• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

FlyingVのブログ一覧

2010年03月30日 イイね!

私をスキーに連れてって PAST&NOW

まだ携帯電話なんぞ無かった私の学生時代、ウィンタースポーツと言えばスキーでして、この頃、シーズンが来ると、世の若者たちが大挙としてスポーツ用品店に押し寄せ、我先にとスキーセットを買いに行かせるほどの影響力を誇ったのが、1987年の原田知世主演の映画『私をスキーに連れてって』

もちろん、ボーダーが市民権を得る前のことですので、スキー場は、白銀の世界に劇的な出会いを求めた、にわかスキーヤー達が溢れかえり、一握りのまじめなスキーヤー達の顔をしかめさせておりました。
そこでの出会いが発展し、いたるところで数え切れないほどのロマンスが生まれたのも事実。
しかし、いざ、街に戻って改めて会おうとなった段階で、「誰だお前??」と見違えるほどオーラを失った相手にお互い愕然となって、目が覚めたと同時にJAROに駆け込むという事態も多発(半分本当)

スキー場が持つ独特の雰囲気と、スキーウェアと雪の反射光が生みだす光の魔術にまんまとはまり、人に言えない黒歴史を持つ諸兄も多いはずでは(笑)

かく言う私も、いくらトレンドに抗うことを良しとしていたやせ我慢メタラーながら、『私をスキーに連れて行って』を観せられ、そして友人達の釣果を嫌というほど聞かされた日には、「様式美の本場、北欧の哀愁を白銀の中で疑似体験する。」との意味不明な名目でバイトに励み、ロシニオールのでっかい板やら一揃えを食費を削ってまで購入し、友人たちと何度か滑りに行っておりました。
え~、、、で、、、、、その「北欧の哀愁」についてですが、身をもって体験したとだけ、お伝えしてきましょう(思出涙)

さて、そんな軟派なトレンディ映画の中で、我々車好きが胸を焦がしたのは原田知世の入浴シーン(ありません)、、、ではなく、セリカGT-FOURの激走シーン。

セリカ初のフルタイム四駆となる初代GT-FOUR(ST165)が、端正な流面系ボディを横に向け、雪道をカウンターを当てながら疾走するシーンは、当時、雪道最強はパジェロ、ランクルやティラノのオフ4だった既成概念を覆す衝撃でもあり、さらに、1990年のWRCではカルロスサインツがトヨタに初めてドライバーズチャンピオンをもたらしたこともあり、私の中では「セリカと言えば、これ。」みたいな摺り込みとなっておりました。

結局、オーナーになることは叶わず、ST180やT200系オーナーの友人に頼み込んでハンドルを握らせてもらったぐらいにしか縁はありませんでしたが、今シーズン最後のスキーに行ってきた友人と懐かしい話をしているうちに、ふつふつとノスタルジックな光景が浮かんで思わずYOUTUBEで探してみると、、、あるじゃありませんか。しかも、その激走シーンだけのダイジェスト版が(喜)



そう、これこれ、あ~懐かしい(嬉)
今となっては、さすがにカメラワークなど古臭さを感じる映像で、最後のシーンで「あ~あ。。。」ともなりますが、とにかくバブルがどんどん膨らんでいく、無節操ないい時代でした。
ちなみに一躍トレンディ俳優にのし上がった三上博史が、体中に白塗りしたアングラ劇団に所属していたことは割と有名な話。

さて、翻って、現在。
もし、『私をスキーに連れて行って』がリバイバルされたのなら、個人的にはこのマシーンで、リュックベッソン指揮のもと、痛快恋愛アクション映画に仕立て上げて欲しい!!



メーカーによる雪上走行テストの映像とのことで、このスタビリティは間違いなく最速のスノーエクスプレスですね。

それにしても、白と黒とのコントラスト、絵になります。

ガヤルドの黒光りするフォルムが、純白の雪野原を思うがままに蹂躙していくという、男の願望を縮図にした様なこの映像。

若かりし頃、悪友たち(師匠含む)男4人の車2台で、幾度となくスキー場に出かけて行っては、必死の努力むなしく、8人で帰ってくる目論見が見事に外れ、無言のまま男4人車2台で帰ってきた切ない思い出が蒸し返され、いつか、このラテン系最強アイテムでスキーに行って、「お願い、私を連れて帰って。」「悪いな、このナビシートは予約済みなのさ。」とのやり取りを妄想しては身を捩る、不惑を迎えるには名ばかりの春でした(汗)
Posted at 2010/03/30 18:06:14 | コメント(9) | トラックバック(0) | 日記
2010年03月26日 イイね!

