あわてふためく

先日、カミさんとワンコと一緒に歩いていたら、
道の向こうから知らないおば様がやってきました。
身なりはちゃんとしていて、ふつうのおば様だったのですが、
うちのワンコを見るなり、愕然とした表情で、

「あ、あわあわあわ、そ、その、あ、あのあのあの、うあうあうあああ！」

とえらくあわてふためいた様子で近づいてきました。

何事か！？と思いましたが、

「う、う、うち、うちうち、うちの子に、そ、そっくり」

それにしてもこのあわてよう、
聞けば、この４月に１３歳で逝ってしまった飼い犬（柴）に生き写しなんだとか。

想像するに、愛犬を失った悲しみからやっと立ち直ったときに、
夏の暑い日差しの向こうからやってくるのは、死んだはずのワンコ！
夢か幻か、はたまた暑さで頭をやられたか？
相当混乱していたんでしょうね。
お気持ちは痛いほどわかります。


うちの子の頭を何度もなでまわして、

「いや～、それにしてもそっくりだわ～」

でも、うちの子が触られるのを嫌がる仕草をしたとき、
自分ちの犬ではないことを認識したのか、
引き止めたことを丁寧に謝罪して立ち去ってゆきました。


うちも今のワンコが死んじゃったら、きっとああなるよ、とカミさんと話しながら家に帰りました。


でも、人って、本当にあわてると声が出ないもんなんですね～