略空母シェーンメルク。聞いたことないぞ、こんな艦…。」

改めて資料に目を通す。

 「こりゃスゴイなぁ。」
 「何がスゴイんです?」
 「まあ、読んでみたらわかるわ。」

そういうとその資料をザフィーラに渡す。

 「シェーンハイト隊全機が収容出来るって、相当デカイわよ、この空母。」
 「それだけじゃないぜ。」
 「そ、そうね。艦艇数は少ないけど1隻ごとが通常艦とはケタ違いだわ。」


   戦略空母シェーンメルク

 全長820m(アンヴァイセンは全長750m)
 シェーンハイト隊全100機を搭載、艦内にはアンヴァイセンに積み込まれていた
 戦略特化型コンピュータ「マイクラ・改」を搭載、更に第1艦橋の立体レーダーでの
 全体把握能力から全艦への連携指示をリンクさせるシステム「ハロウィン」も
 完備出来たので、有事の際指揮系統をこちらに移送する事も出来るようになっていた。

   戦艦プリッツェンバーグ

 全長590mとアンヴァイセンより一回り小さくなっているが、その機能はほぼ同じ
 能力を擁する。但し、ドラゴンキャノンは搭載されていない。その代わりに
 拡散キャノン砲を搭載、直線破壊力はドラゴンキャノンだが、攻撃範囲の広さは
 プリッツェンバーグの方がその能力が高くなっている。
 あと、「ハロウィン」の機能は装備されていない。


 「こいつは現物を見るのが楽しみだな。」

ハラピーもその辺りにはかなり興味があるので、さっきまでの不満はどこかへ飛んでいた。w

 そして、10月23日。艦隊を駐留している第10駐留ステーションに向けて
 ハラピーらは出立した。
 そこに待ちうけているのは一体?


  -つづく-


  次回更新もきまぐれです。
2009年02月05日 イイね!

エルディア蒼龍伝 42

 
      第3章   講和条約  2




時は少しさかのぼって銀河西暦4986年(帝国歴686年)10月13日。

議会が正式にギルドラド惑星共同帯への侵攻が決まった後、各師団の人員達は
それに向けての準備をしていた。
だが、その時第8艦隊はその長がまだ決まっていなかった。

おかしな話である。本来ハラピーがいたのだからそのまま引き継げばいいだけの話なのに…。
では、なぜそのような事になったのか? 事の次第はこうだ。

 「指揮官の任を解く?」
 「そうだ。」

第2次ペトグランチェスト会戦が終了し首都星に帰ったハラピーに待っていたのは
ナント賞罰委員会への出頭だった。

 「どうしてなのですか?」

開口1番委員会副会長ブリザート・ガブラー大将にそう言われては納得がいく訳がない。

 「先の戦いで貴官の艦隊だけ損傷が1番少ない。『蒼龍師団』の司令官のいる
  第4艦隊以上に艦艇が無事でいる。おかしくはないか?」
 「どこがおかしいのか将官には理解できません。」
 「そもそも貴官の艦隊が今回の戦いで仕事をしていないのでは?と言う事だ。」
 「はぁ? 一体どこをどういう風に見たらそうなるのですか?」
 「うむ。私もその件についてゴルドハウゼン大将を任意で諮問した。」
 「総参謀長自らを、ですか?」
 「ああ。そしたら貴官が戦場に出てくるのが遅すぎたのが原因、との事じゃった。」
 「異議を申し立てます。」
 「異議とな?」

ハラピーはびっくりした。
あの時ハラピーら第8艦隊は後方待機の命令を受けていた。
そして、後半のいいタイミングで司令部に進言し、そこから戦闘に加わったのは確かだ。
まさか、あれを逆手に取るというのか、あの司令部の連中は!?

 (余程、私に武勲を立てる結果になるのが嫌なようだな…)

 「戦闘記録を確認してください。そうすれば本当の事がわかりますから。」

このままではあらぬ疑いをかけられたままになってしまうので、なんとかそれを阻止せねば。

 「うむ、その辺もゴルトハウゼン大将に聞いて見たら、ブラックボックスは戦闘で
  破壊されたので、提出できない、と言ってきたのじゃ。」
 「…そんなバカな!?」
 「まあ貴官にも言い分はあるじゃろう。そこでここは貴官に第8艦隊を降りてもらって
  しかる後に別のポジションの任に就いてもあう、という算段じゃ。」

