今回はホンダのアコードインスパイアに試乗させていただきました。
いわゆるハイソカーブームのころ、トヨタ マークⅡや日産 ローレルが大人気。カローラよりマークⅡのほうが売れたなんてこともあったくらい大人気でした。
ホンダはアコードとレジェンドがありましたがハイソカーブームに乗るためにアコードの上級車種として生み出されたのがアコードインスパイが(現インスパイア)です。コロナマークⅡみたいなものです。

ホンダらしい低く構えたスタイリングが特徴。完全な5ナンバー車ですがややワイド感があります。

着座位置は外観の印象よりもやや低い位置にあります。大きなフロントガラスで視界も良好。

エンジンはG20A型 直列5気筒 SOHC。それを縦置きにして4速ATを組み合わせています。
今回はライバル車をご用意いたしました。当時ハイソカーブームの牽引役として一世を風靡し、私の親が約14年間乗っていましたGX81型マークⅡ ツインカム24です。
どちらも高回転型NA多気筒エンジンですが、さすがホンダと言いますかパワーでもトルクでもマークⅡを上回ります。
車全体で見た場合では駆動方式、最小回転半径、室内寸法が大きな違いかと。室内の広さや鳥周りの良さではマークⅡが一歩上です。
今回はこのハイソカーを山坂道ではなく市街地に持ち込んでみました。
ドアを開けるとまずシート位置の低さに驚きます。「日本のクルマはどうしてこんなに道路や地面から近いところに座らせて、運転をさせなきゃいけないんでしょうねぇ」という言葉を思い出します。
シート表皮は起毛です。子供のころに触って色が変わるのが面白くてずっと触っていました。座ってみるとクッションが硬めで体をしっかりと支えてくれます。
エンジンを始動し直線タイプのシフトレバーをD4レンジに入れてブレーキを離せばするするとスムーズに発進。やはりこういう部分ではトルコンATがいいなと思わせてくれます。先日試乗したC3のような不躾な動きはありません。
アクセルをすっと踏み込めばするすると速度を上げていきます。シフトショックは皆無ですし、静粛性も素晴らしい。
シフトレバーにはスポーツモードのボタンがあり、押すとメーターパネルのシフトインジケーター下部にあるSマークが光ります。スポーツモードではレッドゾーン近くまで引っ張ってくれます。
スポーツモードでちょっと踏んでみるとスムーズに速度を上げていきます。音は直4のようなバラつきは無く、かと言って直6ほどスムーズでもない音です。高級車らしくちょっと音が抑え気味ですが、十分楽しめます。
足回りは乗り心地重視でやや柔らかいセッティング。へたっているのかストロークが足りないのかわかりませんが少し変な感じがしました。路面状態が良いところではフラットな感じで好印象です。
ハンドリングはややだるな印象。予想よりも少し操舵量が多めです。カーブを曲がるときはやはり4輪ダブルウィッシュボーンは最高ですね。タイヤがしっかりと路面をつかんでいる感覚があります。
アイドリング時にやや振動が出ます。最近の直4でも出ないぶるぶると小刻みに震えるもの。そういえばGX81マークⅡでもありましたね。エンジンマウントが劣化するとこうなります。
あと足がストロークしたときにコトコトと音が。アーム類のブッシュかな。他の音が静かなので意外と気になるところ。
ホンダのセダンと言うことでスポーツ志向なセダンと思っていましたが、意外にゆっくりと流したくなる車でした。
FFミッドシップなどいまいちメリットなのか何なのかわからない部分が残念です。横置きエンジン車特有のしゃくりは無いのが今回の試乗でわかった唯一のメリットです。全体的に高級車として完成されている車ですが、やはりマークⅡには敵わないなと。
Posted at 2015/03/04 11:54:33 | |
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試乗記 | クルマ