それはメーデー。5月1日のこと。
SUPER GT観戦のため、仲間と2台の車で富士スピードウェイ(FSW)へ向かった。
雪をかぶり、晴れた空のもと朝日に輝く富士山を横目に富士五湖道路を通過し、静岡県は小山町へ。
街中を抜け、FSWへ繋がる森の中の道路を走っていた。
私の前には仲間の車、後ろにも恐らく同じ目的の他車が1台。
もはや見慣れた道であるが、まもなくの到着に気分は高まっていた。
事件はその時起こったのである。
その時はよくわからなかったが、場所は富士小山ゴルフクラブ脇の道路。
仲間の車が通過した直後、突然私の目の前に右側から鹿が1頭飛び出てきて左側の森へ消えていった。
「おお!鹿だ!」
少々驚いたが車との間隔は空いていたのでパニックになることも無く、安心した次の瞬間だった。
同じ場所を通過しようとした私の視界の右隅に、またしても突然、鹿の姿が映った。
ミラー越しに見ていた仲間の話では3頭ほどいたようだが、私には2頭が見えた。
その瞬間の私の脳内は「あ!」と思うどころか「!!!」だけ。
そして次の瞬間には右前フェンダーに1頭が体当たりをかましていた。
ドン!という音と衝撃。
後ろの車の人もさぞかし驚いたことだろう。
一瞬、目の前に現れ消えていった鹿の姿。
続けてドアミラーを見るともがきながら倒れていく鹿が見えた。
が、道路はカーブが続き見通しが悪く、後ろに車もいたので少し走り、
直線になったところで路肩に寄せて停めた。
「マジでか~」と思い車を降りてみてみるとベッコベコ。
本来、外側に膨らんでいるはずのフェンダーは、逆に内側に向かって凹んでしまった。
ヘッドライトにヒビが入り、フェンダーのウィンカーランプは外れてプ~ラプラ、
タイヤはツライチどころか出てしまっていて、このままでは違法車両になってしまう(ぇ
私自身もいくらか凹みはしたものの、目的地目前にして凹んでばかりもいられないので
その場で出来る限り引っ張り、とりあえず走行に支障が無いようにしてから
前方で待ってくれていた仲間とFSWに入場した。
途中、左右に大きく振ってみたりしたところ大きなダメージはなさそうだったが、
段差や荷重が掛かるところではタイヤが擦れているような音が。
駐車場について改めて見てみるとなんとも悲惨な様。
先に着いていた別の仲間らも挨拶もそこそこに「なにこれ!?」。
そして原因が鹿だと聞いて「鹿ァ~!?」
たまたま仲間の一人が某自動車メーカーの整備をやっている人だったので
観戦の合間に応急処置をしてもらった。
車はがっかりなことになってしまったが自走は可能だし、
私の身体はどこにも痛みは無く、それは救いでもあった。
GT観戦初日早朝から衝撃的な体験をしてしまったが、
フェンダー以外には目立った損傷は見られず、とりあえず走行に影響は少ないこともあって、
気持ちを切り替えて観戦を楽しむことにした。
もちろん保険屋には連絡も済ませ、修理を依頼するところも決定済み。
これを機に某社フェンダーへの換装、あわよくばボンネットもなどという甘い誘惑の声が上がっているが、
ま、それはもう少し考えることにしようw
それにしても相手は野生動物だからな~。
被害の賠償を請求しようとしてもお金なんて持ってないし・・・。
なんて話を現地で仲間としていたら、その夜はBBQだし肉を請求する!なんて声があがったw
ちっ、鹿肉が食べられるはずだったのに(ぇw
P.S.
帰宅の途は東北道を使ったのだが、その途中で後方から来たライダーが
私の後方約100メートルくらいのところで急にフラフラし出し、
危ないなと思った瞬間に転倒するところまで目撃してしまった。
倒れるバイク、投げ出され道路を滑るライダー、飛散するパーツ・・・
幸いにも速度レンジは周囲の車も含め高くなく、
車間も空いていたので後続車に轢かれることはなかったようだ。
他に仲間が2、3人いたようでバイクを停める様子は見えたが・・・。
転倒の原因は車体なのか、それとも彼に異変があったのか。
いずれにしてもあのライダーは無事だろうか。。。