
現在流通しているデジタルカメラの 99% はベイヤー型のセンサーと言い、かつてコダックの技術者が開発したものであるのだが、これは色の RGB を一画素ずつ規則正しく割り振って受光している。
隣り合った色情報を、演算で復元させて色を出しているので、撮った瞬間にすでに本来の色情報は失われている。演算能力が上がれば色の再現性や解像度が上がるので、デジカメが新しい方が性能がいいというのはそういうことなのだ。
これは、車にも近い。
現在の自動車の性能は、エンジンそのもののブレイクスルーというより、制御系の性能進化によるものだったりするので (ハードウェアの性能向上もないとはいえないが)。

もちろん、カメラの世界にもロータリーエンジンのような異端児はいて、根本から異なっているセンサーが存在している。SIGMA の Foveon だ。これは、ソフトウェア的な補正ではなく、ハードウェア的にすべての色を受光しようという思想からできたセンサーである。

Foveon 機は、私も一台持っているのだが、カメラ自体は少なくともフルマニュアルで撮れる人にしか薦められないカメラである。というのも、センサーだけは超一級品なのだが、その他の部分 (書き込み性能・連写性能・ISO その他もろもろすべて) は他社のデジカメの 3 年前くらいの性能であるからだw
しかし、そういう手のかかるものほど、趣味の世界では面白いわけで、
特性を知った上で撮ればどうということはない。
SIGMA は他社と違い、あらゆるコストカットを行い、頑なに MADE IN JAPAN (福島・会津若松) を貫き続けている稀有なメーカーでもある (部品の調達もほぼ国内だとか)。
地方から世界に発信していくこういう姿は、個人的にも応援したいところなのだ。
以前は自分もスペックだけしか比較していない時代があったが、
だんだんとそういうことだけではなく、時分の思想や生き方から道具を選ぶようになってきているのかもしれんね。
Posted at 2014/06/22 22:36:15 | |
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