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まだ見ていないという方は是非ご覧いただき、楽しいクルマいじりにお役立てください!
これからも基礎情報を発信させていただきますので、お楽しみに!
さて、前回のブログを読んでいただいた方は、もうすでにコードサイズの呼び方「○○スケ」を自分のものにされていると思います。
今回は配線コードの巻【後編】です。
いろんな色があるけど どの色を使ってもいいの?
当社の配線コードには、
赤色・黒色・
青色・
黄色があります。
■画像は0.75sqのラインアップです
特に決まりはありませんが、色は識別しやすいために使い分けるものです。
(被覆の色に違いはありますが芯線は同じです)
例えば電源取り出しの接続元が見えない数本の線が出てきている場合、色で判断できれば便利です。
一般的には、
黒色をマイナス線で使います。
色が付いたコードで、まず
赤色をプラス線にするとわかりやすく、プラス線が複数になるなら
黄色や
青色を使います。
(例:
ACC電源を
赤・
常時電源を
黄・
スイッチON-OFF線を
青・・・などで使い分けます)
そしてプラス・マイナスが必要、あるいは2種類の+電源を通す必要がある場合などは2本のコードが最初からくっついている「ダブルコード」を使います。
(ダブルコードは日本語では<平行線>と言い、いわゆる 「議論が<平行線>のまま」 とはズバリこの形状のコードが語源です。※諸説あり)
■画像はどちらも0.50sqのダブルコード
ダブルコードは基本<赤/黒>ですが、赤は目立つので避けたいのであれば<黒/黒>のコードもあります。
(<黒/黒>コードは片側に白ラインの目印入り)
また、車にもともと通っている純正の配線には上記の色のセオリーが通用しない場合があります。
例えばアクセサリーソケット裏に来ているプラス/マイナス線で、赤線がマイナス(!)/黒線がプラスの例もありますので、必ず確認が必要です。
ご注意を!
それぞれの太さにはどのくらいの電流が流せるの?
色は極端に言えばどの色でも使えますが、太さはそうはいきません。
当社の配線コードのそれぞれの太さが通せる最大電流の設定は以下の通りです。
まずは各サイズのコードが流せる最大の電流を上の表でご参照ください。
配線コードのサイズのチョイスは、その先につなぐ電装品の消費電流が決め手となります。
電流量を決めるのは、コードの太さでなく消費する電装品ですので、その流れる電流に合わせてコードの太さを選ぶということです。
つまり、コードが太いからといって常に大きい電気が流れるのではなく、通り道の太さだけで、そのコードの中に電装品が必要で引っ張る電流が通ります。
例えば、12V車で取り付ける電装品が45W(3.75A)なら、<上の表から>0.5sqのコードを選ぶということです。
ちなみにアンペア(電流)の計算の仕方は W(電力)÷V(電圧) です。
ヒューズ選びのご参考まで。(上の例の電流(3.75A)の場合ならヒューズは5Aを入れます)
流れる電流に応じた太さにしないとどうなるの?
大きい電流が流れる場合はそれに応じた太いケーブルを使わなければならないです。
逆に小さい電流ならそれに応じた細い線を選びます。
どの電流でも太いコードを選べば間違いありません。
しかし太すぎるコードは余裕がありますがそこまでの太さが余分で必要ないとも言えます。
よく水道のホースに例えられますが、ホースが太くても流れる水の量が少ないということです。
その太すぎることによる余裕をメリットと考えず、取り回しのしにくさや些細ですが重量増をデメリットと考えます。
よって、使う電流量が決まっているならそれに適したコードにするのが基本です。
太い線に小さい電流を流すことは、上記の多少のデメリットもありますが安全性だけで言えば大丈夫です。
しかし、その逆の
細い線に
大きい電流を流すことは
大変危険です。
どのように危険かをご説明させていただくと...
あえてリアルなネガティブ話をさせていただきましたが、
配線コードのサイズを守ること・ヒューズを入れることの大切さをおわかりいただきたいと思います。
電流の計算はできるのでコードの太さは選べますが、意図せずショートする危険性は必ずあります。
(例えばコードにビスを貫通させてしまったり。私も経験ありますがヒューズを入れていたので大丈夫でした)
電流に見合った太さのコードを使い、万が一に備えて電源を取り出したらそこにヒューズを必ず入れましょう!
意外と忘れられがちなマイナスコードについて
ヒューズの必要性などから電源を取り出すプラス電流にスポットが当たりますが、マイナスコードも大切です。
マイナスはアースだから細くてもいいのでは? と質問されたことがありますが、これは間違いです。
(アースと呼びますが、家庭用の漏電対策のそれではなく、車のマイナス線の通電先“ボディアース”のことです)
直流電流においては、電流はマイナスのコードもプラスと同じ電流が流れるとの考え方で同じサイズを選ばなければならないです。
しかし、車の中に通っているコードはプラスコードばかりのイメージがあるのはなぜでしょう?
それは車体金属がバッテリーのマイナス端子につながっているので、車体金属がマイナスコードの代わりになっているから、コードの本数はマイナスコードが圧倒的に少ないからです。
この車体金属がボディアースです。
だから、電装品から出ているマイナス線はまずはプラスコードと同じ太さで出して、あまり長くせずボディアースするのです。
例えばマイナス線を伸ばしてバッテリーのマイナス端子に戻しても間違いではありませんが、車の中を通るコードが増えてしまうため、余計に配線が複雑になり重量増にもなります。
また、そのマイナス線が通る場所によってはノイズを拾うリスクもあります。
電線って単体ではそれほど重いとは感じませんが、まとまると実はすごく重いものなのです。
だからなるべく少ない方がいいのです。
配線コードのリールに開いている謎の穴の正体とは?
最後にエーモン配線コードのリールに開いている謎の小穴について、ついに真相を明かす時がまいりました!
中央の大きめの穴は店頭での陳列の際にフック掛けするための穴ですが、その下に不自然に開いている2つの謎の小穴の正体とは・・・
コードホルダーで~す!
工具バッグなどにしまっているとき、コードはゆるんでしまって
リールからバラけがち。 この穴にコードの端を引っ掛けておくと、バラけずスマートに収納できます。
コードサイズに合わせて穴の大きさも変えている芸の細かさ!
2回に渡って難しい話をさせていただいた最後の話題としてはあまりにもの小ネタで恐縮ですが、こんな優しい配慮までされているエーモンの配線コードをこれからも是非よろしくお願いいたします。