yasu兵衛さんのブログ一覧

　ちょっと古い映画なんだが、とある動画を見て思い出したので書いてみる。
　X-men
　単なる勧善懲悪のヒーロー物か、と思ったら、かなりの良質の映画だった。
　話の柱は、ユダヤ人迫害と人種差別。
　悪役の親玉はユダヤ人で、母親の愛情がもっとも必要な４～５歳のときに,
ナチスによって引き離された。その後の母親がどうなったかまでは、映画の中では語られていないが、さて、、、
　人種差別問題も、善側も悪側も、ミュータントだという理由だけで迫害され続けている。超能力をもっているから悪だと言って。超能力で世界を支配する気だという、被害妄想で。
　黒人奴隷とインディアン大量虐殺の歴史をちょっとでも調べれば、この映画のテーマとリンクしている。
　見たくない重い過去のはずなのに、なぜかこの手のテーマがハリウッドはお好きなようだ。
　物語のストーリーは、お得意のお姫様救出作戦であるが、しっかりとした別の「差別」というテーマを持たせている。

　そのお姫様救出ストーリーもベタなわけだが、シンプルで映画としてわかりやすい。
　触れた相手の記憶と能力を吸い取ってしまい、相手を死に至らしめる可能性もあるために、他人との接触もスキンシップも不可能になってしまった、悲しい運命の思春期のお姫様。
　その子を救出するお相手は、自分には（この映画の中では）人間として、残り少なくなってきた愛情とやさしさの、すべてを捧げたお姫様を助けるべく、ドロドロになりながらも救出しようとする男、の物語。
　映像も音楽も、安っぽさや手抜き感はまったく見られない。
　アメコミは嫌いだけど、この映画はよい。ワシは好きだ。
　ヒマなら見てみてはどうでしょ？