京都で起きた事故。
スポーツカーが悪い、過剰な性能が悪いと言われているが、じゃあ包丁で人を刺したら包丁が悪いのか、包丁を作った人が悪いのかということになる。罪や責任は道具じゃなくて人にあるべきだから。
過剰な性能が悪いのなら、この世の8割の車は悪い車だ。もしかしたら私のカリーナも悪い車なのかもしれない。1速で踏めば60km/h、2速で踏めば100km/hオーバーまで軽く加速する性能を持っている。日本の公道では不要な性能だろう。実際、フルスロットルを踏まなければいけない状況になったことは無い。カローラなら同じギア比、同じエンジンで車重が軽いからさらに加速は鋭いだろう。
公道で少し安全性を犠牲にして制限速度を少し超過なんてことはほぼすべてのドライバーに経験があると思う。制限速度を超過していると言っても安全マージンをしっかりと確保しているから事故は起きにくい。でもたまに安全マージンを取らずにリミッターが当たるような速度で走って事故を起こす。これは自分の運転技術や車の性能を過信して安全マージンを取らなかった、または見誤ったから起きる。
じゃあ今回のドリフトはどうか。安全マージンなんて一切考えていなかったんだろう。普通なら300psオーバーでリミッター外せば250km/hも簡単に出るような車を公道で滑らせるなんて頭の隅にも出てこなかったはずだ。
ホイルスピンさせて白煙をちょっと出しただけで警察のお世話になる。それだけタイヤを滑らせるのは危険なことで、プロのドライバーでも対処が難しい。
少し前にtwitterでこんなツィートがあった。
『大型のバイク免許を取った時交通安全協会のおじさんが、皆さんは世の中に全く必要無い乗り物の資格を得ました、だから皆さんを羨ましく思う人も居ます。どうかそういう人逹から格好いいと思われるような振舞いをしてください、と言ってて、なるほどねと思った。』
元ツィート
フェアレディZの排気量は現行型で3.7リッターもある。ここまでくればこのツィートで言われているように「世の中に全く必要のない乗り物」だろう。ではフェアレディZに乗っていて格好いいと思われるような振る舞いとは公道でドリフトをすることなのだろうか。
彼もフェアレディZに憧れていたのだろう。事故が起きるまではスポーツドライビングを楽しんでいたのだろう。悲しいのは彼にとってのスポーツドライビングが公道でのドリフトだったことだ。危険なことを公道で格好良く行うことはスポーツドライビングではない。ただの危険運転だ。
私はスポーツドライビング ≠ 速く走ることだと思っている。パワーが無くても、スポーツカーでなくてもスポーツドライビングは出来ると考えている。またスポーツドライビングにパワーは必要ないとも思っている。
ホンダがCR-Xを出したときに「FRでなければスポーツは出来ないのか」と同じように、私は「スポーツカーでなければスポーツは出来ないのか」と言いたい。
Posted at 2013/09/25 10:27:21 | |
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