要は左遷みたいなもんか? ああ、そういう事だ。 と言ってるらしい。w

 「はぁ…。で、私の次の任務は?」
 「とりあえず自宅待機。」

そんな訳でハラピーは首都星でしばらくのんびり出来る時間が出来たのだった。
その経緯は最悪だが。(爆)



 「提督ぅ~、いますかぁ。」
 「空いているから、勝手に入りな。」
 「じゃ、お邪魔しま~す。」

首都星アクスターの郊外にある新設された将校クラスの邸宅密集地に引っ越した
ハラピーの家に、度々お客がやってくる。
今日のお客はこの前まで第8艦隊で共に戦った前空戦隊指揮官ザフィーラ・ベルギノーゼ中佐と陸戦隊指揮官ブラッティー・ハンセン中佐の両名であった。

第8艦隊再編の際、実戦部隊の長2人もその所属を離れる事になった。
帝国軍内でもその実力はずば抜けた存在であったシェーンハイト隊とローゼンバトラー隊だが、部下も色々な意味でずば抜けた性格の持ち主が多く上司が扱いにくい部隊との認識があり、ハラピーにやっかい者を押しつけていた形だから、どの艦隊も配属辞退の旨を申し出ていた。
それを踏まえて軍令部も一旦両部隊に待機命令を下していた。
待機命令を下された者同志で楽しんでいるという感じだ。w

 「ベルギノーゼ中佐・ハンセン中佐、いらっしゃいませ。さ、コーヒ-をどうぞ。♥」

お客である2人にコーヒーを持ってきたのはマヤ・アルジェリーニ大尉だ。

 「やぁ、マヤ。元気だったかい?」
 「はい、おかげ様で。」
 「マヤも大変ね。こんなお荷物の世話をする羽目になっちゃって。w」
 「いえ、普段はぐうたらな兄ちゃんでも家族ですから。」
 「だ~れ~が~ぐ~たらだって!?」
 「きゃっ、お兄ちゃん。」
 「あははは。」

マヤもハラピーの副官のままで一緒に待機命令を受けていた。
この辺は軍令部人事管理局々長ブルーム・バルディー大将の配慮によるものだ。
今日もこうして懐かしい話や現在の国内情勢などの話に盛り上がるのだった。
そして、マヤとザフィーラが別室に消えた時バルディーがハラピーに近寄ってきて込み入った話をしてきた。

 「どうしました、ハンセン中佐。」
 「提督、彼女をどうするおつもりですか?」
 「か、彼女って?」
 「今更何を言ってるのですか、マヤの事ですよ。」
 「マヤの?」
 「そうです。もうこうして一緒に生活してるんですから、そろそろ身を固めても
  いいんじゃないですかねぇ、と私は思うんですが。」
 「中佐、寄ってますね?」
 「私が少々の酒で酔うような人間じゃない事くらいご存じでしょう。」
 「…。」

話もある程度盛り上がりのピークは過ぎ、ザフィーラはマヤの部屋に行って今このリビングにはハラピーとハンセンの2人だけだった。

 「だいたい、昔から世話になってる家の人物と言っても、お互い血は繋がってない。
  要は当人同志の問題ですよ。わかってますか、提督。」
 「…。」
 「あなたは艦隊を指揮する時は大胆になれるのに、どうして色恋になるとネガティブに
  なるんですかねぇ?」
 「…ほっといてくれ。」
 「そうはいきません!私も提督とはそれなりに長い付き合いになりました。
  これは父親の助言と思って聞いてくれませんかねぇ。」

ハラピーはこの時33歳、ハンセンは49歳。兄弟というと離れ過ぎているが親子というと
これはまた年が近すぎる微妙な年齢差だったが、人生経験では間違いなく親子のレベルだ。

 「軍人だから結婚しちゃあいけないって規則はないですし、結婚して離れ離れになっても
  幸せな家庭を持ってる軍人はいっぱいいますぜ。」
 「だが、私はそんな幸せな家庭を持つ父親を死なせる事をしてるんです。
  そんな私が将来幸せになれる訳がない!…って思うのです。」

ハラピーは戦いの指揮に際して出来るだけ部下の損傷を少なくする指揮を心がけてはいたが、全く死人ゼロという訳には到底いかない。そんなジレンマの中で己が妻を持ちなおかつ家庭を築くというのが許されるのであろうか?

