1978年のカタログから（メルセデス総合）

本当はカタログで振り返るシリーズのまとめをしなければならないのですが、珍しいカタログが棚の中から発掘されたので、番外編を挟むことにします。

タイトルの通り、今から36年前となる、1978年のメルセデスベンツのカタログになります。

国産車であれば、何となくも含めて、ほぼカタログの種類は解っているつもりなのですが、輸入車となると不明分も多く、このカタログに関しても、本カタログなのか、あるいは総合カタログなのか、未だに分かりません。


頁数も多いので、早速中身をご紹介していきます。
2015/5/12　画像を全て更新すると共に一部追加をしました。



最初の見開きでは、貴重品＝メルセデスの高価な理由が書かれています。
どれほど高価だったのかは、後に出てくる価格表をご確認くださいませ。





当時の、最廉価（と書きつつも相当なお値段ですが）である、230、240D、300Dの頁です。
W123が登場して日も浅い頃なので、廉価グレードはまだ丸目でした。





6気筒DOHCを搭載の280Eと登場早々の280CEの頁です。
まだセダンとクーペのみで、ワゴンはこのカタログの発行後まもなく300TDのみ登場することとなります。





280SE。ＳクラスはW116の末期でした。
上には、外観写真と共に前頁で解説されているエンジンの画像。
下の内装画像は、本国仕様のため、ＭＴだったりします。





4.5LのV8を搭載したW116の最高峰である450SEと450SEL。
当時のセダンの最高峰であることも意味していました。
この上となる450SEL6.9は、正規輸入されていませんでした。





クーペラインの最高峰、450SLと450SLC。
SLCは、SLをベースにストレッチした５人乗りですが、この代のみで終わります。

・・・スリーポインテッドスターをグリルに違和感無く収められるのは、やはりツアラー系、しかもこのクラスだと思うのです。


以下は、知識が追い付かないため、最小限の説明のみにて。









当時は、ジンデルフィンゲン以外の工場を持たなかったことを推測させる内容です。
現在の”星”の仕上げ方法が気になります。





初見で驚いたのが、90度バンクでした。
この”垂直の壁”は、YouTube等で現在も使われている様子を見ることが出来ます。





哲学に近い安全理論が書かれています。
「シャーシはエンジンよりも速く」というフレーズは、よく使われましたね。




各種安全装備の紹介です。
フロントピラーモールディングやテールライトは、この形状に影響を受けた他車が散見されますね。





国産車のカタログを見慣れた目には、馬力がないように思えましたが、これは、DIN表示のため。当時はとても大きい車に見えましたが、W123はW205に、W116はW212に近いサイズになります。





当時の価格表です。
ガソリン車最廉価の230が530万円。現行E250は599万円ですから、メルセデスは物価の優等生？　いやいや、雲上だったクルマが地平に降りてきたのです。

ちなみに当時のクラウン2600ロイヤルサルーン（最上級）は約260万円、センチュリーでも約400万円。当時の価格を現代に換算すると、2.5倍から3倍にはなるんじゃないでしょうか。（その後の調査により、国家公務員の初任給比では1.9倍となることが判明）

当然全車（自動車税が下がる前の）3ナンバー、しかも左ハンドルのみという具合ですから、本体価格以外も障壁が多く、一般的な選択肢の一つとはとても言えません。


当時はスーパーカーブームが収束に向かっている頃でしたが、セダン好きの私には、４ドア最上級の450SELなんてフェラーリ同等の存在に思えたものです(笑）。

こうして見ると36年という時間の経過を感じずにはいられません。
当時のＴＶ番組に当て嵌めると、ガンダムはファーストが開始直前、西部警察はおろか、大都会PART2がようやく最終回の頃なのです。