Nick Mason's Fictitious Sports

本当は前回に続き新しめの話題のはずでしたが、何故か今回もまた古い話です・・。

今更説明不要の伝説的プログレバンド「Pink Floyd（ピンクフロイド）」のドラマー、ニック・メイソンの1981年リリースのソロアルバム（邦題：空想感覚）です。

いきなり、何故このアルバムなのか？


実は、このアルバムのことよりも、彼のモータースポーツ歴（ル・マン参戦歴）のことを急に思い出したので・・・

既に知っていることと、今回調べたことを
時系列的にリストアップしてみれば、以下の通りに・・・

1977年	ピンクフロイド「Animals（アニマルズ）」をリリース
同年	UKパンクで最初にレコード化されたグループ the Damned（ダムド：1976～1989）の2nd Album「Music for Pleasure」をプロデュース。バンド側のリクエストではSyd Barrett（シド・バレット：1946～2006）をプロデューサーにと頼んだのだけど（無理に決まってるだろ！）、代わってNick Mason（1944～）が来たらしい。アルバム自体は酷評を受け、葬り去られる（たった1分43秒のHelp!/the Beatlesのカバーが笑える）
	＊個人的には、たったこの数行に登場する人物やバンド、そして時代背景の関連性があまりにも面白すぎる！と思っているんですが・・・
1979年	ル・マン24時間レースにDorset Racing（ドーセット・レーシング）の1stドライバーとして参戦。 クルマはローラT297。何と予選50位スタートで、見事18位で完走！
同年	ピンクフロイド「The Wall（ザ・ウォール）」をリリース。プロデューサーはBob Ezrin（ボブ・エズリン）
1980年	再び同チームより、今度は3rdドライバーとして参戦。 クルマはローラT297/8。予選48位からスタート、そして22位で完走！
1981年	このアルバムをリリース
1982年	今度はピンクフロイドのマネージャーSteve O'Rourke（スティーブ・オラーク：1940～2003）が1980年に興したEMKA Racingの3rdドライバーとして参戦。クルマはBMW M1。予選45位からスタート、残念なことに22時間時点で14位を走行中にエンジントラブルでリタイヤ。 ちなみにチームオーナーSteve O'Rourke氏が1stドライバーを務める
	＊実は1980年には、マネージャー自身もFerrari 512BBで参戦していて、23位で完走している。 そして翌年の1981年には、なんと、ホンダF1 第一期のドライバーでもあったDavid Hobbs（デビッド・ホブス）氏が1stドライバー、オーナー本人が2ndドライバー、そして3rdドライバーには、Eddie Jordan。はい、あのエディー・ジョーダン氏です。マシンはBMW M1で参戦。 結果は予選38位スタート、21時間時点で21位走行中にエンジントラブルでリタイヤ。（話が脱線しそう～）
1983年	今度は童夢のRC-82で参戦。3rdドライバーにはEliseo Salazar（エリセオ・サラザール）。 予選29位スタートで、7時間後に35位走行中、クラッチトラブルでリタイヤ
1984年	最後はPorche 956で参戦。これも残念ながらリタイヤで、結果を残せず

で、いきなりこのアルバムですが、月並みな言い方だけど、こういう（実に充実した）時期にリリースされただけあって面白い。
もちろんPink Floydの音楽とは全く別モノ。曲は全曲、共同プロデュースのCarla Bley（カーラ・ブレイ）が書いている。1曲目の「Can't Get My Motor to Start」って曲がお気に入りですが、クルマのエンジンが掛からなくて不機嫌な様子を、芝居仕立てな感じで演っているのが笑える。

音は参加ミュージシャンの顔ぶれで想像してね。（いい加減！）
Carla Bley（カーラ・ブレイ）
Michael Mantler（マイケル・マントラー）
Steve Swallow（スティーブ・スワロー）
Chris Spedding（クリス・スペディング）
Gary Windo（ゲイリー・ウィンド）
Robert Wyatt（ロバート・ワイアット）
他

当然、ジャケットデザインはHipgnosis（ヒプノシス）


なぜだか、ここ数日間はプログレッシブ・ロック・チャンネルを聴いてます。(^_^;)

ということで、次回こそは新しめの話題へと、つづく。

2011.8.25更新