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2015年08月19日

1986年のクイント インテグラ 4ドアのカタログ

1986年のクイント インテグラ 4ドアのカタログ ようやく忙しさの山は越えつつあるものの、まだ山を下りきっていない状態のため、今回も前回同様、ストックネタからの紹介となります。

少し前にクイント インテグラのオプションカタログを取り上げた際に(リンクはこちら)、一緒に取り込んでいたものですね。

オプションカタログ編で紹介した通り、1985年2月に3ドアハッチバックのみで登場したクイント インテグラは、同年10月に5ドアハッチバックを追加しています。

これでシリーズが完成したと思っていたら、その翌年となる1986年10月には、4ドアセダンが追加されることになるのです。(当時のプレスリリースはこちら

今回はその4ドアセダン登場時のカタログとなります。発行は1986年12月です。



最初の見開きは、トップグレードのGSiのサイドビュー

リヤドアを5ドアから流用しつつ、リヤウィンドーのラップラウンド量を減らすことで、リヤオーバーハングを僅か30mm延長したのみで、4ドアセダンを成立させています。






続いてもトップグレードのGSi
この角度からだと、5ドアと見分けるのは難しいでしょうね。

ホワイトやシルバーが多く売れた印象で、このライトグリーンはあまり見かけることはありませんでした。





この4ドアは、従来のバラード セダン(オプションカタログ等へのリンクはこちら)の後継車種という位置づけもあったため、3ドア&5ドアと共通の1600ツインカムに加えて、バラード セダンが搭載していた1500SOHCを搭載したグレードも設定されていました。

画像はその1500の上級版となるVX。おそらく最多量販グレードだったと思われます。





5ドア同様に、1600DOHC+キャブを搭載した、上級版のGSと普及版のZSも設定がありました。GSは、VXに続く量販グレードかと。

5ドアのイメージを受け継ぎつつも、リヤセクションはかなり作り変えられています。
Cピラーの傾斜が緩いことから、トランクリッドの前後長が限られるため、リヤの開口部をテールランプ部分で広げつつ、バンパーレベルまで下げています。さらに、リヤランプが小型化したことから、高さ方向を広げると共にリヤガーニシュを追加。
これらの結果、インテグラシリーズよりも上級車のビガーに近いリヤスタイルとなりました。





インテリアデザインは、固定式とされたリヤシート以外、3ドア・5ドアと基本的には共通でした。
上級グレードは、シート地にフルモケットを用いながらも、決して過剰華美とはならないのが、当時のホンダ流儀。

構造的には、リヤシートを可倒式とすることも可能だったと思われますが、その機能を望む向きには5ドアをどうぞ、という割り切りだったのでしょうね。





メカニズムの紹介です。
こちらも先述の1500ccエンジンが追加された以外は、3ドア・5ドアシリーズと共通でした。





1500が2グレード、1600が3グレードの計5グレードで構成されていました。
カタログ掲載順で1500が先に来るのは、1500を売りたかった感の表れでしょうか。もっとも、VXとRXの装備差が大きかったため、ZS同等の中間グレードを設定しても良かったかもしれません。





主要装備一覧と主要諸元表です。
全長4,380mm × 全幅1,665mm × 全高1,345mmというボディサイズは、現在のグレイスのサイズである全長4,440mm × 全幅1,690mm × 全高1,475mmと比較して一回り小さくなります。
特に、全高の1,345mmは当時のセダンとしても低い方でした。低いの代表格だった初代カリーナEDでさえ、1,310mmという高さだったのです。

さらに車両重量は、880kg ~で全車1,000kg以下。そこに1600のDOHCを搭載すれば十分以上の速さとなるのも当然ですね。





主要装備と裏表紙です。
このクルマこそ、ヤングカップルが似合うクルマだったと思うのですが、CMキャラクターでそれを訴えることはありませんでした。





最後に、価格表を掲載します。
1500はカローラやサニーの中上級グレードとクロスしつつ、1600はカリーナ&コロナ、ブルーバード等の中級グレードと競合可能な価格という、中間車格を生かした価格設定でしたね。



それでは、最後に諸考察

クイント インテグラの販売台数の推移を年を追って記載していくと、 
 ・1985年:28,363台
 ・1986年:32,671台(セダン:7,401台)
 ・1987年:15,034台(セダン:28,094台)
 ・1988年:11,194台(セダン:17,304台)
となります。
(販売台数は、月刊自家用車誌に掲載された自販連調査の新車販売台数から引用)


セダン追加以降、クイント インテグラの販売の主流がセダンに移ったことがはっきりと表れた数字です。セダンの追加によって、1987年はクイント インテグラの全体台数も引き上げられています。翌1988年は台数が落ち込んでいますが、これはベースとなったシビックが新世代に移行したり、同クラスにコンチェルトが登場した影響のためと思われます。

この時の結果が、5ドアから4ドアに軸足を移す契機となって、次世代以降は3ドア&4ドア(これはセダンではなくハードトップとなりましたが)というシリーズ構成で続いていくこととなります。

またその台数は、セダン追加と同時に販売中止となったバラード セダンの台数を補って余りある台数だったのですから、このボディ追加は大成功だったと判断して良さそうです。


さらに個人的な見解ですが、従来あくまでもファミリーセダンが主流だった1500~1600ccのセダンをパーソナル寄りに成立させる契機となったのは、このクイント インテグラだと思っています。ヤングカップルあるいはシングル族が乗っても違和感のないセダンという意味では、貴重な存在でありました。

直接の影響としては、1988年登場の170カリーナ(特に1600シリーズ)が一番影響を受けたように思いますが、さらに範囲を広げると、プレセアやセレス/マリノのコンセプトもここからの影響を受けているように思うのです。