爽やかな感動とキ印な人達3連発

一昔前に比べ、電車内での携帯電話のマナーがマシになってきたと思う反面、シルバーシートに堂々と座り込み、お年寄りがいても譲ろうともしない社会人を見る機会が確実に増えているここ名古屋の地下鉄。
それを目に当たりにするたびに、ガキンチョならまだ救いようがあるにしろ、分別ある立場の人間の社会良識は、ここまで劣化し欠如したのかと暗澹たる気持ちになってしまいます。

今朝、上野駅で携帯電話を注意された30代のキ印(いわゆるキ○ガイです。)が、注意した男性を山手線ホームに突き落とすという事件を知って、私が先日体験した、心洗われる出来事とそれを台無しにしたキ印達との脂っこい一日について書くことにいたしました。


1週間ほど前、クライアント先へ向かうべく、早朝の市バスを利用した時のこと。
バス停に並ぶ7、8人の列につき、5分ほど遅れて到着したバスに乗り込むと、既に通勤通学で込み合い始めた車内には当然、空いている席もなく吊革につかまって揺られながら次のバス停へ。
バスが遅れれば遅れるだけそれを待つ列も長くなるため、次のバス停では15人近くが乗り込み、ほぼ満車状態。

丁度、私がつかまっている吊革近くに来たのは、年の頃70歳前後と思しき白髪の、黒い大きなカバンを抱えた男性。
背筋をきりりと伸ばし、姿勢よく吊革につかまりながら、荷物が他の人の邪魔にならないよう自分の前に回し、手で抱えるようにして立っておりました。
シルバーシートはあいにく、お婆さま方でいっぱい。
近くに優先席もなく、バスが発車しようとしたその時、私の立ち位置から少し後ろに座っていた、サラリーマン風の男性が立ちあがり、「ここどうぞ。」とご老人に席を譲ろうとしました。
と同時に、今度は私の目の前に座っていた男子高校生までも立ちあがって、「あの、良かったら、こちらに。」と少し照れくさそうにご老人に声を。

二人から同時に席を譲られて、驚いたような顔をしていた、そのお爺さんは、少し間をおいた後、「ええよ、ええよ、わたしゃ、どうせ遊びに行く身だから。あんたらこれから仕事と学校だろ。だったら、余計に座っておきなさい。」と、やんわり遠慮されていました。
「いや、でも・・・・」とためらう二人に、お爺さんは、顔をくしゃくしゃにして、
「わしゃ、譲ってもらうほどの年に見えるかのぉ。なんだかちょっと恥ずかしいわ。ははははは。」と二人を再び席に付かせて破顔一笑。
そのまま立って5つほど先のバス停で降りて行かれたお爺さん。
矍鑠としたお爺さんとの爽やかな朝のやり取りに心が洗われました。

しかし、バスを降り、地下鉄に乗ってからがいけなかった。。。。
地下鉄は、バスほどの混雑はなかったにしろ、それでも体が少し触れ合うぐらいの乗車率。
私の横には、スラリとしたビジネススーツとチェックのトレンチコートに身を包んだ、背が高く、一見、スマートな印象を受ける20代と思しき社会人の青年。
気になるといえば、iPodから盛大に漏れるアホっぽい歌声とシャカシャカ音。
ま、なにか横着をするわけでもなかったので、今朝の出来事の余韻を反芻し、晴れやかな気持ちに浸っていると、2つ目の駅に到着したときに事件は起きました。

