
日本は自動車生産だけしていて、モータースポーツや自動車に対しての意識は間違いなく後進国だと思う。残念ではあるが、このままでは永遠に後進国だろう。
その理由はいくつかあるだろうが、モータースポーツの何が魅力なのかがわからないということをよく耳にする。

スポーツとは、そもそも人間の限界に対しての挑戦だと思う。
限界というのは、人間自体の能力と、自然に対しての限界だと個人的には考えている。

確かに日本人は毎日、自動車に乗っている。
乗っているのだが、それはあくまで移動手段としてであり、
また、他にはせいぜい高速道路をアクセルを踏んでトバすだけである。
安全装置付きの乗用車で、安全に設計された高速道路を。
しかし、競技となると全く別の次元の話になってくる。
そう、別の次元だと思う。

コース上でタイムを削るという行為がどれだけの技術を要し、
また、そのマシンもまた、地球の重力と物理法則の限界へ挑み続けているのだ。

野球やサッカーといったスポーツを知らないで育つ日本人はいないだろう。
しかし、モータースポーツを知らないで一生を終える日本人は、免許保有者のほとんどではないだろうか。
この過酷さは、やはりクルマが好きで、
少しでも「今よりうまく運転したい」と努力したことがある人間でないと理解できないものがあると思う。

まぁ、別に全員が全員モータースポーツファンになれという話ではないのだが、
こういう世界もあるのだということの理解が少しでも広がっていくといいなぁと思う。

GT を見に行くとき、私はいつも「初めて GT に来た時」と同じ気持を抱く。
コース上を疾走する「マシン」は、甲高い爆音を響かせながら、生きもののように加速と減速を繰り返している。
人間が叡智を結集させて生み出した新しい動物、大げさに言うとそんなものに見えてくる。
そして、それを操るのは、自分と同じ人間なのだ。

自動車は確かに移動手段ではある。
しかし、それ以上に、言葉では言い表せない魅力を持っている。

それを実感するたびに、自分がクルマ好きで良かったと心から思うのである。
GT はそのひとつだ。
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2013 SUPER GT R2 at Fuji Speedway, Japan
http://www.flickr.com/photos/31564914@N00/sets/72157633393476041/
Posted at 2013/05/03 22:06:09 | |
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