 「いいですか、提督。人は己の犯した罪に対してどれだけ違う形で償えるかという事ですよ。軍人でなくても人は殺せます。軍人でなくても不幸はおきます。自分が幸せになれないのにどうやって他人や部下を幸せにできますか!?」
 「!」

ハラピーは鈍器で頭をガン!と殴られた気持ちになった。

 「ハンセン中佐。私なりに彼女の気持ちは分かっているのです。ですが、
  また自分の気持ちも整理できていない今、若い頃のように突っ走る訳にも
  いかないのですよ。」
 「まあ、言いたい事はわかります。」
 「それと、もしその気持ちが勘違いだった時が1番怖いのですよ。私だけの問題なら
  別にいいのですが、彼女に与える不快な気持ちを考えると…。」
 「とにこかくにも、提督の人生です。これ以上私がどうこう言いません。」
 「…ありがとう、中佐。」
 「いえいえ。年を取るとおせっかいになっていけない。」
 「私にはありがたい助言です。今後も色々と頼る事もあるでしょうが、宜しくお願いします。」


   プルプルプル♪


 「お、電話だ。」

ハラピーが電話に出ると、TV電話の画面にはブルーム・バルディー大将の顔が!

 「お、元気にしてるかハラピー中将。」
 「ええ。ぼちぼちです。」
 「おや、その向こうにいるのはハンセン中佐かね。」
 「はい、そうです。」
 「ちょうどよかった。中将と中佐、それとザフィーラクンの3人は明日から
  人事管理局所属になるから、朝10時に私の所に来てくれたまえ、以上。」

 「はぁ!?」

 ハラピーとハンセンはお互いキョトンとした顔を見合わせた。


  -つづく-


次回もまったり更新です。
2009年01月26日 イイね!

エルディア蒼龍伝41

 

      第3章   講和条約  1



  時は銀河西暦4987年(帝国歴687年)1月1日。


 「あけましておめでとうございます、ドトール・バレンティーノ上級大将閣下。」
 「うむ。おめでとう。」
 「現在、我が紅龍師団は順調にギルドラド領に侵攻。目下50%の制圧に成功。
  まもなくここ惑星ヌギレヌに駐留ステーションを建設開始を提言中であります。」
 「ん、報告御苦労。来年は本国で正月を迎えたいものだな。」
 「はっ、おっしゃる通りであります。」
 「さて、これからが大変だぞ。ギルドラドも本土決戦を決め込んだとの情報もある。
  そうなると敵も玉砕覚悟でこちらにかかってくるはず。気を引き締めねばならんな。」
 「はっ。そのように部下にも徹底させるようにいたします。」
 「うむ、そうしてくれ。」

銀河西暦4986年(帝国歴686年)10月10日、エルディア帝国最高評議会は
正式に「ギルドラド惑星共同帯」への侵攻を公式発表。
紅龍師団と白龍師団各12000隻ずつ計26000隻の大艦隊がギルドラド領へ侵攻。
戦闘開始50日でギルドラド領の約50%を制圧する事に成功。
だが、去年末ギルドラド惑星共同帯最高顧問ヴァンダム・エクシア総大司教の
「本土決戦宣言」で首都周辺に残存勢力を終結。最後の砦は絶対渡さない方針を打ち出す。

エルディア政府はこの戦いの際にギルドラド以外の国家に対して不可侵条約を締結を打診。
他国も多少の不平不満はあったが、エルディア側が貿易面での関税価格の規制緩和、
技術提携等の譲歩により、無事不可侵条約の締結に合意。
これによって銀河での戦争の火種はギルドラドだけで行われている事になった。


 今、銀河の歴史が大きく動く!




 「おけましておめでとう、諸君。今日は盛大に騒いでくれ。乾杯~!」
 「乾杯。」 ドンドンドン パフパフ♪

 「ハラピー提督、新年おめでとうございます。」
 「ああ、おめでとう。」
 「それにしても、妙な所で新年を迎えるはめになりましたね。」
 「仕方ないさ。エルディア政府が結んだ不可侵条約のおかげではあるが、
  まあギルドラド領で新年を迎えた紅龍・白龍師団よりはましだろう。」
 「こちらは戦争で来てる訳じゃないですからね。」
 「全くだ。あはははは。」
 「それにしても、不思議な国だな、この地球連邦ってトコは。」

先の第2次ペトグランチェスト会戦後、ハラピーはそれまで赴任していた第8艦隊指揮官から
エルディア政府直属の特務艦隊指揮官に鞍替えさせられた。
第8艦隊旗艦アンヴァイセンは艦隊旗艦の任を解かれ
新たにハラピーが赴任する特務艦隊の旗艦として赴く事になったのだった。
特務艦隊の最初の任務は地球連邦との講和条約締結のやってきた特使の護衛として
ここ地球連邦にやってきたのだった。

