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2018年06月13日

熟成、洗練のCX-5(2018モデル)

熟成、洗練のCX-5(2018モデル)
レビュー情報
メーカー/モデル名 マツダ / CX-5 XD Lパッケージ(AT_2.2) (2018年)
乗車人数 1人
使用目的 通勤通学
乗車形式 マイカー
総合評価
おすすめ度
5
満足している点

◎デザイン。マツダ社内では6.5世代と呼ばれているが、デザイン面では6.9世代となっている。魁コンセプト(次期アクセラ)で完全な次世代「魂動」デザインに移行するが、VISION-RX登場後にフルモデルチェンジしているため、造形的にはこのCX-5が真の魁(さきがけ)となっている。この点については、靭(しなり)の後の勢(みなぎ)に近い関係がある。ボディは、面質や細部の仕上げが相当に上質になっており、一般ユーザーには気づかれないかもしれないが国産車の水準を大きく越えている。

◎改良型のSKYACTIV-D2.2エンジン。熟成の域に突入したこのディーゼルエンジンは一級品である。欧州車に比べて弱かったパンチも、リニアリティを損なわないままパワーアップを図ることに成功している。「音」について突付いている輩がいるが、SUVにディーゼルは雰囲気的にマッチしているし、これ以上ガソリンエンジン的にする必要は無い。ピックアップが素晴らしい。

◎統合制御のアイデアで格段に向上したシャシー性能。ダンパーの遊びを抑制し、減衰の立ち上がりもなかなかよい。こういう解決方法があるのかと驚くばかり。

◎上質で「知的」な仕立てのインテリア。この「知的」という部分が重要で、デザイン造形的に低俗化(陳腐で悪趣味)しつつある国産車のインテリアの中で、仕立ての上品さが光る。品の無い高級感をラグジュアリーだと短絡している悪趣味なユーザーを再教育するつもりで、他の国産車メーカーには志をもってものづくりにあたってもらいたい。
不満な点 ●要点を押さえた収納の改善。グローブボックスの容量やバイザーにチケットホルダーが見当たらない点などはぜひ改善してほしい。

●ピラーや天井のファブリックは、CX-8のように、ライトベージュからブラックに変更してもらいたい。

●レザーカラーに選択肢を増やしてほしい。とくにマシングレーやブラックなどのダークカラーには、タンやブラウンなどのレザーカラーをコーディネートしたほうが美しい。

●ペダル、ハンドルから伝わる振動を抑制してほしい。静粛性は向上したが、振動の対策が甘い。とくにロードノイズとエンジン。エンジンに関しては、もうすこしマウントを改善するべき。

●ACCで追従した際、前車の停車に反応してブレーキングするタイミングが若干遅い印象を受ける。もうすこし余裕をもって減速を開始する制御でもいいのではないか?

●ACC作動時の「カチカチ」というリレースイッチの音が、とても小さい音ではあるが上質さを欠いている。MCでも改良されなかったのが残念。早急に改善すべき点。エンジン改良によって再発進はもたつかなくなっている。とはいえ、ホンダ各車、日産セレナのような全く使えないACCとは異なるが。

●360°ビューモニターの解像度が低すぎる。特に前方視界をサポートするのであれば、もっと解像度が高くなくては意味がない。また、1mぐらいの車止めポール(歩道によくある黄色いやつ)は、肉眼でも見えにくい高さで、俯瞰視点ではテニスボールのようになってしまうので、解像度の低さもあいまって非常に視認しづらい。歩道隣接の駐車スペースを用意する店舗などにバックでクルマを停めるときは本当に気をつけないとダメ。
総評 他を寄せつけないコストパフォーマンス。庶民ウケする低俗なラグジュアリーでも、奇をてらった一発屋的デザインでもなく、真剣に、美しい標準車を創ろうというマツダの想いが伝わってくる。そういった意味では、VWゴルフシリーズに通じるものがある。(フルモデルチェンジの手法も含めて、よく似ている。)

同じエンジンだが、CX-8はやはり後ろになにか大きなものを背負っている感じがつきまとう。家族を乗せるなどの特別な理由が無い限り、SUVカテゴリーのフラッグシップだからと積極的にCX-8を選ぶのは得策ではない。

むしろ、CX-8や9が存在するいま、5のキャラクターはさらにスポーティーな演出とし、走りの楽しさに振ってもよいだろう。魁コンセプトのようなフロントとリアのエアロ・デバイスは似合うだろう。とはいえ、KF型のエクステリアデザインはレベルが高く、社外の悪趣味なガーニッシュなどをつけると中華的な匂いが立ち込めるのでおすすめしない。また、社外エアロにも優秀なデザインは現れていないので、もう少し待ったほうがいい。

特筆すべきはディーゼルエンジンの性能の高さ。この価格帯でCX-5を凌ぐ動力性能を持つモデルはなかなか見つからない。とくにエンジンがバージョンアップした2018年モデルのCX-5の死角はかなり減ったといえる。