私から5メートルほど先に座っていた人がその駅で降りるため、一人分の席が空いたその時です。
その席の前に立っていた初老の女性が腰掛け、鞄から本を取りだそうとした瞬間、私の横のその青年が突然、「ああ、そこ、そこ、その席!!!!ダメだって、ほら、早く、、、どいて!!!」と、人込みをかき分け、大声を出して腰かけたばかりの初老の女性に詰め寄り、あろうことか、席を立たせて、自分がどっかりと座りこんでしまったではありませんか。
席に着くと、足を投げ出し、そして化粧鏡を取り出して髪形を直すなど、無人の野のごとく振るまう青年。
お礼の一言も詫びもなく、さも当然そうに居座り、口を開けて鏡を眺めるアホ面と信じがたい言動に、あっけにとられて誰も注意することができないまま、地下鉄は動きだしました。

恐らくこめかみに青筋が2、3本浮き出し、頭に血が上った私は、そいつに詰め寄り、
「お前は一体、何を考えているんだ。」と一喝すると、シレっとした顔で無視。
そうか、それだなと瞬時に理解した私は、シャカシャカ耳障りなイヤフォンを引きぬいて、
「もう一度言うぞ。お前、無茶苦茶だぞ。立ちなさい。」と叱りつけても目を合わさないどころか、どこ吹く風。
初老の女性から、「あの、もういいですから、、、すいません。」とたしなめられ、次で降りる駅だったのでドア付近に移動。
目的地の駅名を車内アナウンスが告げ、地下鉄が止まり、ドアから降りようとしたその時、私の右大腿部に走る、鈍い痛み
「な、なんだ??」と振り返ると、そいつがわざわざ降り際を狙って蹴りを入れに来てくれているじゃありませんか(怒)
瞬時に血が沸騰しつむじから蒸気が上がりかけるも、先方との約束があったため、一瞥をくれただけで、拳をぐっとしまいこみ、教育的指導を断念。
20年前なら、ネクタイ掴んで引きずり出していたのに、、、、と丸くなった自分に嘆息をつきながら、スラックスについた靴底の跡に再び怒りがぶり返すも、ハンカチで拭い取ってクライアント先に向かいました。
ちなみに3年前のメタル親父大暴れは、あくまで受動的かつ防衛行動ですので。。。。

これが、この日、最初のキ印との遭遇。

そして、午後、名古屋駅地下街を移動中、前からなにやら挙動の怪しい眼鏡の銀行員風(真面目そうという意味です:汗)な中年男性を発見。
どう挙動が怪しいかといいますと、暖かくなったここ最近、明るい春もののフワフワして丈が少し短くなったスカートの若い女性とすれ違うたびに、腰を少しかがめて、目でずっと追っているのです。
しかも、なにやらブツブツ言いながら歩いている様子。

私の少し前を歩くのは、これまた脚線美をしっかりと誇示したレザーのミニとブーツの女の子。
そして、そのおっさんとすれ違った時、おっさんは腰をぐっと下げながら、厳しい顔でこう言いました。
「下から、見ないかん。」
そうです、私は聞いてしまったのです、そのおっさんの、いや、世の男性の心の叫びを・・・・
そして、その女の子を目で追いながら、「また、もうちょっとだわぁ。」と残念そうに言い残して、ブツブツ言いながら歩き去って行きました。

これがこの日、2番目のキ印。

大トリは、帰宅途中のまたしても地下鉄。
運良く座れた私は、文庫を開いて読みふけっていると、とある駅から乗り込んでくる数人の乗客に混じって、大きなリュックサックを背負った、朝と同じく20代と思しき兄ちゃんが、私が座っている前に立ち、支柱につかまりました。
大人しそうなこの兄ちゃんに、「やっと平和に帰れる。」と胸をなでおろしたのも束の間、突然、その兄ちゃんが、
「なんで、ダメなんだ。」と私に向かって話しかけてくるではありませんか。
「????」と面食らい、顔を上げると
「どうして許してくれないんだ。」と再び訴えかけてくる兄ちゃん。
許すも許さないも、面識があるとはとても思えない、初見の兄ちゃんに、唐突に許しを請われ、
『な、なんかしたか、俺??』と今までの罪深き人生の記憶の糸を手繰っていると、目は私を見ているようではなく、大きな独り言のよう。

