2014年05月19日
カリーナと初代10型プリウス。製造メーカー以外に全く接点が無いように思えますが、実は切っても切り離せなかったりする関係があります。
プリウス開発に関して燃費目標は2倍というのが広まっていると思います。実際、10型プリウスはG21プロジェクトによって掲げられた従来車の燃費2倍という目標で作られました。
実はG21の前にハイブリッドスタディチームと言うハイブリッド車を専門に研究するチームがありました。想定車両はG21とは違い北米仕様のカムリとし、エンジン、ミッション、ハイブリッドシステム構成などを様々に組み合わせてシミュレーションしていました。
このハイブリッドスタディチームが当時の技術担当副社長だった和田氏に計画の詳細と従来車の2倍と言う目標を報告したところ、和田氏はそれを却下し従来車の燃費3倍を目標とするよう言ったそうです。
燃費2倍目標でもかなり突き詰めていた計画です。当時の技術で考えられる限りのメニューを入れても2倍強が限界。恐る恐る和田氏に報告したところ、あっさりとそれで進めようと言われたそうです。
G21プロジェクトでは非ハイブリッドで燃費1.5倍だったそうで、それは廃案となりハイブリッドスタディとG21が統合されプリウスの開発がスタートしました。
いざ量産市販車の開発となるとシミュレーションでは出てこなかった問題がわんさか出てきます。初期のプロトタイプでは燃費2倍どころか1.5倍も難しかったそうです。
この時点では「従来車の燃費2倍」の従来車はAE110型カローラ 4ATでした。110カローラの10-15モード燃費は15km/l、つまり目標は30km/lです。しかし生産開始直前になっても28km/lが限界。そこで出てきたのがAT212型カリーナ 4ATです。AT212型カリーナ 4ATの10-15モード燃費は14km/l、NHW10型プリウスの10-15モード燃費は28km/lです。
2000年の改良で29km/l、2002年には従来の目標だった30km/lを上回り31km/lになりました。モード燃費だけでなく実燃費向上も重視され、電動エアコンや排気熱回収システムなどが採用されました。
今はカローラもカリーナの後継となったアリオンもモード燃費のみならず実燃費でも燃費向上されていますが、当時のカローラ、カリーナ比なら燃費3倍はそう遠くないのかもしれません。
Posted at 2014/05/19 17:18:26 | |
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