2022年10月24日
T-ROC R: 慣らし運転中
・外観
T-ROC Rラインとほぼ同じ。Rだという特徴に乏しい。スポイラーぐらい大きなのをつけておくれよ。標準車と全く同じなんだもの。
リアもディフューザー的な意匠がショボくて,のっぺり。
タイヤハウスに整流のためのフィンが着いていることだけがプチうれしい。
DRLは,なんとヤリスクロスと同じデザイン。これだけはやめて欲しかった。
国産SUVと全体的に実に良く似ている。とてもじゃないが630万のクルマには見えないなぁ・・・。
ただ標準車で未塗装の黒樹脂がほぼ塗装されているので掃除は楽です。
フロントはフォグを廃止して,空気取り入れ口にするのは,いつものRのデザイン。おかげでブレーキ冷却はバッチリだわ。
ただフォグはないのに,夜間はとても見やすい。縦型のLEDが,手前下と左右斜め前方向の地面をけっこうな光量で照らしているのである。これはなかなか・・。
もちろんコーナーリングライトは装備しているけど,その設定メニューがない。
タイヤはハンコックでトレッドウェアが240のもの。これ,なかなかいいです。
ventus s1 evo2 RO1は,アウディ認証のものですな。
前後ドアの隙間がゴルフのようでゴムで埋められていないのが寂しい。市販のゴムをつけたら,開閉音が良くなりました。
リアハッチは,リアバンパー下で脚を蹴るような動作をすると自動で開閉します。素晴らしいのは,閉まるときに,障害物があると自動で止まること。こりゃ安全。
ただ荷室はとても狭い。ただでさえクーペスタイルのT-ROCは荷室が狭いのに,四駆になったことで,荷室の床面を下げられなくなってしまった。ここだけ実用性が劣る。
・室内
夜間は暗くて泣きたくなる。明らかにゴルフ8の方が上である。ルームライトのスイッチはミラーの上にあるけど,夜間は暗いままで,どこにスイッチがあるのか全くわからない。ドリングホルダーの照明もない。
まあゴルフ8よりも物理スイッチが多いのは良い。アイドルストップキャンセルボタンもある。
しかし,やはりVWのインフォティメントシステムはひどいものだ。少しはメルセデスを見習って欲しい。
ユザープロフィールを読み取るのにやたら時間がかかる。まあゴルフ8よりはましだな。
驚いたことに,GTIよりもずっと大きいパドルシフトがついている。エクステをつける必要が全くない。さらにシフトレバーでもシフトできるのに・・・。GTIのあのショボいパドルはなんなんだ・・・。
ハンドルのスイッチには電話関係のボタンがなくて困った。また一発でレースモードになるスイッチは大変便利だけど,もう一度押したら元のモードに戻るようにして欲しい。
左右のフットレストはゴルフよりも縦長で,ゴルフ用のものが全く合わなかった。しくしく・・・
静かなクルマなのでラジオの音もよく聞こえます。
ただ音量調整スライダーが縦方向で調節するようになっているのがイラッとする。水平方向にしてほしい。
アクティブインフォディスプレイは第2世代のもの。やはり第1世代のものの方が良い。ゴルフの第3世代は微妙だけど。
・走行性能
まず,車高が高いためか,ロードノイズはとても低く抑えられている。実に静かなクルマ。エンジンカバーはリコールで取り外されているけど,エンジン音も排気音もほとんどしない。デートカーにも使えるレベル。レースモードしても,実に静か。実に控えめに「バふっ」という音の演出がある。GTIも静かだと思ったけど,それよりもはるかに静か。爆音のTCRが懐かしい・・・。
シートは,運転席だけが電動。そのためか,運転席は助手席よりも乗り心地が悪い。路面のインフォメーションを伝えてくる。運転席の乗り心地は,路面が良ければ最高だが,悪路だと良くない。それはまるで最近のベンツ車の乗り心地のよう。ただ,突き上げの衝撃はそれほどでもない。レースモードにしても,乗り心地への悪影響は特に感じられず,かえってレースモードの方が「コスパが良い」と感じてしまう。これレースモードを積むVW車の中では最高の乗り心地だよ。もちろんGTIのスポーツモードよりも良い
