Anywhere / New Musik (1981)

ゴールデンウィーク前後になると聴きたくなる音楽、その2。

このバンドのことを知ったのは、ちょうどこのアルバムが発売された直後のことだったと思う。渋谷によく入り浸っていた店があって、そこで誰かがちょくちょく掛けていた。
（そして当時、クルマでどこかへ遠出する時にはこのアルバムを録音したカセットテープをよく持って出ていった）

このバンドにとってはセカンドアルバムになるけど、あの頃はまさに、世はFairlight CMIと、
SIMMONS DRUM時代の到来っていう感じで、これもいわゆるピコピコ／ピョーンピョーン・イメージだったテクノが次のステップへという、そんな段階をよく表しているレコードの中の一枚だった気がする。

そしてこれ以降、まるで伝染病が広まるかのように、猫も杓子も「サンプラーとドラムマシン（エレドラム）」という時代に向かっていくわけで。。。。

このバンドの特徴というか、トレードマークは「潜水艦のソナー」風の音と、12弦ギターと、あと、ペナペナドラム（安そうなドラムで、しかもベードラの径が小さくてミュートが掛かっている。そんな音）と（たぶんあのRoland CR-78だと思うけど）リズムボックス！

シンセポップなのに、何故かアナログチックに聞こえるのは、たぶんその編成というか、音（楽器）選びが巧いからでしょうね。それこそ彼ら以前のシンセポップ／テクノバンドでは、12弦ギターをメインには使わなかったんじゃないかなぁ。

あと、いわゆる英国モノ。
ザ・ビートルズ以来の「この節回しは紛れもなく英国」っていう、そういう曲作りが、またたまらなく耳障りが良いんですよね〜。
Captain Sensibleのところでも紹介しましたけど、このバンドリーダー、Tony Mansfield（トニー・マンスフィールド）のバンド解散直後の仕事ぶりを見ると、ご自身のバンドがそれに比べて売れなかったのが不思議です。まぁ、早すぎたってことでしょうか。いわゆる玄人受けだったわけです。今はどうされているのでしょう。。。

ところで、ジャケットのパノラマ写真を見ていて、一緒に写っているKODAKフィルムのコードナンバーが気になって、つい調べちゃいました。(^_^;)
このブローニーサイズのポジフィルムはそれぞれ、ジャケット表面の空の写真↑は、どうやらタングステン光用のフィルム、EKTACHROME 160T (EPT)らしい。そして見開きの中面の写真はデイライト用の、EKTACHROME 64 (EPR)らしい。。。何だかとてもなつかしい型式名。。。
こんな話、たぶんフィルム時代からのカメラマンじゃないと判ってくれないと思うけど、、
そう、空の写真は普通に写っているけど、メンバーの写真はやたらに赤く写っている。
その理由は？(^^)