話は2日前にさかのぼる。


 「ゼストバーグ特使。まもなく地球に到着いたします。」
 「お~、ハラピー中将。ようやく到着ですか、いやぁ、長かった。」
 「特使は長距離航行は初めてですか?」
 「ええ。私は元々学者です。星間飛行どころか首都星から出た事もありませんでした。」
 「そうでしたか。ま、今回は旅行気分でのんびりやってもいいのではないでしょうか。」
 「ええ。そのつもりです。でも、やっぱり疲れました。」
 「あははは。まもなく着陸です。もう少しご辛抱ください。」
 「わかりました。」


 銀河西暦4986年(帝国歴686年)12月30日。
 エルディア帝国は当初地球連邦とは不可侵条約の締結のみの思惑であったが、
 地球連邦側より規制緩和以上の付き合いを望んだらしく、その協議の為
 今回特使を派遣して講和条約を締結するか否かを決定する事にした。

 特使の護衛として先に設立された特務艦隊に護衛の任を与えられたハラピーは
 旗艦アンヴァイセンに特使を乗艦させ、こうして遠路はるばる地球までやってきたのだった。


 「これより月面基地への入港を許可します。」
 「入港許可、感謝いたします。」
 「エルディア政府特使の方々、ようこそ地球連邦へ。」

地球本星は環境保護の為、上陸には月面基地より専用シャトルでのみ上陸が許されていた。
ほどなく特使とハラピーそして護衛のメンバーたちも一緒にそのシャトルで上陸を果たした。
こうしてハラピーは、エルディア人として初めて地球連邦の土を踏んだ人員の1人として
その歴史に名を刻んだ。後の歴史書にはその事は些細な扱いしかなかったが
当人達は意気揚揚とその土を踏みしめた。

果たして講和条約は無事締結するのであろうか? それとも…。


  -つづく-



3か月振りに復活しました。まあ更新時期は気まぐれですがw、よければどうぞ。
2008年10月10日 イイね!

エルディア蒼龍伝 40

   第2章   第2次ペトグランチェスト会戦 5


エルディア帝国のギルドラド掃討作戦の第1弾とも言える「第2次ペトグランチェスト航路会戦はここに幕を閉じた。
結局両軍の損失はこのようになった。

<エルディア帝国>

第4艦隊  ・・・ 2300隻
第6艦隊  ・・・ 1800隻
第8艦隊  ・・・ 2900隻
第14艦隊 ・・・ 1400隻
第15艦隊 ・・・  600隻

 計        9000隻

 <ギルドラド惑星共同帯>

 計        3700隻

ギルドラド軍も壊滅前に撤退をしたので、最後撃ちあいによる消耗戦を回避出来た事は
後々の為にも有益であった。



「ひとまずは勝利を得る事が出来ましたね、ハラピー閣下。」
「ああ、そうだな。」

ライオネル・ハラピー中将とパスツール・グランドーレ少将が去ってゆくギルドラド軍を眺めながらそう言った。

(しかし、今後は敵の領内に侵攻していくことになるだろうから、今以上の苦労は必至だな)

そう、この戦いでおそらくエルディア帝国としても一気にギルドラド惑星共同帯を
占領する算段を開始するはずであろう事は自明の理であった。
今回のようにギルドラドもエルディア帝国の侵攻に対して先のような兵器で応戦してくるとなると、辺境銀河連合との不可侵条約の期限切れの前にギルドラド惑星共同帯の完全占領は出来ないであろう。
よって条約終了までにどこまでギルドラド領に侵攻出来るかがカギとなるのだった。

(さて、お次はどの艦隊の出番となるかな?)