標準車と同じくT-ROCは,大変ロールが少ない。SUVが嫌いなボクが乗れるぐらい良好。SUVの中ではピカイチだと思う。TiguanRやGLA,マカンでは乗り物酔いしてしまう。
ハンドルは,スポーツにしても軽々で好きではない。コーナでは気をつけないと切りすぎてしまう。もっともっと重くして欲しい。
驚くのはエコモードの使い勝手の良さ。これまで乗ったRは,すべてエコモードだと,クソ遅かった。718もそうである。しかし,このRは,エコモードでも軽々と発進する。
この軽快さはGTIみたいだ。車重を全く感じさせない。
そして驚くことに,エコモードで峠も行けてしまう。もちろん満足なパワーはないが,我慢できるレベルである。つまりほとんどの場面でエコモード一択でOKなクルマである。
だが,燃費は良くない。法定速度で高速を100キロ走った燃費が12キロ台。ほぼGLA45の燃費だなぁ。
ACCは気をつけなければならない。ハンドルのACCボタンを押すとトラベルアシストが起動するが,もう一度押すと,普通のACCになってしまうのである。なんでこんな機能がついているのか理解に苦しむ。
トラベルアシスト時は,再発進が自動だ。前走車が発進したら自動でついて行く。
燃費が悪い分,走りは良い。718のように,アクセルを離すと強力なエンジンブレーキがかかるので,実に運転が楽である。
レースモードでアクセルを踏み込むと,おもしろい動作をする。2000回転ぐらいまでは,リニアに加速し,その後,爆発的に加速するのである。まさしくドッカンターボである。違いはターボラグがないこと。ただ,ドッカンがくるので運転は気を遣う。ゴルフRと比較して,加速のパンチ力は乏しいが,リニアに加速するので,あまり困らない。
カーブや強加速時では,リアから押される感じがする。これは718やGLA45と同じだ。ハルデックスの制御はこんなにも良くなったのか。この制御は7.5Rよりも進化している。
しかしTiguanR のハルデックスが積むリアトルクベクタリングがT-ROC Rには搭載されていない。よって,コーナーリングのスムーズさにはティグアンよりもちと欠ける。もっともそれで何か困るのかというと,何も困らない。ホイールベースが短いのでよく曲がります。最初は着座位置が高いので恐怖でしかありませんでしたが,慣れれば平気。
鼻がよく入っていくし,大きなアンダーも出ない。だからこそ,ハンドルが軽いのには困る。微妙な操作が要求されるのである。ロックトゥロックは2回転だろうから,余計にハンドルは重くして欲しい。
慣らし中は4000回転以下が基本なので,2速は使えない。減速時は,「シフトアップしてブレーキを踏む」という不思議な動作を強いられる。
しかし4000回転での峠はらくちんなんてもんじゃない。GTIはつくづくなんと忙しいクルマなのかと思ってしまう。
とにかくロールがほぼないのでGLA45よりもティグアンRよりも峠道はたのしい。
ブレーキはとても優秀。リアブレーキがちゃんと機能してとてもよい。ブレーキ性能はGLA45よりもはるかに良い。実に安心感に満ちてブレーキを踏める。
ちと気になっているのが低速でのDSGのギクシャク感。
■総評
実にデートにも使えるRです。万能感は半端じゃないなぁ。
ただRらしいところのない外観とスムーズな加速と元気なサウンドで,ちとゴルフRが懐かしくなることも否定できません。
慣らし終わったら,実力を見せてもらいましょう。もう来シーズになってしまいそうですけど。もう峠では「低温警告」が出ますし・・・。
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Posted at
2022/10/24 13:59:41
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