タクシーで舞鶴地方総監部に向かいました。
ここには海軍記念館があって見学を申し出ると中に入らせてもらえます。
自衛隊基地に入れるなんてちょっとドキドキです(^^)
海軍記念館には大日本帝国海軍の資料約200点が展示されています。
その中でも特に目にとまったのが第六潜水艇事故の佐久間艇長の資料を読むと目に熱いものを感じました。
不慮の事故で岩国沖に沈底してしまった第六潜水艇ですがまさに艇内の空気がなくなって絶命する直前まで乗組員全員が持ち場につくか復旧作業についていました。
潜水艦の事故といえば死への恐怖から将棋倒しや乱闘になった状態で絶命するまさに地獄絵図となります。
ですがこの第六潜水艇では誰一人そのようなことはせず配置についたまま絶命という状態だったそうです。
佐久間艇長は絶命するその瞬間まで艇内の状態を詳細に手記につづり、また乗組員の家族が困窮することのないよう取り計らってくれるよう遺書を残しています。
この見事な最期は世界中で話題になり、英国では潜水艦乗りの鏡として教本にさえなっているといわれます。
佐久間艇長はこのとき30歳だったとのことですが私とほとんど同い年にもかかわらずここまで自分の仕事に責任感をもって取り組む姿には心から尊敬します。
自分にもっていないものが何なのか少しだけ判ったような気がします。
さて広報の方にお礼を言って次は北吸桟橋(自衛隊桟橋)です。
ここではやはり見学を申し出れば桟橋に立ち入りができます。
目の前の護衛艦やミサイル艇、曳船群に鼻血でそう・・・・
写真も撮り放題で立ち入り禁止区域でなければ何を写してもいいとのこと。
幸せです♪
まずは護衛艦DD-154”あまぎり”(基準排水量3500トン)です。
”はつゆき”型の拡大改良型の”あさぎり”型の4番艦となっています。
前からの艦影が”はつゆき”型と似ているのがお分かりでしょうか。
”あまぎり”の側部。
門松がなんとも日本的でいいですね。
”あまぎり”を後ろから。
特徴的な2本のランテイスマストと巨大なヘリコプター格納庫と甲板がよくわかります。
武装はOTOメララ76ミリ62口径単装速射砲1門、RGM-84ハープーン艦対艦ミサイル発射装置、3連装単魚雷発射装置2基、ASROC発射システム一式、RIM-7シースパロー短距離艦対空ミサイル発射機1式、高性能20ミリ機関砲CIWSが2基、さらにSH-60哨戒ヘリコプターの搭載が可能です。
舞鶴の大型護衛艦2隻です。
左側はヘリコプター搭載護衛艦DDH-141”はるな”(基準排水量4950トン)、右側はミサイル護衛艦DDG-177””あたご”(基準排水量7750トン)です。
どちらも第3護衛隊群の護衛艦ですが、旗艦の”はるな”よりも”あたご”のほうがふた周りほど大きいことがわかります。
”はるな”の艦首から艦橋にかけて。
”はるな”は海上自衛隊初のヘリコプター搭載護衛艦でコンパクトな艦体でありながら大型のHSS-2対潜哨戒ヘリコプター(今はSH-60対潜ヘリコプター)を3機搭載できる世界でも類を見ない水上戦闘艦です。
”はるな”の艦首です。
2門の75式54口径5インチ単装速射砲が設置されています。
この速射砲は米国のMk42速射砲を国内ライセンス生産したものです。
”はるな”の武装はRGM-84ハープーン艦対艦ミサイル発射装置、3連装単魚雷発射装置2基、ASROC発射システム一式、RIM-7シースパロー短距離艦対空ミサイル発射機1式、高性能20ミリ機関砲CIWSが2基、さらにSH-60哨戒ヘリコプター3機の搭載が可能です。
”あたご”と”はるな”を後ろから。
”はるな”は護衛艦でも最もベテラン艦、”あたご”は現在就役している護衛艦では最も新しいタイプの護衛艦です。
艦体やステルス性を考慮したマストなど新旧の対比が面白いですね。