『もう、今日は、こんなんばっかり・・・』と少しうんざりしつつも、害はなさそうでしたので、変に刺激しないように、そのまま文庫を開いていると、再び、
「いけないことなんて、何一つもない。」と彼。
周りのOLさんも顔をしかめて、少し距離を取り始めています。
「誰も分かってくれないんだ。」「一つも間違っていないのに。」「クソ、クソ、どうしたら・・・」
と思い詰めたかのように、たたみかける兄ちゃん。
私も読書どころではありません。
引いていた近くの乗客達も尋常ならぬ雰囲気に、少し気がかりな様子。
「う、く、くくくく、、、」と絞り出すように唸り、しばらく沈黙した後、
「そんなに悪いことなのか、、、、神がそう決めたことなのか、、、、、、、」と彼。
『だから何が??』(乗客一同)
そして、一呼吸置いた後、ついに核心に触れる一言が彼の口から放たれました!!
「なんで悪いんだよぉ、、、、、、、、、兄妹ってことがっ!!」
『一体、なにがあったぁぁぁぁぁ!!!それだけはダメだぁぁぁぁ!!!!』『』(乗客一同心の叫び)
周りの関心を引くだけ引いた後、衝撃の事実を告げると、貝のように黙り込み、それからむっつりと何も言わなくなりました。

この彼がこの日最後のキ印。

早朝のバスの爽やかな経験から一転、その後、立つ続けに痛い人たちに巻き込まれ、感動、怒り、呆れ、そしてミステリーとある種得難い経験をしたこの日。

日常のどこにでもある、ひょんなことから被害者にも加害者にもなり得る空間。
袖振り合うも他生の縁とは良く言ったもので、「お互いさま」と寛容し、自分の振舞いを戒めるのが良識というもの。
それでも、ホームから落とされる縁は持ちたくないので、結局、君子危うきに近づからずなのですが、望まずとも接近された時はどうしたらと思いを巡らせながら、うっすらスラックスに残る靴底の跡が目に入り、再び拳を握らずにはいられない未熟な自分だったりします。。。。
Posted at 2010/03/26 15:54:42 | コメント(11) | トラックバック(0) | My Life | 日記
2010年03月24日 イイね!

ゾロ目到達 青春ダッシュ

ゾロ目到達 青春ダッシュ先週末の深夜未明、16800kmの乗り出しから、やっと、2度目のゾロ目を迎えました。
思い起こせば、3のキリ番を迎えたのが、昨年の3月6日

たかだか3,333kmのマイレージを刻むのに1年掛かるとは、何たる体たらくぶり・・・


納車してからの数カ月間こそ、E36M3Limoがいない寂しさと、コメタルのリコールを受けたこともあって、台風の中、片道550kmの道後温泉に湯治に向かうなどなど、ヤッターワンとヤッターマン1号のような蜜月の関係だったのが、忙しさにかまけて出動回数も二字曲線的に低下。

それならばと、TKさんでとびきりの『メカのもと』を投入し、びっくりどっきりメカ『brembo』で一発逆転を狙うも、伊勢湾岸道で「すわっ、ブローか!?」としこたま冷たい汗をかいた8000rpm失火により、再び、微妙な距離感に。

三矛が艶めかしいイタリア娘に気持ちが傾きつつも、ようやくエアフロ、燃ポン、フィルター交換でヤッターキングばりに復活したところで、今度は引っ越し&出産という人生の一大事に見舞われ、いつの間にか時間ばかりが過ぎてしまい、、、、で、、、、この体たらくと相成りました(泣)

E36M3クラブでは、100,000kmのコスモを燃やして、続々とブロンズセイントが生まれ、ゴールドセイントはおろかプラチナレベルにまで到達した諸先輩もいらっしゃるというのに、
きっと、『あばれはっちゃく』(注:昭和の児童向け人気ドラマ。義理堅いガキ大将の長太郎が暴れまくり、怒られ、最後にはホロリとさせる人情劇)で鉄火オヤジを熱演し、惜しまれながら鬼籍に入られた東野英心さんが見ていたら、「お父ちゃん、情けなくって涙出てくらぁ」と怒鳴りつけられたに違いありません。

