
下位モデルにRRレイアウトを採用する「トゥインゴ」という強烈な個性を持った車が存在する中で、このルーテシアはいたって普通のFF Bセグメントハッチバック。スペックは1.2リッター直4ターボエンジンで、これといった目玉装備もなく、エクステリアデザイン以外は一見つまらなさそうに見えます。
それに加えてルーテシアR.S.というホットなグレードもあるため、ノーマルのルーテシアは日本では影が薄く、カー雑誌やTVでの紹介時にはなぜかスルーされることが多いです。
しかしながら、ドイツ車メーカーと共同開発のトゥインゴでは味わえない、ベーシックなフランス車の乗り味を+20万円で楽しめるのは、なかなか魅力的だと思います。
確かに、以前に乗っていた2代目ルーテシアよりはフランス独特の味や高級感は薄れましたが、シートの良さは健在で、乗り心地はフランス車の猫足そのもの。ドイツ車でよく言われるフラットな乗り心地の良さとは違います。ドイツ車は最終的に硬さが残る中で、フランス車は本当に角が丸い印象です。これだけでも選ぶ価値があります。
そして、昔のルーテシアと違って上記の一般的な水準のエンジン・ミッションの性能と、素直な反応でロールしながらも決して破綻を見せないハンドリングによって、誰でも扱いやすい車に仕上がっています。
高いボディ剛性による不安感の無いハンドリングでありながら、中の乗員は静粛性が高くシットした乗り味に癒される。CGTVで松任谷氏がシトロエンC3のことを「走るクリームパン」と例えたのに対抗して、こちらは仏車だけに、「走るフランスパン(外はパリっと、中はフンワリ)」と言えるでしょう(笑)
ルーテシアでオススメのグレードを尋ねられれば、断然自分が所有しているZENを推します。ZENとは、日本語の【禅】に由来するフランスにおける外来語であります。詳しくは以下のURLに。
(参考:https://www.webcartop.jp/2017/09/147497/2)
ZENという言葉の意味に非常に共感を得ますし、何よりもルーテシアではベストチョイスと言える16インチアルミなのがポイントです。せっかくフランス車のノーマルグレードに乗るなら小径アルミホイールは必須だと思います。
Posted at 2017/10/21 19:13:34 | |
ルノー ルーテシア | クルマレビュー