
903をひかえ、ドキドキとワクワクが入り混じった落ち着かない日々を送る私です。
それよりも、目的地まで無事トラブルなく着けるか、これも不安です。
さて、このセブンを乗るようになって一年半近くが過ぎました。
過ぎてみれば早かったけど、いじっていたほうが多かったかな?
キャブ不安定、スターター不安定、クラッチ張り付き、オルタトラブル・・・。
苦しみでもあり、楽しみでもあった一年半でした。
これを受け取ったのは、忘れもしない昨年のゴールデンウィーク。
7MLで「sale」を目にして迷ったけど、この時を逃したら二度と買う勇気、勢いがなくなると思い、後ろを振り向かず、先輩を引き連れて現物を拝見に、東京は目黒まで行きました。
管理の行き届いたガレージに納められていたアイツは、レーシングスクリーン仕様と言う、素人にはいかにも過激な出で立ち! 正直あとづさりする心をじっとこらえ、先輩とオーナーのレトロ・バイク談義も耳に入らず、緊張の面持ちの私。
ノーマル部品・・・スクリーン、ホイール、ロールバー、ヘッドライト、クラムシェルフェンダー等を付属してくれるということで、なんとか買う方向で気持ちも固まり(「買うんだ!」と自分自身に言い聞かせていたかも)無事帰宅。
受け渡しは付属品と、セブン本体の二度に分けてうかがうことになった。オーナーも「先日コイツと最後の九十九里ツーリングに行って来ました。最高の状態でお渡しできます。」オーナー談。
なんとなく、過去の経験からして、オーナーがクルマを手放す時の寂しさが伝わってくるようだった。
途中でトラブルしやしないか?
との先輩の心配を振り切り、私だけが休みの日をあえてチョイス。できるだけ早く受け取りたかったし・・・。
その前に、駐車スペースの確保。
もう10年以上もあっていない親戚の家に、亡くなったおじさんが使っていたトタン張りの車庫があることを思い出した。こんなことで、ずっとご無沙汰していたおばさんには悪いが、後ろめたさを抑え、前に進まないと目の前のセブンを手に入れることはできない! と、普段は消極的でなかなか行動に移せない性格であるが、セブンオーナーになるためには・・・。と自分の心を追い立てるように、おばさん宅の玄関の呼び鈴を・・・。
中から「はーい。どなた?」の声がして「小泉 〇×です。」
すっげー不思議な顔して、出てきたおばさん
「あっれー、どうしたの?」と。
私「ご無沙汰していながら、こんなお願いで申し訳ないのですが、欲しいクルマを手に入れるにはどうしてもおばさんにお願いしなくては実現できないことなのでうかがいました。この車庫を貸していただけませんか?」とお願いすると、運良く、
「年寄りの一人暮らしは物騒なので、玄関前のこの車庫も、遠くに住む息子達は「壊したら?」と言ったけど、誰かが出入りしているようにあえて屋根のトタンの張替えを業者に頼んだばかりだったんだよ。」
と、状況としては私が出入りすることに大歓迎のラッキーなことでした。出口の段差は心配だったので、一日がかりでコンパネ使ってスロープの完成! 家族は「何を真剣に作ってるの?」と聞いてきましたが、心の中では「強行突破」を決心していましたので秘密にしていました。(汗)
さて、受取日当日。
まず第一日目、足車でオーナー宅に向かいました。一度行った場所でしたが、入り組んでいたのでちょっと迷ったけど無事到着。お仕事中でしたので、少し話をして付属品をマイカーに積み込んで帰ってきました。
二日目。
電車で東京に向かいました。バイク用のフルフェイスと、懐には大切な現金持参。目黒の駅で降りてとぼとぼと歩いて約15分ほどで到着。
考えてみると、下見で同行した先輩に「あの人のクルマなら試乗しなくても間違いなし!」と言われ試乗をさせてもらおうと考えていたのですが、腰を折られた形でまだ乗っていなかったのです。
オーナー自身が、セブンをガレージから狭い路地を通り表に出してくれました。エンジンを一時止めて、代金の受け渡し・・・(汗)こんな大金が軽軽しく自分の手から離れていくことに寂しさも感じましたが、やがて来る輝かしい「セブン・ライフ」のことだけを考えて前向きな気持ちに持っていきました。
路地を行き交う人たちは、そのセブンにみな釘付け状態。コクピットに座らせてもらってスイッチ類の説明・・・。メンテ類の書物もいただきラッキーな気分で帰途につくことができました。
おぼえていることは、夢のような首都高速の景色、今までにないようなフレッシュな感動!
首都高速から常磐道に・・・。あまりこんな姿を見られたくない知り合いが乗っているアリスト(?)が脇を走っているのに気づきました。
「ゴーグルつけているし、まさか俺みたいな大人しいヤツが、こんなすげークルマ乗っているとは思わね~だろ。」と気持ちも大きくなり、快適な高速ツーリング。後ろから迫ってきたZが、こちらを見て挑発してきましたが、エンジンひとふかししてマイペースで家路に・・・。
こんな目立ついでたちで故郷に帰るには勇気がなく、一つ手前のインターで降りた私は裏道を通ってどうにか、先日"契約"済ませた親戚宅に・・・。知らず知らず緊張していたのか、ついてから体から力がすーっと抜けていくのが分りました。
「ハイカラなクルマだねー」
昔、車検場の事務員をしていただけあって(謎)このクルマを特別視していないおばさんの様子に、なぜが安心した私。情けねー。
その日から、県内のセブンオーナー達のバーペキューに参加させてもらった二月間ほどの記憶が消えています。熱を帯びてぽーっとしていた証拠です。コクビットに滑り込むと、妄想にふけり、時間の過ぎるのも分らなかったこともあります。
不満もありますが、せっかく手にしたコイツと、あの薄暗いトタン張りの車庫で大切にしてあげたいと思います。「ガレージ」と呼べるところに置けるようになるのはいつになるのやら?
(注)画像は受け取ったばかり、そのままです。
Posted at 2006/08/29 17:55:18 | |
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