2013年06月13日
MT車に乗る理由
※この記事は2012年10月25日にGazooブログに投稿したものです。
当時と現在で状況が変わっていますので一部訂正、加筆を行っています。
みなさんご存じのとおり、日本でのAT車比率は98%と最早MTは絶滅危惧種人認定されてもおかしくないレベルに希少である。
仕事で仕方なくMTに乗る人を除けば、MTに乗る人=車好きという公式が成り立つ。それほどにMTは趣味性が強いものとなっている。
主にMTに乗る理由に挙げられるのは以下の4点が多い
1.「走行性能」
昔はATの性能が低く、走行性能や燃費においてMTが圧倒的優位にあった。ATは耐久性にも難があり、便利になる反面コストがかさむというデメリットも大きかった。それ故にMT車率は高かった。
しかし昨今のAT技術の進化は目まぐるしく、走行性能はMTと同等かそれ以上である。特に走行性能は多段化やロックアップ機構の開発により変速時間0.1秒を実現するATもある。常に動力を伝達するというトルクコンバータの特性上、シフトアップ時に駆動力が途切れずトップスピードまで途切れることなく加速が続くのも大きな利点と言える。
またクラッチを多板化することでレスポンスの向上を実現したDCT、MTと同じ構造を保ちながら自動変速機構を実現したSMTなども登場している。
よって走行性能のためにMTを選ぶ理由はほぼ皆無であると言える。
2.「燃費」
従来のATは駆動力の伝達効率が悪かったため燃費も悪い傾向があった。
しかし上述した通り駆動力の伝達効率はMTと同等レベルになっており、燃費では大差ない。またCVTは常に最適なギア比を選ぶことができるという利点があるため、燃費ではMTを大きく上回る。
よって燃費を理由にMTを選ぶ理由は無い。
3.「耐久性」
これも昔のATはうんぬんという話で、現在のATは高出力にも余裕で対応する。
なのでこれも無し。
4.「シフトチェンジ時の雰囲気」
シフトチェンジ時にカコッと音を立ててレバーを動かす。いかにも操縦している感がでてかっこいい。
ATにもパドルシフトやシーケンシャル機構などがあるが、Hパターンシフトのほうがいいという人もいるだろう。
しかしこれだけを理由にMTを選ぶのは少し難があると思う。
「じゃあなぜおまえはカリーナのMTなんか買うんだ!」と言われそうだがご心配なく、ちゃんと理由があるんですよこれが。
その理由とは「車に自分の意思を細かく的確に伝えることができる」である。
そんなもんATでも進みたいときはアクセル踏めば伝えられる! 言われそうだ。
確かにATでも車に自分の意思は伝えられる。でもそれは、車にあらかじめ用意された意志を、ドライバーが選択しているだけなのだ。
必ずなんらかの電子制御が介在しているため、車にダイレクトに意思を伝えられないのだ。MT車でも横滑り防止装置やトラクションコントロール、ABSなどが備わっているが、AT車はトルクコンバータなどより多くの電子制御を持ち、ドライバーの意思がダイレクトに伝わるのを阻害する。
発進するという意思をあらかじめ持っている、だから発進はスムーズにかつ簡単に行える。
MT車には車に意思が無い。全てにおいてドライバーが意思を与える必要がある。ドライバーが自分の意思を伝え、それに車が反応する。意思の伝え方を間違うとエンストなどによって車はそれを拒否する。これこそが車との対話であり、スポーツドライビングの根本ではないのだろうか。
速く走るためには速く走るという意思を車に的確に伝えなければならない。そのためには車に的確に意思を伝える必要がある。
車に意思を伝える方法を知らない、できないのでは、いくら速く走ることができてもスポーツドライビングとは呼ばないのだ。偶然的に速く走ることができているか、車自体が最初から速く走るという意思を持っているのだ。
ここまで言うと「MTだったらやっぱりスポーツ系の車だろ、なんでカリーナなんだ」と言われそうである。確かに言われる。だがこれにも理由がある。いやまあカリーナも4輪ストラット+スタビライザーでスポーツできそうだけどまあ置いといて。
教習車のTSS13Y型コンフォート(約130ps)にてこずっていた私では、高性能なスポーツカーを購入したところで的確に意思を伝えられずもてあますだけであろう。
カリーナはものすごく運転しやすい車だ。MTモデルとて例外ではなく、クラッチは非常につなぎやすい。見切りもよく小回りが効き、基本が良くできていて癖がない。MTの運転を覚え、車に意思を伝えることをしっかりと覚えることができるだろう。
扱えない200psよりも扱える100psのほうがいいということだ。
まだ価格が手に届く範囲にあると言うのも大きい。正直86は高すぎて買えないのだ。またやはり86およびBRZはロードスターと同じく癖がある。1台目に買う車としては少しオーバースペックすぎる。
これは私の考えであり押し付けるつもりはない。だが心の片隅に置いてもらうと幸いである。
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2013/06/13 13:47:14
タグ
今、あなたにおすすめ