
皆様、明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願いいたします。
愛知県ではA型インフルエンザが流行っているみたいです。
手洗い、うがいはマメに、マスクはしたほうが良いですね。
ちなみにみんカラ担当者は39度の熱が出まして見事A型インフル的中
初出社が本日になりました^^A
さてさて、今年のブログ第一弾としまして
新型マフラー開発ストーリーシリーズ
を掲載していこうと思います。
今回は
メルセデス・ベンツ W176 Aクラス です。
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W176新型Aクラス。フルモデルチェンジとともに全く新しくなり従来では考えられないレベルアップをしてきました。小型車の活況がこのセグメントを盛り上げメルセデスも本気で作ってきた力作だと思います。発売するとすぐに全世界で20万台の受注、半年待ちというヒット商品となりました。最上位にはA45AMGがあり幅広いユーザーから憧れの的としてドレスアップも活況になる車種ではないでしょうか。
これは私もすぐに開発したいと思っていました。
しかしなかなかA45AMG純正パーツが揃わず、ようやく開発を終えましたので皆さんに伝えたいと思います。
ご存じのとおりA180,A250はテールがある普通のマフラー。A45AMGだけテールレス専用ディフューザーの恰好良い、全然外見の違う形をしております。これでは普通のマフラー交換タイプを作ってもユーザーの求めているマフラーではないと思います。やはり憧れはAMGではないでしょうか?ならA45AMGルックになるマフラーを作ろうではないか!こうして開発を進めていきました。
まずノーマルを調べます。AMGルックのスポーツパッケージを外装オプションで選んでいればA45の専用リアアンダースポイラー、テールカバーが装着できそうです。
展開図面、品番をよく調べて行くと更にテールカバーブラケット、専用ボルトなどが必要そうです。ここで全ての部品を発注しました。もし装着出来なかったら水の泡になります。どうかボルトオンで装着出来ます様に!!
ここからが大変で、部品が全然来ない。本当に来ない。初期ロットがドイツから来るのに4か月も掛かりました。更にリアアンダースポイラーは3万円位でお値打ちなのにテールカバーが片側63,000円!!左右で126,000円!!絶句です。したがって全部部品をそろえると155,000円程になります。これでマフラーを合わせると本当に売れるかな?不安になってきました。
それでは開発を進めていきます。
まずはノーマルマフラーから。



なんと一番前の部分、フロントパイプからリアエンドまで一体ではありませんか!また絶句です!!これでは他のメーカーさんは純正を切断してのリアマフラーのみを発売してくるだろうな?しかし二度と純正に戻らないこの方式は嫌ですし性能もあまり出ません。やはり完全ボルトオン、車検対応がシュレンザーの魅力と思いますのでフロントパイプ部分、純正結合部分から開発を進めていきます。
思った通り新形状の結合です。型を作り純正に合う結合部品を制作します。
今までのメルセデスはこの部分にガスケットがなかったのですがこのAクラスからはガスケットが付いています。国産と違い外車はこの部分に対する考え方がラフで完全な気密を求めておらず、ガスケットすらないのですから今までは少しの排気や水が漏れていました。しかし今回は対策してきて国産並みの気密精度となっております。
まずはフロントパイプから。
ここにサブタイコがあります。スペースもかなりあるので純正同様サブタイコを入れます。
ここが純正の隔壁構造かシュレンザーのストレート構造かではパワーアップが全然違いますので、いくらリアピースをよく作っても純正の中間タイコがある限りシュレンザーにはかないません。また純正パイピングは所々潰れていますので潰れなくスムーズにパイプレイアウトを作っていきます。
長いので3ピース構造として装着もメンテナンスも楽に出来る様なマフラーにしました。
リアピースを作る前にリアアンダースポイラーをA45AMG用に交換します。
これが凄く難しい。個人でできる範囲を超えていますのでプロショップに依頼してください。純正を取り外すのにリベットが多数使われているので大変で、私は後から簡単に交換出来るようにボルトナット式にします。遮熱版やカバーなど全部はずして最後にリアアンダースポイラーを外しますがこれが手が入らなくて外しづらいです。擦り傷だらけになって何とか外しました。

後はAMG部品を装着、見事ボルトオン装着出来ました。

最後にリアピースを作ります。
タイコへのパイプの入り口がタイコ側面に直接入っておりさらに真ん中ではなく右寄りから入っています。私自身真中から入れたいのですがスペースが無くて(オーバーハングが無いので)無理で仕方なく純正同様右寄りから排気を入れます。しかしこれでは右側タイコ部分の容量が無く右側の排気音が大きくなってしまいます。したがって右側はオリフィス式の消音構造、左側はTB用ストレート構造で制作しました。左右の流れる排気量の体積を足してメインパイプ径の容量と同じか上回る断面積でなくてはなりません。せっかくのTB車ですから伸びの良い加速を楽しみたいです。
構造に苦労しましたが完成しました。しかし綺麗ですね!A45AMGディフューザーにピッタリフィットしています。
純正タイコより低い位置にタイコを持ってきて後ろからでもきらりと光るシュレンザータイコがよく分かるようにセットしました。しかもリアタイヤ後ろの純正バンパーの一番低い部分よりリアタイコの方が高く作ってありますので輪留めにも当たらないでしょう。マフラーは見せる部分も大切なドレスアップパーツですので私のこだわりです。


この状態で近接騒音を測定したら左側が83dB、右側が85dBでした。右側をこれ以上絞ることはできないので仕方ありません。しかしほぼ揃いましたので満足、これで加速騒音試験もクリアーできるでしょう。
乗ってみると純正より明らかに変わって元気のいい排気音、加速の伸びが体感できます。さすがフロントからの全交換ですね。普通ステップアップしてようやく叶う全交換が最初から実現できるこのマフラーは最高です!
しかし何故あんなにもすぐにシフトアップしていくのでしょうか?すぐに1000回転になってしまい加速しません。せっかくマフラーがいいのにこのシフトプログラムはだめですね。今の車は環境のために仕方ないのでしょうね。常にスポーツモードで運転しました。
大満足して試乗が終わり、近いうちにパワーチェックをしてきたいと思います。その時に結果を記載しますのでどうかご期待ください。
マフラーの定価はフロントパイプから全てにもかかわらず10万円台、198,000円で販売いたします。かなり頑張った価格なので皆さんぜひ体験してください。オールステンレスは288,000円です。
さらにノーマルバンパー用マフラーも完成しました。
純正出口にしっかりフィットするテールはBOかBO2です。ツバの薄いスポーティなBO、ツバの厚いお洒落なBO2、好みによって選択できるように2ラインナップします。更に新開発チタンコーティングバージョンも登場です。オプションでお選びください。
横置きタイコで左右出しと大きいマフラーなのでテールを含めてリアピースを一体式にするとどうしても左右のバランス、傾き、左右の出具合が溶接によるひずみ及び車両誤差、取り付け具合などにより揃わないことが多いのでテールは初めからスライド式にします。これなら自由に傾きも出具合も調整できますので完全にそろえられます。左右のバランスって大切ですよね。
そして完成!
スライド式テールを採用したため完璧にマッチします。
価格はハーフステンレス218,000円、オールステンレス308,000円です。
チタンコーティングは1本6,000円UPにて制作いたします。
続いて250
排気量が大きいのでメインタイコの内部構造を大きくし、オリフィス構造も無くし、パワーアップに備えます。しかし右側の容量が小さいので左側の通路を大きくして排気ガスを左に多めに持っていき、しかも共鳴効果を使い排気音量を下げます。これで加速騒音試験も大丈夫でしょう。詳しい構造は企業秘密にしてください。
見栄えは同じですが全くの別構造となっております。価格は企業努力によりA180と同じです。
続いて250 4マチックです。
これはリアタイヤを駆動するためにプロペラシャフトがありますので完全に別構造となります。フロント部分にはタイコが無く中間部分に薄型のタイコがセットされます。
この部分非常に興味深いことにノーマルは同じエンジンを積んだCLA,GLAとは構造が違います。GLAはフロント部分、中間部分、リア部分にすべてタイコがあり3つ。CLAは中間とリアで2つ。Aはリアのみで1つです。なぜか首をかしげたくなる構造。だからAクラスが一番音が大きい。車の車格、重量によって細かくすみわけされているようです。


価格はノーマルバンパー用がハーフステンレス218,000円、オールステンレス308,000円です。
A45 AMGエアロ用はハーフステンレス208,000円、オールステンレス298,000円です。
最後までお読みくださりありがとうございます。
乱筆お許し下さい。
株式会社 ジースプロジェクト
代表取締役 澤村 淳
次回はポルシェ911ターボ^^ 乞うご期待 byみんカラ担当