M3の3並びだけは、抑えておかなくてはと心に決め、昨年末から、オドメーターをゾロ目に合わせ、深夜の県道にて運よく迎えたこの節目。

コトコトと足回りから聞こえていた謎のポルターガイスト現象も正しい長さのマックガードに交換してから、すっかり消え失せ、納車当時はやや硬さがあったS54はランニングインが進むほどに磨きが掛かってきたように感じました。

惜しむらくは、外気温。。。。この時3.3℃だったら良かったのに。。。

取りあえず、M3で迎える3並びを3月に達成したということで、備忘ブログです。

え??ヤッターマン2号はどうしたって??
う~ん、どちからといえばドロンジョ様の方が、、、って、こんなこと書いてたら、
昨日の訓話のはずだったマグロとアワビのブログが嫁の知る所となり、帰宅後のお仕置きがほぼ確定(ナイアガラ汗)
今日は寄り道なしの、あばれはっちゃくならぬアラフォーメタラー、青春ダッシュです(血涙)
Posted at 2010/03/24 17:37:25 | コメント(8) | トラックバック(0) | E46M3 | 日記
2010年03月21日 イイね!

マグロと頑固オヤジ


マグロ禁輸がワシントン条約の締約国会議で否決され、dodo鳥、リョコウバトやタスマニアタイガーなどなどの絶滅種を棚上げにして、捕鯨と同様に、日本の食文化を蔑視してきたアングロサクソンの理不尽さに一矢報い、溜飲が下がったのは私だけではないはず。

マグロの食物連鎖で蓄積された毒素についても、過剰にアジテーションする専門家もいるとのことですが、なにはともあれ、当面、寿司ネタとしてマグロが楽しめるのは日本人として嬉しいところ。

とまあ、この快挙を祝して、、、では全然なく、少々古くて恐縮ですが、愛知県某所の幻と言われる寿司屋に奇跡的に予約が取れた数年前、父母と小学校に入学したばかりの息子を連れて行ったエピソードをご紹介します。

ここの寿司を食するのは、さながらファミコン時代のドラクエをするようなものでして、
まずは、予約の難しさといったら、販売初日に徹夜して店に並び、整理券を受け取るも、いざ自分の番になると『入荷待ち。』と無情に突き返されることが何度も続くと申しましょうか、、、まさしく忍耐が試されます。
そして、目出度く予約が叶った当日、お店に向かうべくカーナビをセット。
国道から県道、さらにローカルな名もなき道へと案内され、民家が点在するだけの、風光明媚な田園風景の真中で、「目的地付近に到着しました。案内を終了します。」と唐突に役目を終えるカーナビの声に、愕然となること必至。
そこには、それらしい建物や寿司屋の看板はおろか、普段、コンバインや耕運機が往きかう田んぼの、幅2mほどのあぜ道しかなく、一瞬間違いかと、カーナビで再検索するも、返ってくる音声は「目的地です。」のリフレイン。
思い余ってお店に電話を入れると、「そこから向かって左側のあぜ道をまっすぐね。落ちたら、色々と面倒だからくれぐれも気をつけて。」と信じがたい道案内をされ、雑草の間に耕運機がつけた二本の轍を、下回りを泥だらけにしながら脱輪せずに首尾よく進んでいくと、その奥には、寿司屋にはあるまじき納屋のようなうらぶれ、、いや、失礼、、、質素な家屋と小さな看板が・・・

こんな具合に、変な汗をかきつつ田園ダンジョン攻略したら、ようやくラスボスの登場と相成ります。

お店には戸口がなく、そのまま暖簾をくぐると、カウンターに10席ほどがあるだけ。
昼夜1組ずつしか客を取らないので、これだけでいいのだとか。
ま、こだわりの寿司屋にありがちと申しましょうか、とにかくここの大将が頑固で気まぐれ、気にいったネタが入らないと暖簾を出さないのは当たり前でして、客に対しても注文の多いことも、美食倶楽部から出向されてきたのかと思うぐらいです(笑)
もちろん、ネタは全部時価で、握りは大将の気分次第。途中で注文すると、ほとんどの確率で却下されます。

