以前に参加したEVエコランではスタート時のグリッド順を決めるために前もって最高速テストがありましたが、そこでモーター性能が重要なのはもちろんですが、エコは置いといて最高速度のみに注目したとき最終的にボトルネックとなるのは支給されるバッテリーの出力密度になります。
Protean ELECTRIC社の18インチホイール用モーターのピーク出力は75kw、2輪で150kwとなりますがピーク領域ではモーター効率が下がるのでバッテリー出力としては短時間でよいので200kwくらいは欲しいところです。EVであれば搭載するバッテリー容量が大きいので問題ないのですが、HVの場合は搭載するバッテリー重量をできるだけ軽くしたいのでかなりハードルが高くなります。
比較的入手しやすい出力密度の高いバッテリーとして東芝のSCiBの10Ahセルの高出力タイプ1800W (SOC50% 10sec 25℃)がありますが、これを112個使えば200kw出力は計算上は可能になります。ただし前出のインホイールモーターのピーク出力を出すときの電源電圧は400Vとなっているので昇圧回路での損失等を考慮して220kw出力とすると123個。重量で約63kgですが結構いい感じになります。
実際はバッテリーの保持とその温度管理のための機構やモーター冷却液の熱交換機構そして電線の重量も無視できないので製作していくと想定の数割増しになってしまうのですが、年々バッテリーの性能も向上しているので数年後であれば思うよりも軽量に作れるかもしれません。
本来は省燃費のためのHVであるべきですが、やっぱり過激な方向を目指さないとやる気が出てきません。公道においてけたたましいエンジン音とともに加速していくのは遠慮したいのですが、ハイパワーな高級車を横目にモーター音のみでフロントアップ気味に加速していくツインなんて想像するだけで楽しくなります。これからはEVの時代とまことしやかに言われていますが、車重をあまり増加させないでEV並みの加速性能を発揮しつつ、EVを大きく凌ぐ航続距離を可能にしてくれるHVにはまだまだ魅力があります。
今週末に900kmほど離れた広島へツインHVを取りに行きますが、これで手持ち資金が底を尽いたので最初の2年くらいはツインのHVシステムの解析に費やすことになるでしょう。少なくとも発電+充電制御は思い通りにコントロールする必要があります。20年ほど前は仕事でエンジンECUやデジタルメーター等の修理もしていましたが、今はECU間のCAN通信などに介入する力量もないし、資金もなかなか貯まらないので年単位の時間をかけてコツコツと今回のプロジェクトを進めていきたいと思います。
(グラフではなぜかピーク出力は85kwになっている)
(Protean ELECTRIC社 資料より)
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2017/12/05 17:43:55