 <エルディア帝国首都星 ゴッド・オブ・アクアスター>

「どうやら『蒼龍師団』は無事勝利を収める事が出来たようじゃのぅ。」
「ああ、まず第1弾は成功という訳じゃな。」
「これからが問題じゃがな。」
「どういう事じゃ?」
「それは今更言わんでもいわかるじゃろう?」
「…」

今、エルディア帝国最高評議会では今回の会戦の結果と今後の行動についての話し合いが
始まっていた。

集まっている面々はエルディア帝国を牛耳る元帥陣が勢ぞろいであった。


統合作戦本部長       スチュアート・ヘルグランダーナ元帥
帝国軍最高司令長官    エクサボング・シュルトハーゲン元帥
帝国宰相           アイリッシュボルグ・ビーグルヘターベスト元帥
軍令部人事管理局々長  ブルーム・バルディー上級大将
黄龍師団総帥        グラール・エステンブルグ上級大将
紅龍師団総帥        ドトール・バレンティーノ上級大将
蒼龍師団総帥        バーミリアン・ギルフォード上級大将(会戦中につき欠席)
白龍師団総帥        マクシミリアン・エルメストラーデ上級大将


「えー、今回の評議会の議題はギルドラド惑星共同帯への領内侵攻作戦についてじゃ。」

評議会議長ポールギーガ・ドトルギーファ侯爵によって会議が始まった。

「では、今後の作戦の概要について帝国軍最高司令長官エクサボング・シュルトハーゲン元帥より説明をしてください。」
「はっ。先の会戦で蒼龍師団が勝利を勝ち我が軍はギルドラド領内への足がかりが出来ました。これからは時間との勝負にもなりますが、辺境銀河連合との不可侵条約の期限が切れるこの10か月しかありません。今回の議題の最重要課題は10か月でギルドラドを完全占拠するのか、はたまたギルドラドを掌握出来る条約を締結出来る頃合いまでの戦いをするのか、どちらを目標に戦うかを決めていただきたいと存じます。」

完全占拠が出切れば条約期限が切れても相当数の戦力を辺境銀河連合側に集約できるが、
部分占拠で講和による暫定支配では当然1個師団は駐留を余儀なくされる。
さて、どこまで侵攻するか興味は尽きない。

「当然、完全占拠を目標にすべきである!今現在辺境銀河連合とは不可侵条約が効いているのでそちら方面の戦力をギルドラド戦に持ち込めば戦力は十分整うはずじゃ。何をためらう事があろうか!」

そう意見したのは統合作戦本部長スチュアート・ヘルグランダーナ元帥であった。

「作戦本部長の意見に賛成であります。」

そうサポートするのは黄龍師団総帥グラール・エステンブルグ上級大将だった。
言うまでもなくヘルグランダーナ元帥派の人物であるから支援は当然である。

「お待ちください、この意見には賛同しかねる。」
「何じゃと!?」

反論を持ちかけたのは、帝国宰相アイリッシュボルグ・ビーグルヘターベスト元帥であった。
ヘルグランダーナ元帥とビーグルヘターベスト元帥は次期帝国公帝の座を巡って水面下で暗躍し合っているだけに意見が合う訳がなかった。

「帝国宰相の意見は我らが神エルディア神への信仰が足りないから不安があった仕方がない故の発言ではありませんかね?」
「何を訳のわからん事を。朕が言いたいのは完全制圧となると人員物資の面で相当負担がかかる故財政面にもかかわる問題となると無下に賛成も出来ないのが心情だからじゃ!どこかの戦うだけしか取り柄のない輩と一緒にせんでくれ。」
「むむむ、今何と言った? 朕が戦いしか取り柄がないじゃと!?侮辱じゃ。」

ビーグルヘターベスト元帥の牽制にあっさりハマり怒りを露わにするヘルグランダーナ元帥。

「宰相閣下、その発言は悪戯に怒りをあおるもの。謹んでいただきたい。」

そう言ってヘルグランダーナ元帥をフォローするのは帝国軍最高司令長官エクサボング・シュルトハーゲン元帥であった。
だが、政治活動で発言力にかけては群を抜いている宰相ビーグルヘターベスト元帥が
引き下がる訳がない。

「軍人は戦う事だけ考えればいいんじゃから楽でいいですなぁ。朕なんぞは政治・経済・外交等様々な面でやる事が多い中軍の愚行にまで付き合えるか、少しは国内の人民の事も考えんか!」

宰相としては至極当然の発言であった。だが、正論=納得とはすんなりいく訳がない。

「帝国宰相は肝っ玉が小さいのぅ。我が軍が勝利を収めるので何も心配する事はない。」
「その通り。」
「案ずる事はありませんぞ。黙って金だけ出せばいいのですじゃ。」

ヘルグランダーナ派の支持が多い。

「ふん、あまり私を怒らせないでいただきたい。何も戦いなとは言っておらん。
ただ、我が帝国が無尽蔵に財力があると思わないでいただきたい。ただでさえ先の駐留ステーション破壊と新たなステーション建築・艦艇の増産・更には兵員不足の問題と政治経済側からは無下に戦争賛成とは言えませぬ。財務省からも軍部への資金面の抑制を言ってきておるのですから。」
「それを抑えるのが宰相の仕事であろうが。」
「元帥は内からこの帝国を没落させるおつもりですか!」
「何!?」