実は、ここの寿司屋に行くのは2度目で、初めて父に連れて行ったもらった時は、大学に合格した時のお祝いでした。
当時19歳だった私は、半分脱輪しながら進む過酷なロケーションにおののき、己の未熟な味覚でも寿司の峻烈な美味しさとギャップに感動し、また来ようと誓ったほど。

ただ、この時、どうしても食べさせてもられないネタがあったのです。。。
「おう、兄ちゃん、大学合格したんだってな。おめでとう。さあ食え。」と、私に対して不器用で暖かい祝辞をしてくれた後、職人に徹して寡黙になった大将は、淡白なネタから始まり、自慢のネタをどんどん握りながら、私と父の前に置いていくわけですが、あるネタが出されたときに、これまで父と同じネタだったのが、明らかに違うことに気が付きました。
父の前に出されたのが、サシがびっしりと入り桃色に艶めく、一見で絶品と分かるトロ。
一方、私の前に出されたのは、、、、、同じマグロでも赤身のそれ(汗)

「あれ??」とは感じつつ、これはこれで本マグロの赤身でしたので、感動に打ち震えながら、トロの登場を今か今かと心待ちにしていると、何時まで経ってもトロが出てくる様子はなし。
お腹がくちくなるほど、大将のこだわりを堪能したところで、
「あたしからは、ここまででぇ。え~、締めを用意させてもらってもよろしいでしょうか。」との大将の一言に、
「すいません、僕に、、、あのお、、、トロお願いします。」と思い余って注文してみると、
「お兄ちゃん、いいかい。見たとこ、お兄ちゃんが大学合格したのも、これから学生やってられんのも、そもそも、おやじさんが稼いで頑張っているからじゃないのかい。他の寿司屋は知らねえけど、うちのトロは、自分で稼いだ金で食べてもらうと本当のうまさが分かるってやつよ。てなことで、お父さん、お目出度い席で申し訳ないね。お兄ちゃん、一人前になったら握ったげる。」
商売人よりも職人として、そして寿司屋でトロを食べるとはどういうことかを教えてくれた頑固オヤジ。


こんな調子で、本マグロのトロをお預けされて十数年。
ようやく、リベンジする時が巡ってきた数年前、M3では確実にスタックしJAFのお世話になるため、父のワンボックスを借りて繰り出すと、そこには10年以上経っても変わらないロケーションと店構えがありました。

少し皺が増えたオヤジから繰り出されるネタの不変な見事さに、ああっとかう~んと唸りながら、食べ進める三世代。
回転寿司とポテチ大好きな息子も、口に入れる度に、目をまん丸にしています。

さて、ネタが進み、そろそろかと構えていると、父、母の順番に前に置かれたものは、あの時と変わらないサシがびっしり入り、ピンクに輝く美しいトロの握り。
不意に上がる脈拍。。。
『甚だ若輩者ながら、つつましくも一家を構えることができた自分はどう映っているだろのか・・・』
寿司を食べるには不相応な緊張に襲われ、目の前がくらくらし始めた時、私の前に差し出されたそれは、、、、、、、
父と同じトロでした(感涙)
「いただきます。」と胸の中で手を合わせ、口の中に入れると、長年来待ち望んだトロは、感慨の中に深く溶けて消えていきました。
もちろん、息子に出されたのはかつて私が食したのと同じ赤身。
ただ、なんの文句もなくモリモリほおばっていたのが私と違うところ。

すると大将から、「今日は珍しいものが入りました。」と出されたのが、手の平ぐらいのでっかい近海もののアワビ。
握ってくれるのかと思いきや、「地獄焼きと申しまして、この殻のまま焼くんです。」
超高級食材のアワビをなんとサザエのように姿焼にして、一人一個の割り当てだとか。

