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2018年05月14日

ARS LONGA, VITA BREVIS

ARS LONGA, VITA BREVIS
 先日大黒PAの縁石でホイールとタイヤを痛めてしまった575Mマラネロは無事にホイルの修理とタイヤ交換が完了し、コーンズ芝サービスセンターへ引き取りに行ってまいりました。

 相変わらず448の受注は非常に活発だそうで、この日も目の前で「祝、ご契約!」の鬨の声が上がっていました。でも488も既にピスタが発表されましたのでモデルサイクルとしてはラストスパート期に入ったのかもしれません。同様に「もしかしたら最後のNA12気筒か?」と噂される812スーパーファストも注文殺到のようです。でも実際にオーナーのもとに届くのは22か月後だそうで、デリバリーはちっともスーパーファストじゃないようですね(笑)。
 昔の外車の注文はおおかたこんな感じでしたから、待っている間に期待を膨らませるのもまた醍醐味の1つともいえましょう。もっとも私が新車に乗ったのは30年以上昔のモンテカルロの時だけでしたが(笑)。

 「ガリッ!」とやっちゃったホイールはご覧のとおり傷一つなく修復してもらいました。しかし本当に見事に跡形も無く直しちゃうんですね。職人技に感謝です。

 こうして傷の癒えた575Mマラネロを駆って降り出した雨のなか芝から東雲へ。今日はコーンズ2店舗のはしごです。東雲に着く頃には雨はかなり本降りになっていましたが一皮剥けたくらいの新タイヤとASRのおかげで高速も楽々、全天候型フェラーリの面目躍如です。

コーンズ東雲サービスセンターⅡ訪問の目的は先日首都高速上で心停止となったカマルグの見舞(?)と主治医の説明を聞くことにあり、コーンズのスタッフ氏が非常に丁寧に状況を説明してくれました。
 キャブのパーコレーションなんて暑くなれば普通に起こり得る現象だとは思いますが、問題は何故それが突然起こったかにあるわけです。再発防止のためには原因と結びつく誘因の究明が絶対に必要ですものね。
そういうわけでフューエルラインをタンクからキャブまでくまなく調べてもらっていたのですが、果たして燃料ポンプにガソリンの漏れが見つかりました(危なーい!)。燃料ポンプに異常が生じたことで燃圧が低下してキャブへの燃料供給に滞りが生じ、これにより特に加速系の燃料噴射が障害されてエンジン停止に至った、この筋読みが現時点では有力なようです。当然ポンプは交換となりますが、英国にはちゃんと新品のパーツが在庫されていてすぐ届くとのこと。こういうところはロールスロイスは本当に素晴らしいですね。
 ついでにカマルグのフューエルラインを端から端まで追って見せてくれたのですが、エアコンのコンプレッサーの前にある赤い矢印で示した謎の部品、これ何だと思います?この大きな筒状の部品の中にはエアコン低圧側が通過していて、この中にフューエルラインが引き込まれてガソリンを冷やす仕組みになっています。つまりフューエルクーラーですがハガキ大の四角い形が多いのでこんな巨大な物は初めて見ました。
 そういえば昔のメルセデスやBMWには日本仕様車に装備されていて、これが有るか無いかでディーラー車か欧州仕様車かを見分けるなんてこともありましたね(インポーターのプレートを解体車から剥がして貼り付けるなんて悪い業者もいましたし)。1980年代半ば頃のF1でもこの装備を巡って論争があったのも懐かしい話です。今ではディーゼルエンジンの排ガス浄化のため高圧化した燃料の温度上昇を抑えるために盛んに使われていますが、その他にチューン用としてSARDが発売しています。地味ながら燃圧対策には非常に有効なパーツですのでこれからの季節、キャブ車にはお勧めですよ。
 でも対応してくれたメカニック氏曰く、こうした古いモデルのキャブなど燃料系を整備できる人はコーンズでもすでに2人しかいないそうで、燃料タンクの漏れを修理できる人に至ってはわずか1名なのだそうです。メーカーからディーラーに配布される整備マニュアルには記されていない微妙なコツを知っている職人(敢えてこう呼びます)が退職時期を迎え、その技術の伝承も十分ではない現状に先行きの不安を禁じ得ません。パーツの欠品は流用したりワンオフ作成という手段もありますが、職人の技術はそうはいきません。何とか志ある若いメカニックが熟練の技を受け継いでもらいたいと心から願います。だってキャブ車のロールスロイスやベントレーのディーラー車はわが国の道の上をまだまだ長く走り続けるのでディーラーとしても十分商売になるはずですものね。
 
