
自力で直したビートのエアコン、翌日は快調に動いていたが、数日後、なんだか冷気がぬるい気がした。コンプレッサーとファンは回っているので、冷媒が減っているのかもしれない。ビートを持ち上げて配管を点検すると、コンデンサーとディスチャージホースとの間が、オイルで濡れていた。どうやらガス漏れのようである。
実はこの箇所、いくつかの理由で作業が難しかった。
1)ホースの向き調整
コンデンサーにホースを取り付ける際、ホース取り付け部のスペースが狭く、ツールが入りそうになかったので、あらかじめ車外でホースを接続していた。ホースを車体側のパイプと繋げるため、適切な向きにホースを固定しながら締め付ける必要があった。中古のホースを使い(新品部品はすでに廃盤)、癖がついていたホースの曲がり方向に合わせて向きを調整するため、締め付けが中途半端になっていた(かもしれない)。
2)締め付けトルク
この箇所は、ホースの締結を最初に行った場所である。他の場所はツールが入らない等、よほどの理由がない限りトルクレンチを使ったのだが、まだ手順に慣れておらず、トルク計測をしていなかった。また、エアコンホースを締めたことのある方はお分かりと思うが、ホースが回らないように締め付けることが案外難しい。1)の事情もあり、締め付けトルクの正確さより、ホースの向きの正しさを優先したという事情もあった。
3)Oリング
この箇所は、旧いコンデンサーとホースがガス漏れのため固着しており、ホースを外すことができなかった。そのため元々付いていたOリングのサイズを確認できなかった。組み付けの際に純正のOリングを使っておけばよかったのだが、残念ながら入手しておらず、各種サイズの134a対応のOリングから、合いそうなOリングを装着した。なお、他の場所は元々付いていたOリングのサイズを見ながら新しいOリングを選んだので、適正サイズを選べていた(はずである)。
一度、オイルが漏れた箇所のナットを増し締めしてガスを追加したが、また数日でエアコンが効かなくなった。このままでは温室効果ガスをまき散らし続けることになる。地球によくない。どうやら一回外さなくてはダメなようである。
ビートを持ち上げて、コンデンサー周辺を確認する。オイルに蛍光剤を入れておいたので、UVライトで漏れ具合を確認する。ホースの下の方まで濡れるほど、オイルが盛大に漏れていた。ナットを緩めてホースを外す。外したOリングの外周には傷がつき、痩せていた。どうやらOリングのサイズが合っていなかったようである。
パーツリストによると、この場所は「1/2インチ」のOリングが指定されている。Oリングの径は通常内径で見る、と専門業者のウェブサイトで見たが、それだとパイプの内径と比べて1mm以上大きいOリングを付けることになり、大き過ぎる。実際、ちょうど手元に純正の3/8、5/8のOリングがあったのでノギスで測ってみたところ、表記の値は内径と外径の間くらいだった。
そのため今回は、内径と外径の間の値が1/2インチ程度となるOリングを選定した。なお、この場所はコンプレッサーからコンデンサーの入り口に繋がる、ガス圧がかかりやすい場所であるため、純正相当と思われる134a対応となる黒色のOリングを入手し、使用した(他の場所は緑色)。緑色のOリングは触った感触が「ぷにぷに」しているが、黒色のOリングはしっかりとした「コシ」がある。元々付いていたOリングも黒色だった(R12対応)。同じ134a対応とはいえ、黒色のOリングが推奨される理由はこの材質ゆえなのかもしれない。(続く)
Posted at 2025/07/17 13:47:00 | |
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