現在のグレイスもファミリーセダンというよりは、パーソナルサルーン寄りだと思いますが、ヤングが乗っても似合うという観点では、このインテグラにはまだまだ追いついていない感があります。このクルマも現在流の再翻訳が望まれる一台なのです。
ブログ一覧 | カタログ話(雑談編) | クルマ
Posted at 2015/08/19 21:28:23

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この記事へのコメント

2015年8月19日 22:02
こんばんは。

クルマのキャラクターもさることながら、初代インテグラ="山下達郎"氏のCMソングが個人的に強いです。何となくその辺から、爽やかなヤングカップルが似合いそうなクルマだなぁ、と子供ながら想像してましたね~。

そんなイメージ、最近のインプレッサのCM (こちらもモロにヤングカップルですが) でも感じてしまいます …インテグラと関係ないですね(苦笑)

失礼しました~(^_^i)
コメントへの返答
2015年8月19日 22:18
こんばんは

オプションカタログ編で話題となったのですが、ヤングカップルが似合う印象には、3ドアからシリーズを始めた影響もあるのでしょうね。4ドアからスタートしていたら、ヤングファミリー色がもっと強くなった気はします。

インプレッサのCMを最初に見た時は、30年の時を超えて再現されたのかと疑いました(笑)。作成の過程では、インテグラを意識したのは間違いないと思います。個人的主観の前提で、全体の世界観としては元祖に一票ですが。
2015年8月19日 22:14
現在流の再翻訳、自分もそれを望みたい絶妙な立ち位置の車です。クイントインテグラは当時のホンダらしい、ホンダにしか出来なかったクルマだと思います。セレス/マリノとも、S-MXやbBとも違う媚びていないワカモノ向けというか。
何といえば良いか、アウディのデザインを一言で表現出来ないのと同じように的確な言葉が見つからないのですけれど、クイントインテグラのクラスレス感というのは確かに今迄後継が出てきてないんですよね。

で、こういう事を考えると何時も自分はプリウスのSグレードの価格設定が巧みであることに行き着いてしまいます(笑)
コメントへの返答
2015年8月19日 22:26
こんばんは

やや小ぶりなサイズながらも、クラスレス感があって、生活感をあまり感じない。このサイズでは絶妙なキャラクターだったように思います。
理解したワカモノが乗ると知的にも見えましたよね。実はアウディというコメントでハッとしまして、A3セダンが近いのではと思うようになりました。残念ながら、あのキャラクターを持ち合わせた日本車はありませんね。

プリウスSは、もっと台数が少なければクラスレス感がいい感じだったのですが、これだけ増えるとスタンダードに化けてしまったのかなぁと。250万円弱という価格設定は、過去のマークIIグランデにも似て巧みですよね。
2015年8月21日 21:39
こんばんは

4ドアセダンはビガーにとてもよく似ていますね。3ドアはミニプレリュードの印象がありますので、クイントインテグラの外観デザインはベルノ店二車のイメージを上手に取り入れたと感じました。

全高がカリーナEDより35mmしか高くないのですね。グラスエリアが広いので、全高が低いように見えませんでした。
コメントへの返答
2015年8月21日 22:19
こんばんは

リトラクタブルライトの低いボンネットとハイデッキのトランクの組合せは、ビガーの印象に通じますね。
ファミリーセダンとしてみると、背の低さ(ビガーでも1,355mmしかありません)がウィークポイントになりますが、パーソナルサルーンとしてなら、むしろ長所に転じます。
そういう点からすると、クイント インテグラの方が適合するパッケージングだったかもしれませんね。

他社よりもスカットルが低いのが、この時期のホンダ車の最大の特徴でした。その恩恵でグラスエリアが広く取れていましたね。
2015年8月25日 23:58
こんばんは。

セダンもなかなかスタイリッシュで、少なくともシビックのセダンよりは相当スタイリッシュでしたね。ただグラドシビックに移行してからは、形勢が逆転しましたけど。

私はインテグラで1.5Lを登場させたことは正直否定的でして、販売面では間違いなく成功したと思いますが、インテグラという車の車格が下がったなぁと思っていました。まぁ後のDA型でまた1600に戻りシビックと差別化できましたけど・・・。

このインテグラ、それも1500ccモデルは車検等でよく代車として乗っていたのですが、やはり汎用エンジンならではの軽いフィールがそのまま車のイメージとして私の中に残ってしまっているのが残念です・・。でもカッコよかったんですよね。
コメントへの返答
2015年8月26日 6:08
おはようございます

この4ドアは、シビックよりも40mm低くて、さらにリヤピラーを寝かせていますから、居住性よりもスタイリング優先のパッケージですよね。このクラスの4ドアで、スタイリッシュということだけでも、とても新鮮でした。

1.5Lは、バラードセダンを失う販売店要望からの設定だと思われますが、なるほど車格という観点では微妙ですね。シビックの上級車というよりも兄弟車的な見方になってきます。
税制が1.5Lが境目になっているため、1.5Lでお買い得感を強調するのか、1.6Lで上級を訴えるのかは難しい点であり、設定に失敗した車も多かったのですが、ホンダは1.6Lで成功した数少ない社ですね。

1.5Lのセダンだと、自分の経験からしても代車事例が多そうに思います。比較対象をZCやB16Aにしてしまうと厳しいのも事実ですが、同クラスの中ではまだフィーリングのいいエンジンだったかもしれません。若者にも似合う1.5~1.6Lのセダンというだけでもエポックな存在でしたね。

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