
ダンパー(Damper)とも呼ばれる
ショック・アブソーバー(Shock Absorber)には、シリンダー内にオイルとガスが入っているのが一般的です。このような
高圧ガスを含む物品は、外国へ輸送する場合には
危険物とみなされ、国連勧告(
Recommendations on the Transport of Dangerous Goods)や条約などに基づいて、国際輸送が禁止または制限されています。
日本郵便(JP)の国際小包では、
ダンパーは危険物とみなされ、引き受けてくれません。
* 「
国際郵便として送れないもの」(日本郵便)
JPのサイト上には、「ダンパー」や「ショック・アブソーバー」という品名は記載されていませんが、危険物リストには載っているそうです。これは私がJPに電話して確認しました。
実は先日、日本では在庫が無くなった新品ダンパーを、ようやく英国(UK)で見つけて入手したのです。ところが、1本のガス量が減っているらしく、ピストン・ロッドの反発力が明らかに弱まっていたので、手続きが面倒だけれども返品することにしたのです。しかし、結果としてそれらを返送(輸出)することは出来ませんでした。INVOICEも苦労して用意したのに…。
航空便では輸送中に気圧が下がるので、高圧ガス封入物の危険性が高まるのは理解できるが、国際小包での危険物の扱いは
船便でも同様で、とにかく
引受け拒否というのが現状だった。他社の国際輸送サービスも調べたが、個人が利用できる小口の船便は見当たらず、航空便だと料金が国際小包(航空便)の数倍になってしまい、全然使えなかった。
そもそも国際輸送における危険物の取り扱いルールは、少なくとも先進国では共通の内容であるべきものではないのか?
UKからは航空便で輸入できたダンパー、しかも"MADE IN JAPAN"の
KYB製品が、
JPでは危険物になって返送できない、これはオカシイですよね。
私が調べたところ、国連勧告の
危険物リストに"
UN3164"という番号が付いた項目があり、そこで高圧ガスを含む物品が規定されているが、そこには
危険物から除外される条件について、特別規定(Model Regulations: Chapter 3.3.1/283)が追加されていた。
その内容は技術的なものなので、特定の製品がその条件に適合するか否かは製造元や製品検査機関でしか判断できないと思われる。私がKYBに電話で問い合わせたところ、自社のダンパーは航空危険物には該当しないとの回答を頂いた。JPでは恐らく、特別規定の内容までは確認しないのでしょう。
個人が小包を海外へ輸送する手段としては、現状ではJPのサービス(EMSと国際小包)が圧倒的優位を保っていると思われます。JPのサービスに不満があっても、他社のサービスを簡単には選択できません。JPに対しては、窓口での危険物の確認事務は困難な点も多かろうと思いますが、安全確保を重視しつつ、
国際規約に基づいた円滑な国際輸送の実現に一層尽力して頂きたく思います。
そして国土交通省などにおいても、小口輸出での貿易障壁を低くするために何をすべきかや、JP以外の国際運輸企業の展開と競争を促進する方策などを、よく検討して頂きたいですね。
問題提起を意図した、独り言でした。
ブログ一覧 | クルマ
Posted at
2016/08/08 17:15:56