しかし、良心的とはいえ、ここのネタは全部時価。
今日の会計は私持ちということで、息子の懐具合をすかさず察知した父は、「それ、おいくら?」と尋ねると、「へえ、1個、●0,000円。」と涼しい顔でさらりと答える大将。
それを聞いて、日本酒で赤くなった顔をこわばらせる父に、「折角だから。」と促し、
ここはセンターパイプをすっぱり諦めて、「じゃあ、それ人数分ちょうだい。」と威勢良く注文すると、
私の虚勢を見抜いたのか、大将が、「旦那さん、そりゃもったいない。」
と父に目線を送りました。
値段を聞いたことで、少し腰が引け、「ま、悪いから、今日はいいや。」と遠慮をする父に、「ダメだって。すいません、父と母にそれぞれ1個焼いてもらえませんか?」と半ば強引に注文すると、
「よっしゃ、承知した。」とこの日一番の返事を返す大将。
しばらくして父母の前に出されたのは、香ばしく湯気立つ、でっかいアワビの地獄焼き。
「うわ~!」と一同感心していると、「旦那さんとぼっちゃんには、これ、サービスね。」とにっこりしながら大将が、私と息子の前に差し出したのは、小さめのアワビとアワビの稚貝ほどの大きさのトコブシの焼き物。
小さいながらも豊潤で野性味溢れるアワビに目眩がするほどの感動を覚え、最後にアガリを頂き、
もっと目眩がするお会計へ(滝汗)


大将の目からすれば、今の私は、トロを食べさせてはもらえても、近海アワビの地獄焼きには、まだ及ばずじまいな若輩者。
恐らく、息子を一人前にして、初めて食べさせてもらえる資格があるのでしょう。
まさしく、アワビの大きさは人生の貫禄。
今考えたら、大将が、『管鮑の交わり』になぞらえたかどうかは不明ですが、『鮑叔』が認めるぐらいの傑物になって食べに来て欲しいとのメッセージだったのかもしれません。

回転寿司をはじめどこの寿司屋でもトロが普通に食べられる今日。
厳しい寿司屋の縦社会で揉まれた大将が伝える、トロを食べる姿勢とは、「一人前の大人が食べるもの。」という社会道徳の一種で、通過儀礼的なものなのかと、マグロ禁輸否決のニュースを見つつ、大将の顔を思い浮かべながら考えさせられる今日この頃でした。

PS:マグロ、アワビに関する暗喩もしくは隠喩的な表現は、残念ながら、文中一切ございませんので、ご期待いただいた諸兄の皆様、あしからずご了解ください(笑)
Posted at 2010/03/23 16:17:34 | コメント(7) | トラックバック(0) | My Life | 日記
2010年03月15日 イイね!

赤い使徒迎撃オフレポ~『にゃじエル覚醒』~

赤い使徒迎撃オフレポ~『にゃじエル覚醒』~ほとんど春の陽気に見舞われ、半袖の姿も散見された東海地方。
その穏やかな日曜となる今日、雪深き信州の山奥で萌芽のごとく立ち上ったイカ臭を全身から発散し、雄々しく屹立した姿を軍事衛星にキャッチされた最強かつエロいにも程がある第69番目の使徒にゃーじさんこと『にゃじエル』が、ネルフが算出した通り、愛知県に上陸いたしました。
ホワイトデーを破廉恥ピンクデーに塗り替えるほど、強大な桃色プライマリーフェロモンは、ネルフを敵前逃亡させ、東海地方、いや、全国の貞操が我々の手にゆだねられた、その運命の時まで数時間。

まず、我々の迎撃計画を事前に察知していたにゃじエルは、緑のGT ameman号機を、アスカが受けた精神攻撃で眷属として取り込み、そして、三河地方のじゃんだらりんなM3さんを強襲。
そのまま、じゃんだらりんさんが格納してたロンギヌスの槍『サクラム』を尻に差し込んだ完全体となって、我々が待ち受けるオートプラネット名古屋に向かうのでした。

折しもこの日は、『名古屋国際女子マラソン』の開催日。
カモシカのように鍛えられた肉体が薄衣を纏い、美しく競い合う女性アスリートが名古屋に集う年に一回のこの日こそ、実はにゃじエルの狙いではと踏んだネルフは、敵前逃亡したと見せかけて、各給水所に張り付き、スペシャルドリンクに交じって地球19個分を孕ませることができる『にゃ汁』が混入されていないか地下活動を展開。
その甲斐があって、無事、名古屋国際女子マラソンは終了。