双方、主張が食い違う為会議は停滞してしまった。

「議長、よろしいでしょうか?」

停滞した会議の流れにくさびを打つべくこの男が発言をしてきた。
白龍師団総帥マクシミリアン・エルメストラーデ上級大将である。

(おい、エルメストラーデが発言だと!?)
(あの無口が珍しいぞ…)
(どういう事だ!?)

場内がざわつくが議長が発言を許可したので、再び場内に緊張が走る。

「統合作戦本部長の意見も宰相閣下の意見も正しいと思います。よって私は今回のギルドラド侵攻作戦には全力であたるべきと思います。」
「ほらみろ、白龍師団もそう言っておろうが。」
「どういう事か?理由を聞かせてもらいたい。」

ヘルグランダーナ元帥はこの男が支持を訴えるとは思っていなかったのでテンションが上がってきているが、ビーグルヘターベスト元帥としては面白くない。

「ギルドラドは現在帝国にとって最大の敵である事は確かです。ですが、辺境銀河連合は必ずしも敵ではないとも言えるでしょう。なぜなら辺境銀河連合にとっても我がエルディア帝国と本格的戦闘を望んではいないからです。」
「何じゃと!?」

突然の内容に場内騒然となるが、かまわず話を続ける。

「最近辺境銀河連合では大統領の辞任が確実との情報を入手してます。」
「!?」

更に場内がざわめく。

「これから次期大統領選出の投票に向け1年は連合内でゴタゴタが起こるのは必至。」
そこで軍部は全力でギルドラドをせん滅、そして政治では外交で辺境銀河連合と交渉し不可侵条約の延長を締結、最終的には辺境銀河連合とは共同戦線を張る。こうすればギルドラドを叩けば当面は軍の大規模な活動は減り財政面の負担も減る。これでいいのではありませんか?」

場内がシーンとしている。

確かに今我が帝国に唯一反抗的なのはギルドラドのみだ。辺境銀河連合も積極的に我が国に侵攻してきた事はない。逆にギルドラドと組まれる方がやっかいである。
そういう様々な面を検討すればおのずとその意見の賛同が増えていくのは自明の理であった。

そして、この発言に決定力をもたらしたのは意外にも
軍令部人事管理局々長ブルーム・バルディー上級大将の発言であった。

「要は宰相閣下には全力で辺境銀河連合との不可侵条約の延長にあたってもらい、軍部は全力でギルドラドを打倒してもらう。この2つがかなえば当面この銀河に平和が訪れる訳です。」

「平和」

銀河の統一をなす事によりこの銀河に平和がもたらされるという考えエルディア帝国にとって講和と協調で平和をもたらすのは果たしていい事なのか悪い事なのか?
結果は見えていた。最終的には平和がもたらされるのが大前提なのだから。

(ふっ、まあよかろう。そのかわりギルドラドを叩いた功績で我が派がこの帝国を牛耳れればそれでもよし、か。)

そう思ったヘルグランダーナ元帥は、

「バルディアー上級大将の意見は正しい。我が国がこの銀河に平和をもたらす。
その礎をこの戦いでしめそうではないか。」

 ざわざわ…

(よし、これで案を取らせろ)

そう思ったヘルグランダーナ元帥は目合わせで議長にサインを送る。

「で、では最終決議に入ります。ギルドラドへの全面攻撃を認可するか否か?」

こうして可か非かを問うたが、結局は賛成多数で全面攻撃」という事になった。
但し、不可侵条約の延長が大前提であったが…。





会議後、1人その場に残ったブルーム・バルディーは

(まあ、これで軍部もギルドラドを占拠出来ればその功績は大だし、宰相も条約の延長がなされれば軍部の功績は政治部の外交のおかげだとその功績は評価されるので、お互い面目がたつ結論となったと考えればこの結果もアリか)

そう、1人残った会議場でつぶやくのであった。


銀河西暦4986年(帝国歴686年)10月10日。
いよいよエルディア帝国軍がギルドラド制圧作戦に乗り出すのであった。


   -つづく-


次回からはしばらくお休みをいただきます。
また再開した時は宜しくお付き合いいただければ幸いです。

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