
それは十数年前の12月初旬の事だった。
□海君と▽田くんと僕のクォーター・マルチ軍団ツーリングの日。
中央高速道を西へ向かう。
さすがに師走に入ると冷たい空気が身体に突き刺さる。
オービスなどもものともしないバカ者・・・
否、若者だったので、大型車などを追い越しながら
直線のほんのわずかな区間でスピードメーターの右端まで
針を回してみたりもした。
双葉SAのレストランで休憩。
トラックのドライバーに話しかけられる。
「3台で走ってた人たちだよね?
寒そうだなぁ~って見てたよ(笑)」
韮崎ICで降り、昇仙峡ラインを走るコース。
適度な山道を走ったあと、一般道で帰路につく。
山梨県側から東京西部地区に戻るには
そう、おなじみの柳沢峠超え。
今でこそ道幅も広く、カーブも少ないこの道も
当時は狭く暗く、路面状況も決して良いとはいえない山道。
走りながら見上げるこれから向かう山は・・・なんか白い・・・。
山中は、もう雪が降ったのか。
今、走ってる感じだと道は大丈夫そうだけど・・・。
昇って行くにつれ空気の冷たさがきつくなって来る。
そして柳沢峠の頂上。
『!!』
峠の降りは北斜面になる。
頂上を境に繋がる道は氷の世界・・・。
辺りはもう薄暗い。
バカ者・・・否、若者には引き返すという安全策は思い浮かばない。
最短距離を行くのが最短時間だと勘違いしがちなのがこの年齢層である。
氷の隙間に残る車の轍にタイヤを落としながらソロソロと降って行った。
オンロード車3台による、綱渡りのような走行。
僕のバイク(スズキGS250FW)は、他の2台よりも数年古いタイプなので
タイヤも細く、バイアス的なパターンのタイヤなので悪路走破能力はある程度高いが、
他の2台(ホンダCBR250RR・ヤマハFZ250R)の後輪は極太タイヤ。
こんな滑りやすい道で接地面積が大きいとさらに滑りやすいはずだ。
怖かったろうな・・・
おまけに▽田君のFZ250R、デュアルライトなのに両目とも球切れ。
超近眼なのに暗闇の中、前を走る□海君と僕のヘッドライトを頼りに走る。
なんとか無事に帰りついたものの、今回のツーリングのメイン
昇仙峡ラインの事はほとんど覚えておらず
全部、柳沢峠北斜面に持って行かれたのだった。
柳沢峠・・・
ここにも魔物はいるのか・・・
Posted at 2007/04/14 07:19:13 | |
トラックバック(0) |
transalp | 日記