
プラウグインハイブリッドをレンタル。全然買う気にならないハイブリッドカーだけど、乗ってみたくはなるのが人情ってもんでしょ! ってなわけでチョイっとヒト乗り。東京から富士山近郊往復した200kmのオハナシ。
■突然の「無料! レンタカー」情報
きっかけはウエブページでした。三菱アウトランダーPIHEVを無料で一泊二日レンタルできるとあります。早速Web予約を済ませて、待つこと3週間。特に欲しいわけでもなかったから、待ち遠しかったわけでもなかったけど…。ま、何はともあれ無事に、その日はやってきました。
■アウトランダーPHEV
基本、モーターで走ります。
エンジンも搭載され、専ら発電機として使用しているようですが、電気を使いすぎる時は動力としてもサポートしているらしい。
このへん、よく理解していませんけど、メインはモーターだと考えています。
■無音に近い…
都内。近所の三菱ディーラーに朝から出かけて行ってちょいと拝借しました。
色々説明を聞き、出発。エンジン音は、無論しません。無音に近いモーター音、そしてロードノイズもさほど大きくないため静かでした。
土曜日の午前中。街はすでにクルマが多く、まずは一般道で調布インターチェンジまで20数kmを走ります。
ゴー&ストップは電池にはきついのかな、とおもいきや。1時間半の渋滞を経験しても電池残量は3/4はありました。
スロットルオフ時の回生ブレーキで充電できるからなのか?
■ジェット旅客機のような加速
このクルマに期待していたのが「4リッタークラス並みのトルクとパワー」(これは三本和彦さんの言葉です)でした。
しかし高速道路のループから本線合流時の全開加速で、少し不思議な感じがありました。
約1.8トンのボディを驚くほどのトルクで加速させます。それ以上は踏んでいないのでわかりません。ガソリン4リッターと比べるのは難しいのですが、この車格で、あの加速。あとから考えると、かなりの力が出ていると思います。
加速感は独特でトルコンオートマチックやデュアルクラッチのような感じではなく、CVTに近い。
最も近いフィーリングは旅客機の離陸時加速です。
「ワァーーー!」と言っているんですけど、もちろんエンジンより静かで、どこか遠くで鳴っている。ずっと高回転でよどみなく回る感じはまさしくジェット旅客機。タイヤや足回りがゴトゴトいう音が聞こえるのも、離陸の滑走路を思い出します。
写真はボンネットを開けたエンジンルーム?
右にあるのがモーター? 左がエンジンです。エンジンは低回転でしか回っていなかったようで音も極小。回っている時も存在感はありません。
■みるみる減っていく充電計
車両説明時にディーラーの担当者(若い女性でした)からの説明では。
「エアコンと高速道路走行は電池を減らします」でした。
まさしくその通りで。高速道路に入って15kmも走らないうちに充電計は写真のようにほぼ最低の水準になりました。八王子料金所から山中湖まで、もちろん充電は必要ありませんでしたが、エンジンがずっとサポートしてくれていたようです。
右が燃料計、左がもうほとんど底の充電計。
左のタコメーターというか、抵抗値をメーターにしたようなものというか。
スロットルオフにすると、ブルーのCharge部分に針が入ります。
この時は回生システムによって充電されているというわけです。

中央高速道路談合坂SAで昼食をとったので、30分かかるという急速充電を試そうと思いました。
ところが談合坂SAには充電スタンドがありませんでした。
ちょっとガッカリです。
エアコンは電池消費量の70%を使用するのだそうで、あまり使っていなかったのです。
しかし、寒くなってくるとそうもいかず。つけていましたが、車内はとにかく寒かった。
レシプロ車両はヒーターにエンジンの熱を利用しています。このクルマはエンジンの発熱量が多くないため、エアコンの設定温度を室内よりも10度以上高くしないと温かくなりませんでした。
色々な場面で試さないとわからないけど、総じて寒かったのはかなりのマイナス面です。
発熱量が少ないとされるシートヒーターがメインですが。なにせ足下が寒い。
夏になったら…エアコンの使用は避けられないでしょうから、電池は底をつき、燃費はやはり悪くなるでしょうね。
■ツカエルe-assist
前車との車間を感知してクルーズコントロールしてくれるのがe-assistです。
これはいい。これまでのクルーズコントロールは、道が曲がっていて、クルマも多い日本ではほとんど使いもにならなかった。前の車が停止しても一定の車間距離を保ち続ける。なかなか気に入りました。
■積載能力は愛車307swのが上
自転車積めるかどーか!は、わたしにとっては大事なこと。
積めました…が。307swのが車室が高く、広い。ちょっとガッカリな結果でした。
■回生システムもなかなかオモシロイ
回生ブレーキは空走状態となるB0⇔B5最大チャージをセレクトできます。

ジョイスティック型のセレクターレバーとハンドル横のパドルシフトでも操作できます。
かなり急な山道を下るときにB5で充電していると、1目盛りでしたが充電が増えました。
でも、そんなにずっと回生ブレーキをかけているkともありません。
驚くのは、B5にしたままスロットルオフで走ると40km/hくらい出ていても下り坂では50mくらいで停まってしまったこと。ブレーキランプがどーなっているかはわかりませんけど。
ブレーキ踏まないで停まりたい私には、とても興味のあるシステムでした。
■燃費は約14km/l
約200km走ったショートツーリングでしたが、燃費は14km/l !!!!
PHEVとしてはちょっとガッカリな数値です。無論これだけの車重、パワーの豊かさを考えれば燃費はいい!のでしょうけど。だったら、もう少し軽いクルマでやるべきなのでは、と思ってしまいました。
■総論
アウトランダーPHEV
・気に入った点
ジェット旅客機のような加速感。
コーナリング性能などの安定した走行性。
e-assistによるクルーズコントロール。
回生ブレーキによるエンジンブレーキ。
・まだまだな点
エアコンの性能が不足していること。
高速走行時に電池の減りが早いこと。
あれ?
書き出してみるとそんなに悪いところ無いんですね。
燃費が14km/lってのも、車重とパワーを考えればガソリン車ではあり得ないほどいい数値なのかもしれません。
買うか? と訊かれたらわたしは「買いません」と答えます。
でも、乗り終えた直後よりも。
今は、よく出来ているクルマなんだな、と思い返しています。
最後は山中湖と富士山です。
天気に恵まれて、いい試乗でした。