はっきり言って2018年モデルのXDは速い。初代の力強さも持て余すほどだったが、パンチ力を求めてサブコンやスロコンで補おうとしていたユーザーも多かった。今回はまったくその必要はない。ハイパワー化ではないが、初代ユーザーが求めていた「モアパワー」は備わった。

 一方で、2017年モデルを購入したユーザーはかなり気の毒だ。正直なところ、2017年モデルでは初代から乗り換える決定打に欠けるところがあった。上質さは格段に良くなったが、初代のダイナミックな印象は、それはそれで気持ちが良かったからだ。だが、出し惜しみせずに年次改良を重ねる手法は初代アテンザの時代から始まっており、マツダのやり方を熟知していたユーザーは、CX-8に搭載された改良型ディーゼルエンジンの報を耳にして、5のバージョンアップを待っていたはずだ。(私もそのひとり)

最後にデザインについて。
フロントから見るとワイドで視覚的重心が低く、スタンスの良さが強調されている。サイドから見ると、プロポーションの良さと面構成の美しさを感じる。リアサイドからは、とくにリアのドアの面質の高さと強く張り出したリアフェンダーのボリュームに感心する。ここからの眺めが最も美しい。「リアがのっぺりとしている」と感じる人がいるようだが、おそらく造形を輪郭(形状)でのみとらえる癖が強く、量感や面の構成、ムーブメントなどの造形美に対する評価が不十分ではないかと思われる。KF型のリアの造形は、現行ロードスターに次いで美しい。

欧米のクルマは総じてどれも美しいと感じるが、国産車に目を移すとその数が少なくなり、韓国や中国などのクルマになるとさらに少なくなる…という感覚を持つ人は少なくないだろう。それは欧米贔屓などではなく、経営陣の教養としての芸術文化理解やデザイナーやモデラーの質や教育の差が大きく影響している。戦後の社会構造も影響しているであろう。モータリゼーションの歴史の差だけではないのである。あるデザインに対してコストを支払って手に入れるかどうかは「人生の問題」であり、コストを支払う者の自由であるが、よいデザインかどうか、よい造形かどうかということは「好みの問題」ではない。美術の本家である西洋との差を埋めるためには、一般的な日本国民が美術・音楽・文学・思想といった分野の歴史を正しく理解し、「趣味的な陶酔」を乗り越えてきちんと鑑賞する力を身につけることが重要である。国際社会の中で日本のデザインをしっかりと表現しようとしているマツダのような国産メーカーを、欧米の評価を逆輸入するカタチで評価するのではなく、積極的に日本人が評価していく力が求められているのである。
項目別評価
走行性能
☆☆☆☆☆無評価
サスペンションの設定と、微細なトルク制御によってG変化の繋ぎ目を滑らかにしたことによって、コーナリングが上質で気持ちのよいものとなっている。先代CX-5オーナーとしては、最も変化(よい意味での)を感じる部分ではないだろうか。

東名高速の追い越し車線で、左(走行車線)に大型トラック、目の前を走るクルマも大型トラック、後ろからはドイツ車みたいな状況でも、安心して走れるしっかり感が素晴らしい。高速域を壁に囲まれて走る状況で、特に秦野〜御殿場のコーナーやアップダウンが大きめになるエリアも悠々と追従する。初代CX-5ではナーバスになるところだが、2018モデルはオンザレール感がハンパない。SUVの長所であるアプローチアングルの大きさは殺したくないが、2センチくらいなら車高を落としても大丈夫かも。もっと良くなりそう。

ウェット性能が高い。とくに低μ路での旋回ブレーキはABSの制御が細やかなので外にほとんど膨らむことなくインにつけられる。これは雨の多い日本の道路状況でとても大切なダイナミック・セーフティー性能だと考えます。

ディーゼルのFFはAWDに比べてハンドリングが少々ビジーであるという評価があるが、どうも走行距離が伸びてくれば良くなってくるという話も聴こえてきているので、しばらくしたら評価したい。
乗り心地
☆☆☆☆☆無評価
路面のギャップをよくいなす。純正タイヤの素性なのか、荒い舗装の細かなザラザラを伝えてくる。解像度が高いと言うべきか。このあたりは好みの問題なので、タイヤを変えれば解決する。
→タイヤを盗難されて、ディーラーから試乗車用スタッドレスタイヤを一時的に借りて履かせてみたけど、あまり変わりませんでした。このブルブルとペダルから伝わる振動(道路からも、エンジンからも)への対策は課題かもしれません。

ちなみに、職場の後輩たちが興味津々に同乗したが、乗り心地が良かったようで居眠りする者が続出した。シートの硬さやホールド感は適切。某国産高級車のように、形状だけでサポートしようとする上辺だけシートと比べると、段違いで良い。
燃費
☆☆☆☆☆無評価
平均するとリッター13キロを越えるぐらい。軽油であることを加味すると、燃費はかなりよい。とはいえ、SKYACTIV-Dは「燃費」でチョイスするエンジンではないことを承知しておくべき。
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Posted at 2018/06/13 22:56:42

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