北の大地の2日目。名寄の朝は昨晩降り続いた雨の跡が残っており、洗車したばかりのZ4は全身水玉だらけとなっていました。
AM6:30にホテルをチェックアウトし、コンビニのコーヒーで目を覚ました後は、最北端を目指し北上します。
道道118号線・119号線は日本海側へと抜けるローカルロード。従える空はどんより灰色でしたが、向かう先の彼方に見えるのは青い空。その青空に追いつかんとばかりに、交通量僅少の全線2車線の道を伝っていきます。
ロードサイドに顔を出す鹿の親子に愛想を振りまきつつ快走を続けていくと、国道232号線に合流します。ふと頭上を見ると覆っていた雨雲は消えており、陽の光が差し込む程回復してきました。喜び勇んでセンターコンソールのスイッチを押し、オープンスタイルへと変貌。北海道はこうした天気雨が頻繁に発生します。
まさかの青空が垣間見えた事に感謝しつつ道道106号線オロロンラインを進んでいくと、オトンルイのウィンドファームが徐々に姿を現します。右手には広大なサロベツ原野、左手には荒れる日本海が位置し、頭上では風力発電機の羽根が勢いよく旋回を続けています。利尻富士は残念ながら姿を見せてくれませんが、28基のシルエットが織りなすシークエンスは実に壮観。どこまでも続くようなスーパーストレートを眺めていると、北海道に来たのだなと改めて実感するのでありました。
のんびりしていると雨雲が追いついてきたようで、やむなくハードトップを元に戻し、サロベツ原野を突っ切る道道444号線へ。雨脚は急激に強まり、土砂降りの中、足元に気をつけながら進みます。
サロベツ湿原センターで雨宿りしながら次の目的地を模索。この雨では岬は大荒れが予想されたので、ノシャップ岬は早々に諦め、道道138号線・121号線をトレースし、2年前のGTでも足を運んだ宗谷丘陵へと向かうことにしました。
交通量の多い国道238号線を経由し、道道889号線に右折。DDCをスポーツモードにセットし、アクセルオン!N52B25A型直列6気筒エンジンの出力に身を任せ、緩やかな曲線形状をした白いセンターラインを駆け上がる。いやはや、ドライビングプレジャー炸裂だ。ヒルトップからは、日本海の先にある樺太半島まで一望できるのだから驚きである。
心配された雨も屋根を開けられる程の状況まで回復。ここでオープンにしなければ何のために来たのだとばかりに、空気中に漂うわずかな霧雨を吹き飛ばすようにダウンヒルを敢行。秋めいた空の下、丘陵の地形に合わせたアップダウンを繰り返しながら、食事に耽る牛達を横目に駆け抜ける。宗谷エリアには幾つもの観光名所が存在するが、ドライブ好きの貴君であれば、この道を走らずして道北を語るべきではないだろう。そう思わせてくれる程の相変わらずの絶好路でした。
素晴らしい景観美を堪能した後、国道238号線オホーツクラインへと復帰します。多くの観光車両としばらくランデブーした所で、以前までなかったと思われる案内板まで付けられた猿払村道エサヌカ線へ。
ここも、宗谷丘陵と肩を並べるツーリングマップルおすすめの道。空は不安定な姿ですが、逆にそのグレーな色合いが最果て感を醸し出してくれます。(笑)
全長約8kmの直線は、両脇に視界を遮るものが存在せず、逃げ水により空と地上の間の境界線がなくなり、ストレートエンドを確認することは出来ない。走っても走っても、フロントウィンドウに映る景色は全く変わらないという非日常な空間であり、地平線に向かってのびていくあまりにクレイジーな道に終始呆れてしまうのでありました。やはり北海道は素晴らしい。
国道275号線へと復帰した後は、枝幸エリアを横断する道道120号線・49号線を走ります。この道道ハシゴは内陸部をぶち抜くツアラーロードであり、多くの観光車両は海沿いを走ることから、交通量もほぼ皆無。本州であれば、こういう場合は割とタフな道が多いのですが、北海道では実に気持ちの良いミドルクルージングのオンパレードとなります。
時折遭遇する前走車をパスしながら、午後を折り返して回復の兆しを見せ始めた空を従え、信号無し・停止線無しのローカルロードを爆走。毎度感じる事ですが、北海道の空は高くて開放的なんですよね。昔、オーストラリアに住んでいた事がありますがその雰囲気と同じであり、この地を屋根を開けて走る歓びを噛み締めながら、十分に皮剥きの完了したNEXEN N8000が鳴かない程度でコーナーを駆け抜けていきました。
国道238号線に戻ると、時刻は15時を回りそうな頃合い。そろそろ宿へと向かうため、平均速度の上がらない海岸線をのんびりと東へと向かいます。
小一時間走ったのち、サロマ湖の畔にあるキムアネップ岬キャンプ場に到着。
そう、今回の北海道グランド・ツーリングの目的の1つは、キャンプでの宿泊です。
この年齢になって初めてのキャンプであり、東京で事前練習したはずのテント Coleman Touring Dome STの設営に四苦八苦。1時間弱の格闘の上、何とか我が家を設立することが出来ました。(汗)
そして買い出しを済ませキャンプサイトに戻ると、そこには夕暮れ色に染まったサロマ湖が。CAPTAIN STAGのラウンジチェアを取り出し、時間を忘れて刻一刻と変化する湖面を眺める。わずかに頬をさする凪がとても心地良く、得も言われぬ幸福感に浸ることが出来ました。
真っ暗になる前に夕飯の支度を。セイコーマートで仕入れた肉やら野菜やら何やらをフライパンで炒め、サッポロクラシックを喉に流し込む。いつしか辺りは暗闇と静寂に包まれ、頭上には満天の星空が。
空に咲いた無数の星を眺めながら、今日1日のドライブを振り返る。「最高」という言葉では語りつくせぬ達成感を感じながら、テントに潜り込み明日のドライブへと想いを馳せるのでありました。
ブログ一覧 |
BMW Z4 | 日記
Posted at
2015/10/03 00:05:57