※この記事で書いてあることを実行して損害が出たとしても私は責任を負いません。
みんカラだけじゃなく車関係の話題だとほぼ必ず出てくるのが……
ヘッドライトの黄ばみ!

我が家のカリーナさんもヘッドライトが黄ばんでおります。買ったときから物の見事に黄ばんでおります。もっさんさんと一緒に削りまくったのですが、すぐにまた黄ばんできました。
正面から見ると「うっすら黄ばんでいるかな?」というレベル。黄ばみレベル2くらいです。でも上から見ると黄ばみレベル10くらいです。
ヘッドライト磨きのコンパウンドを購入したのですが、効果は弱くすぐに黄ばんできます。どうにかならないものかと考えていました。
時は過ぎまして、会社で使っていたキーボードが壊れました。キータッチの感覚が気に入らなかったこともあり、家の物置部屋から古いNECのキーボードを持ってきました。
このキーボード、元は白だったのですが20年の歳月を経てものの見事に黄色く変色しました。そこでふと思ったのですが、キーボードの黄ばみってヘッドライトカバーと同じちゃうのかなと。
いろいろ調べてみますと、キーボードは以下のようにして黄ばむようです。
キーボードのABS樹脂に使用される難燃剤テトラブロモビスフェノールA(TBBP-A)が紫外線にさらされ臭素原子が遊離。この臭素原子が空気中の酸素と配位結合して一酸化臭素を形成。これにより臭素の色が出てしまい表面が黄ばんでしまう。
ではどうするかと言いますと
1. 過酸化水素水に漂白活性化剤を加えた液体を黄ばみ部分へぶっかける
2. そこへ紫外線を浴びせて臭素分子のBr-Br結合や一酸化臭素の配位結合を切る
3. すると過酸化水素水の水素と臭素が共有結合(配位結合よりも強い)!
4. 臭素が脱色→黄ばみが取れる!
こんな感じで取れるらしい。つまり……
過酸化水素水と漂白活性化剤と紫外線で黄ばみが取れる!
引用元のサイトではゲームボーイの筐体で試されていました↓
引用元:
2010/09/05:プラスチックの黄ばみを取る
引用元サイトで書かれちゃっていますが、過酸化水素水と漂白活性化剤が混ざったもので最適なものは
「ワイドハイターEX」です。
ワイドハイターの最上級クラスと位置づけられた製品ですから、その効果は絶大でしょう。
で、話をヘッドライトカバーに戻します。ヘッドライトカバーはキーボードとは違いポリカーボネートが使用されています。
このポリカーボネートにも難燃剤としてTBBP-Aが使用される場合があります。つまりキーボードと同じ仕組みで劣化してしまいます。じゃあキーボードと同じように黄ばみを取ることが出来るのではないかと。
調べたら既にやっている人がいました。
ヘッドライトやフォグランプの黄ばみ・曇りの取り方 « infinitypossibility ‐LateNews‐
みな考えることは同じと言うことですな。
ということでヘッドライトの黄ばみは酸素系漂白剤、簡単に言えばワイドハイターEXで取れると言うことらしいです。
漂白剤がプラスチックに与える影響ですが、LIONのQ&Aによると酸素系なら問題ないようです。
Q&A|その他お役立ち情報|お役立ち情報|ライオンハイジーン
「漂白剤を使えない食器の種類(材質)はどのようなものがありますか」をクリック
心配なら曇ったヘッドライトカバーを入手して試してみるといいかと。
最後にポリカーボネートについて。
ヘッドライトカバーにポリカーボネートカバーが採用され始めたのは90年代初期からです。少なくとも93年発売のJZA80スープラ前期は黄ばむらしいです。
ではなぜガラスではなくポリカーボネートが採用されたのかといいますと、ポリカーボネートがガラスよりも優れている部分が多いからです。
特に透明性・耐衝撃性・耐熱性・難燃性が優れておりエンジニアリングプラスチックの中でも特に性能が高いプラスチックです。一概には言えませんがガラスよりも低コストです。
ポリカーボネートは戦闘機のキャノピーや特殊部隊の防弾バイザー、旅客機の窓、信号機のレンズなどに採用されています。なかなかすごいやつなんです。決して安いからという理由だけで採用されたものではありません。
例えば歩行者と衝突した際、ガラスでは破損してしまい歩行者への被害が大きくなってしまいます。ポリカーボネートならそういうことが起こらないわけです。またガラスよりも軽量なのでフロントオーバーハングが軽くなり運動性能向上にもつながります。
一部ではポリカーボネートのみならずプラスチック全体を悪く言う方がおられますが、プラスチックをなめないでください。プラスチックを成形するための金型にかかるコストは意外と高いんですよ。ヘッドライトの黄ばみもポリカーボネートは悪者ではありません。難燃剤と紫外線によって臭素原子の遊離が原因です。
ちなみに私が乗っている7代目カリーナは前期がガラス、後期がポリカーボネートです。
前期GT 81130-2B720 ヘッドランプ ユニットRH : 25,812円
後期GT 81110-2B720 ヘッドランプASSY RH : 31,104円
ポリカーボネートのほうが高かったりします……。他の車種だとどうなるんでしょうか。
参考サイト
主要難燃剤解説-テトラブロモビスフェノールA-
2010/09/05:プラスチックの黄ばみを取る
ヘッドライトやフォグランプの黄ばみ・曇りの取り方 « infinitypossibility ‐LateNews‐
プラスチックの難燃化-最近の動向- | 製品・サービス | 三菱化学株式会社
ブログ一覧 |
車全般 | クルマ
Posted at
2014/09/26 15:11:02