
今度はヴィッツのスポーツグレード「RS」に試乗してきました。
マニュアル車がよかったのですが、試乗車はAT車のみしかないとのころでAT車の試乗になります。
ヴィッツRSはノーマルのヴィッツと比べると以下の違いがあります。
・外観
・足回りが硬い
・スポーツタイプのシート
・LEDプロジェクターヘッドライトが標準装備
・1.5Lエンジンのみ
・唯一の5MT
・CVTに7速スポーツシーケンシャル付き
・スポーツモード付き
□外観
外観はほかのグレードと違い少しきつめ。私もあまり好きではないデザインです。
リアはフロントと比べると変更は少な目。コンビネーションランプなどの変更にとどまり、初代ヴィッツRSからのデザインを踏襲した形です。
□内装
RSの内装は一番価格が高いこともあってかUグレードと同等かそれ以上の部分が多くなります。
特にステアリングとシフトノブが革巻きになるのがいいところ。また、ステアリング前後調整もRSのみの装備です。

運転席&助手席
シートはスポーツタイプのシートで、サポート性はなかなかのものです。

後部座席
意外と広いので十分座ることができます。全開加速時はマフラーの音などが入ってきますので、とのカバーのオプションはほぼ必須です。

アイドリングストップが付くとTFTマルチインフォメーションがつきます。それと比べるとやや寂しい感じ。
一番の問題点は水温計が無いこと。後付するしかありません。
□パワートレイン
初代ヴィッツRSのころからお馴染みの1.5L 直列4気筒DOHC 1NZ-FEエンジン。109ps 13.9kgfmですが、低中速重視のセッティングで扱いやすい特性。1.5Lのトルクとパワーはかなり力強いです。全開加速時の音も初期の1NZ-FEのようなばらついた音ではなく、それなりに心地よい音を出してくれます。
CVTは1.3Lモデルと比べるとやや洗練さに欠けますが、低回転を維持して走ろうとする制御は好印象です。
RSには7速シーケンシャルが装備されます。シフトチェンジはパドルかシフトレバーで行います。マニュアル車に慣れているとパドルは少し違和感があり、シフトレバーのほうがやりやすかったです。カチッと押せばすぐに変速してくれますしギア比もクロス気味なのでなかなか楽しめる装備です。
スポーツモードをONにすると電子制御スロットルの制御とCVTの制御が変わります。CVTはオートモードでもギア段数を再現した制御になり、こちらを好む人も多いかもしれません。
パドルシフトではシフトダウン後の回転数が一定以上だと警告音が鳴りシフトがキャンセルされます。シフトアップ時は1500rpm以下になる場合のみシフトアップがキャンセルされますが警告音は鳴りません。おそらく低回転では油圧式VVT-iが働かないためだと思われます。
スポーツモード + シーケンシャルでの全開加速は一瞬で100km/hに到達できます。動力性能としてはかなり高いレベルです。
□足回り
今回はこのホットハッチを磐船街道という山坂道に持ち込んでみました。
ただ足を固めただけの車だと思っていたのですが、しっかりとロールを抑えながらストロークさせるところはしっかりとさせ、タイヤがしっかりと路面についている感覚があります。
一般的な人の感覚からするとやや乗り心地が悪いと感じると思いますが、私はそこまで乗り心地が悪いとは感じませんでした。試しに工事跡のデコボコにタイヤをのせてみましたが淡々とクリア。ダンパーがしっかりと仕事をしている証拠です。開発者はなかなかいい仕事をしたようです。
試乗車はブリヂストン エコピアを履き、走行距離は約600kmでした。
□総評
ただ足を固めた車だと思っていたのですが、よく仕事をする足、しっかりとしたボディ、ちょっとやる気にさせるエンジンサウンドなどスポーツグレードとしての完成度はかなり高い車でした。
CVTでもシーケンシャルやスポーツモードなど、楽しめるような装備はありますが、RSを買うのであればやはりマニュアル車を選びたいところです。
ヴィッツRSの5速マニュアルはAE111前期型カローラレビン/スプリンタートレノに20バルブ黒ヘッド4A-GEに組み合わされて搭載されたC56型。1速から5速までしっかりとクロスレシオになり、部品精度もかなり高い優秀なトランスミッションです。スポーティの楽しみたいならCVT、スポーツなら5MTだと思います。
残念なのは水温計が無くなったこと、最小回転半径が非常に大きいこと、タイヤサイズです。
水温計はまあ純正のやつは役に立たないのですが、できれば欲しかった。最小回転半径ももう少し小さくしてほしかった。
そしてタイヤサイズ。ヴィッツRSは195/50R16という見た目重視サイズ。ヴィッツの車重であれば175幅でも十分。また扁平率も60程度で十分でしょう。大径ブレーキを装着するためならわかりますが、見た目だけならディーラーオプションで十分です。
Posted at 2015/02/22 19:37:28 | |
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