i-DCDについて

ヴェゼルで1,000km以上走っての、i-DCDの感想などを。

自動車評論家の方々がi-DCDはメカメカしてる、って書いてる事が多いんだけど、それが実感できました。

これってトヨタのTHSⅡと比較してだと思うんだけど、プリウスっていい意味で電気自動車チックなドライブフィールだと思うので、加速時も「ブーン」って昔のCVTみたいな抑揚のない感じ。
それに対してi-DCDは静粛性の高いヴェゼルでも一発でエンジン始動したの分かるから、その点ではTHSⅡの方が洗練されてます。後はエンジンが主力となって加速するんだけど、この時は7速DCTが粛々とシフトアップするのが音で感じられる（騒々しい訳でも振動もないので、スムーズネスは失われない）し、上り坂で力不足の場合は（バッテリー残量が十分なら）キックダウンしないでまずモーターアシストで「グッ」とトルクが増えるのを感じられる（電気ターボみたい）のが面白い。DCTはダイレクト感あるし、直噴エンジンも回せば楽しい、ホンダらしいエンジンだしね。
で、巡航時は平坦地で40km～65kmであれば、アクセルを戻せば大体EVモードに突入して速度の維持はモーターだけでOKになるので、バッテリーの続く限りEVモードで走り続けられる。当然、減速時も緩やかな坂道まではEVモードを維持するので、早めにブレーキペダルを踏んで回生ブレーキを強めると「ミュイーン」ってインバーター音が高まって「ああ、沢山充電してるんだな」って実感できるのがいい。こっちの方が燃費が伸びるので、早めのブレーキで回生→モーターで発進してエンジン始動したら早めに加速を終わらせる→巡航速度になったらアクセル戻してEV走行を維持ってのが、市街地走行で燃費を伸ばす秘訣らしい。まあ、自宅周辺は丘陵地帯なのでアップダウンが多く、なかなか理想的な走行パターンにならないので、燃費はいまいち（近乗りだと大体15km/L程度）ですが。
ただ、キツイ坂道を上っている時はエンジンを切り離すとぎくしゃくしそうだ、と車が判断すると、アクセルを戻してもEV走行にはならないし、長い下り坂とかはエンジンブレーキが必要だと車が判断すると、EV走行を止めてエンジンをつないでエンブレを掛ける（エンブレは弱め）など「こいつ色々考えてるな」と思わせるほどに多彩な走行パターンを持っていて、これがメカメカしさを感じる要因だと思う。

その分、癖というか個性が強いi-DCDは万人受けするかっていうと…洗練されたTHSⅡの方がいいって人が多い気はする。
実際、洗練って話だと、バッテリーが十分でもEVモードにならなかったり、坂道が終わってもなかなかエンブレを止めなかったり、エンジンが始動している状態でバックすると少しぎくしゃくする（通常バックはモーターだけ行うのだけれど、エンジン始動していると発電モード→ハイブリットモードへの切り替えにまごつくようです）など、まだまだ熟成が必要な箇所はありますが、スポーツハイブリットを名乗るだけあって退屈な機関じゃないのは確か。ただし、パドルシフトは前述の通りエンブレではほぼ使用しないし、シフトアップ/ダウン制限が厳しすぎ（さらにエンブレ掛けようと左パドルを引いてもシフトダウンを拒否されたりする）て、全然使ってません…。

ま、まだまだ１か月ちょっとの付き合いなので、今後が楽しみです。