あとは、我々がにゃじエル本体を迎え討ち、amemanさんの囚われた精神の解放とじゃんだらりんさんのケアをするのみです。

オートプラネットに集まった東海の勇士は、
・TKスクエアで秘密のチューンを施した、たこゆきさん
・赤の内装が眩しすぎるindiv M3Cさん
・超絶iDingマシーン、ms13bさん
・白のM3ギタリスト、MIKIYAさん
・静岡から駆けつけていただいたALPINAB3のJUN@B3さん
・不肖FlyingV

決死の覚悟で臨んだ、最後の使途との決戦。
カウパーフィールドを展開するにゃじエルには通常の武器は通用せず、なんとかamemanさんとじゃんだらりんさんを奪還するも、勝敗は決せず、場所を刈谷に移動して最終決戦に。

夕方、休日の家族連れで混雑する刈谷SA。
長引かせては、ここにいる良い子の将来に桃色の影響が出るのか未知数であったため、短期決戦をしかけ、いよいよにゃじエルのカウパーフォールドを破り、コアを撃破かと思われたその時、、、、

にゃじエルのオシベが雄々しく屹立し、そこから放たれたのは、桃色プライマーフェロモンを上回る驚愕のDNAナノマシーン・・・・・・『にゃじ花粉』だったのです!!!

みつばち減少に乗じて放出された恐るべきナノマシーン。
空気中に無数に浮遊する『にゃじ花粉』は、思春期の中高生に極めて強烈に作用し、そして、あらゆるめしべと結ばれるべく、現在も空気中を漂っているという。。。。

頬を赤らめたお母さんから、「あのね、驚かないで聞いてくれる?お前にね、年の離れた弟ができたみたいなの。」と衝撃の告白を受けた諸兄、、、
はたまた、ボンネットに付着した花粉をふき取ったら、切ない香りがしたなどの時は、くれぐれもご注意ください(爆)

とまあ、久しぶりに、にゃーじさん、amemanさん、たこゆきさん、MIKIYAさんとお会いでき、お初にお目にかかったindiviM3Cさん、じゃんだらりんなM3さん、JUNさんとも深いお話をさせていただき、ms13bさんの超絶マシンもゆっくりと拝見ができるなど、有意義な1日でした。

皆さま、お疲れ様でした☆
今度は、こらーれで宜しくお願いします!!
にゃーじさん、告知からの流れでこんなオフレポになってしまいまして、すいません、、、もうしませんので、、、多分、、、probably、、、maybe、、、、perhaps、、、m(__)m

なになに、只今、信州に退却したにゃじエルが、6月に再び名古屋強襲するとのホットラインが!?
なんでも、予告は「最後のジュ粉」だそうで、、、、皆さん、またお力を貸して下さい(笑)


Posted at 2010/03/15 00:43:26 | コメント(11) | トラックバック(0) | M3フレンド | 日記

プロフィール

20年前に偶然出会った96年式M3CLimousineを溺愛すること4年、そして涙の別離を乗り越え、その後、やって来たE46M3と忘れえぬ10年来を共にした不人...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2010/3 >>

  1 2 3456
78 910111213
14 151617181920
212223 2425 2627
2829 3031   

リンク・クリップ

蛇使いたちの特濃空間 エテロドッソさん 
カテゴリ:メンテ&チューン
2011/12/06 10:03:34
 
BMWのマイスターショップ TKsquareさん  
カテゴリ:メンテ&チューン
2011/12/06 09:56:25
 

愛車一覧

BMW M3 セダン おハナさん (BMW M3 セダン)
M3最後であろう純粋な内燃機関をどうしても乗っておきたく、大好きなF80M3を手放し、迎 ...
BMW 1シリーズ ハッチバック BMW 1シリーズ ハッチバック
スイフトRS-Tを嫁に進呈し、その後釜としてやってきたのがこちら。一度は真剣に購入を検討 ...
スズキ スイフト スズキ スイフト
初めての新車として我が家にやってきたスイフトRS-Tです。 旧型よりも格段に向上したボデ ...
BMW M3 セダン 電子制御の鎖で繋がれたバイエルンの獣 (BMW M3 セダン)
難病が寛解したら絶対にこれに乗ると心に決め、闘病し続けた3年半。 2020年に待ちに待っ ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation