33歳でブガッティを支配下に置いた男

昨年末から気になる人物がいます。

ブガッティを配下に置いたメイト・リマック氏です。

長文になりそうですので、興味の無い方、既に御存知の方はスルーして下さい。




メイト・リマック氏は1988年にボスニア・ヘルツェゴビナのリブノで生まれ、

彼の最初の発明特許の1つは、マウスとキーボードの代わりになる

デジタルグローブ「iGlove」。

2006年（18歳のとき）に1984年製BMW 323i（E30）を購入し、

ローカルレースへと参戦開始。

彼にとっての最初のEVがその時の「リマックe-M3」。

600馬力の電気モーターを使って競技用EVを試作。

メイト・リマックが「リマック・アウトモビリ」を設立したのは21歳、

クロアチアにて2009年に創業したEV専門の若い会社。





アラブ首長国連邦の王室からの資金提供やその先進性に

投資家が次々と投資を行い、膨大な資金を得て2011年に

「リマコンセプト・ワン」をフランクフルト・モーターショーで

1,224馬力を誇るハイパーカーとしてデビュー。

大きな話題を呼ぶものの、製造されたのはわずか9台程度。

しかし、

コレを見たポルシェやヒュンダイ等が出資を行い、

他の自動車メーカーもリマックに対して技術開発を委託したり、

技術を提供してもらうという環境ができあがり、

自動車業界で独特な存在となりました。

2018年3月に後継となる「C_Two」の発売をアナウンス。

こちらは出力2000馬力、0-100キロ加速1.9秒、最高時速412キロ、

航続可能距離650キロという規格外の性能を発揮する。

しかもバッテリーの80％をわずか30分で充電できる、というオマケつき。

企業価値は1兆円を突破しており、「自動車メーカー」としてはバズってます。






その後に今回の「ブガッティとの合弁会社設立」を発表。

なお、リマックの目的は電動スーパーカーやハイパーカーの生産・販売ではなく、

「すべての主要メーカー、特に新しい高性能EVの開発を目指すメーカーに

とって、電気自動車および電動化システムの主要なサプライヤーになること」。

エレクトリックパワートレインの製造や

他社への供給をビジネスの大きな柱とし、

「今後はほか自動車メーカーのためにエレクトリックスポーツカーの

製造を請け負ってゆく」、とも述べています。

また、自社のコンポーネント、技術の優秀さを示すために

作ったのが「電動ハイパーカー」と言っています。








リマックの本社社屋の場所は創業者メイト・リマック氏出身の地でもある

クロアチア（ザグレブ近郊）で、敷地面積7万平方メートルを誇り、

従業員は2500人はバッテリーやモーターの開発・製造です。






現在、リマックは販売網を世界中へと拡大中。

フランス、スペイン、ドイツ、アジアだと中東、シンガポール、香港、日本、中国（上海）。

アメリカ大国だとメキシコ、そしてアメリカ合衆国には「10」の拠点。


ポルシェの重役、ルッツ・メシュケ氏は「リマックの優位性は、

ハイボルテージ・バッテリーとエレクトリック・

パワートレーンだ、加えてその制御技術

（システムとクルマとのインターフェース）も高いレベルにある。

（ポルシェ曰く”テスラのソフトウエアは信頼性が低い”）

それこそが我々がリマックとのパートナーシップを

結びたいと考えている理由だ」とコメント。


なおリマックはアストンマーティンのハイパーカー「ヴァルキリー」に

採用されるKERSのバッテリーを担当すると報じられたこともあり、

さらにC Twoの開発にあたっては中国企業から数十億円レベルの

融資を受けているとも。



（参考）
提携関係にある自動車メーカー(2021.08)

• メルセデスAMG
• アストンマーティン
• キュプラ
• フェラーリ
• ヒュンダイ
• ジャガー
• ケーニグセグ
• マグナ・シュタイア
• メルセデス
• ピニンファリーナ
• ポルシェ
• ルノー