●「技術は長く、人生は短い」 ※読み方「アールス・ロンガ、ウィータ・ブレーウィス」

ARS「技術」「熟練」「学術」第Ⅲ変格女性名詞主格単数、
LONGA「長い」第Ⅰ類女性形容詞主格単数、
VITA「人生」「生命」第Ⅱ変格女性名詞主格単数。お読みになった方もいらっしゃるかと思いますが、森鴎外の小説のタイトル「ヰィタ・セクスアリス(VITA SEXVSALIS)」のVITAです。古典ラテン語では子音のVを「ヴィ」ではなく「ウィ」と発音するのでVITAに「ヰタ」とルビを振った森鴎外はさすがです(だからAVE MARIAは「アウェ・マリア」であって「アヴェ・マリア」ではないと、以前もお伝えしたのです)。なおオペルの小型車VITAやプレステの商品名の由来もこれですね。なおアルファベットで表記すると同じ綴りになるスワヒリ語のvitaは「戦争」「闘い」という意味だそうです。なお名詞VITAと同じ語幹の動詞VIVOは「生きる」「存続する」とう意味です。これを単数の命令形にするとVIVE、命令形複数にするとVIVITE(それぞれ読み方は「ウィウェ」「ウィウィテ」)となり、これらの言葉は古代ローマでは「さようなら」の意味で会話に使われていました。
BREVIS「短い」「少ない」第Ⅱ類女性形容詞主格単数。
 この言葉は医聖ヒポクラテスの言葉Ὁ βίος βραχὺς, ἡ δὲ τέχνη μακρὴです(本当はこの後にOCCASIO PRAECEPS「好機は速し」とか長々と続くのですが)。これをラテン語に訳したのが表題の言葉で、セネカをはじめ古代ローマの詩人・論述化によって幅広く引用されています。わが国でもよく知られた似たような意味の諺というと朱子の作(と様々な理由で言われている)「少年易老学難成(少年老い易く学成り難し)」ってところでしょうか。
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Posted at 2018/05/14 13:54:27

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この記事へのコメント

2018年5月14日 14:45
まいどです~✋😄

燃料漏れ、分かって良かったですね🙌😉
ヘタしたら、燃えますもんね😨
(原因は違いますが、うちの子、燃えかけたこと、あります😅)

フューエルクーラー👍😌 ほほぅ、日本のような高温多湿で、渋滞が多いところでは、有効ですね⤴😄

職人さんが、居なくなるのは、キツいですよね。
微妙なノウハウが伝承されないとなると・・・・。

ポルシェディーラーでも、空冷ポルシェを扱える方は、どんどん、独立してらっしゃいますね🙌😉 我々には、助かりますが😌

コメントへの返答
2018年5月15日 10:55
事故で外装が破損したとかエンジンがブローしたというなら程度次第でおこしも可能だとは思うのですが、火災だけはどうにもなりませんものね。
なのでむしろこのタイミングで見つかってくれて良かったと思っています。

今でもそうですが70年代の英国は低緯度地域に数多くの海外領土を持っていて、ロールスロイスもそういう熱帯地域対策をしていたのかもしれませんね。
今ではフューエルクーラーというとチューンドカーの燃圧対策か直噴ディーゼルというイメージですが、昔のキャブ車のチューンとしては割と頻繁に行われていた気がします(CAR BOY誌の記事でも見かけた記憶があります)。

熟練職人の枯渇はどの業界でもこれからのリスクとして深刻にとらえられていますね。
フェラーリに関してはディノさんをはじめとする専門店が若手の育成もしているのでまだ楽観できそうですが、国産旧車のキャブをセッティングできる職人はこれから確実に不足していくように思います。
そうなるとオーナー自身でいじるしかないわけで、昔のオプションやCB誌の別冊などが貴重な文献となりそうです。
私もオイルに塗れたそれらをマイクロ化して保存しておこうかなと思っているところです。
2018年5月14日 14:49
実は456にも仕向け地によっては同様のフューエルクーラーが純正で装備されています。
コメントへの返答
2018年5月15日 10:59
国産車には「寒冷地仕様」というのが主に東北や北海道向けに設定されていますが、フェラーリにも「高温地仕様」のようなものがあるのでしょうか。
我が国の盛夏時期も熱帯とあまり変わらなくなっているので日本仕様にも必要ですよね。
2018年5月15日 0:45
勉強になりました🤣
ヴィンテージカー✨は
日々勉強✏️ですね〜😅💦
コメントへの返答
2018年5月15日 11:03
学生時代からDIYでエンジンばらして組んでを繰り返してきたのである程度理解しているはずだったのですが、まだまだ世の中知らないことばかり(笑)。
昔のクルマは機械と人間の距離感が近くて良いところも悪いところもダイレクトに伝わってくるところが魅力だと思っています。
インジェクションのBBですらそうですから、デイトナでしたらもっとはっきりと乗り手に主張してくるのでは?
こういう対話が楽しめるのがヴィンテージカーの醍醐味ですよね。

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「大黒行ったらお気に入りの駐車スペースが全部埋まっていたのでそのままスイングバイして辰巳で一服して帰りました。やっぱりお天気いいと混んでますね。」
何シテル?   10/25 11:18
子供の頃に展示されていたベルリネッタ・ボクサーを指差して「私、大人になったら絶対この車買うから!」と宣言して早や30有余年、念願かなってやっとオーナーに。
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