”あたご”はミサイル護衛艦”たちかぜ”の後継でイージスミサイル護衛艦”こんごう”の性能向上型として建造されました。
”こんごう”型に対してSH-60対潜ヘリコプターの運用が可能になったことと速射砲をOTOメララ127ミリ速射砲からMk45-mod4に変更したことがあげられます。
次は護衛艦DD-114”すずなみ”(基準排水量4650トン)と護衛艦DD-126”はまゆき”(基準排水量2950トン)です。
”すずなみ”の艦橋部分です。
”すずなみ”は”たかなみ”型汎用護衛艦の4番艦で従来の護衛艦と違ってシースパロー短SAMとASROC対潜ミサイルを垂直発射機VLSに装填していることが特徴になっています。
”すずなみ”と”はまゆき”を後ろから。
汎用護衛艦最新の”たかなみ”型と現在就役中の中で最もベテランの汎用護衛艦”はつゆき”型の対比が興味深いですね。
排水量は1.5倍の差ですが後ろから見るとそれ以上あるように感じます。
桟橋の対岸を見るとユニバーサル造船舞鶴のバースで数隻の艦艇が修理を受けています。
こちらは補給艦AOE-425”ましゅう”(基準排水量13500トン)です。
修理中ということで艦内には補給用の油脂類がないこともあって喫水線が海面の上まできていることがわかります。
護衛艦隊第1海上補給隊。
同じくユニバーサル造船舞鶴のバースに停泊中のミサイル護衛艦DDG-175”みょうこう”(基準排水量7250トン)です。
現在”こんごう””きりしま”がMD対応改修工事を済ませており、現在はこの”みょうこう”が、来年度は”ちょうかい”が受ける予定になっています。
ユニバーサル造船舞鶴で修理中の護衛艦DE-229”あぶくま”(基準排水量2000トン)。
近海警備用の護衛艦で同型艦が6隻就役しています。
巨大なマストとヘリコプターの運用を想定していない後部甲板が特徴的です。
DEは他の護衛艦と異なり短SAM発射機を装備していません。
ユニバーサル造船舞鶴で艤装中の砕氷艦AGB-5003”しらせ”(予定基準排水量12500トン)。
今年用途廃止になったAGB-5002”しらね”の後継として名前を引き継いでいます。
ミサイル艇PG-824”はやぶさ”(基準排水量200トン)とミサイル艇PG-828”うみたか”(基準排水量200トン)です。
平成11年に発生した北朝鮮の工作船事件を教訓に最高速力と耐弾性の強化と.50口径機関銃の装備が行われました。
両艇とも舞鶴地方隊舞鶴警備隊第2ミサイル艇隊の所属です。
”はやぶさ”の艇首に装備された速射砲です。
OTOメララ76ミリ62口径単装速射砲を1門装備しています。
これは”むらさめ”型や”あさぎり”型と同じ速射砲ですが写真のように砲塔にステルス性を考慮したシールドが設置されています。
”はやぶさ””うみたか”の艦尾に設置された艦対艦ミサイル発射機です。
ミサイルはハープーンではなくSSM-1B 90式艦対艦誘導弾を4基装備しています。
”はやぶさ”と”うみたか”を後ろから。
3本の煙突が目を引きます。
”はやぶさ”型はウオータージェットのガスタービンを3基装備していて最高速力は44ノットを出すことが出来ます。
こちらは油船です。
YO-33”油船33号”(積化重量490トン)とその同型艦”油船25号”型です。
こちらは曳船YT-72”曳船72号”とYT-94”曳船94号”です。
ともに曳船58号の同型船で基準排水量は260トンです。
”曳船72号”を横から。
赤い色のものは消火用の放水砲でしょうか?
”曳船72号”を後ろから。
全長30メートルに満たない小型の船ですが1800馬力の出力を出すことが出来ます。
さて最後は今回の一般公開で公開艦に指定されていた護衛艦DD-124”みねゆき”(基準排水量2950トン)です。
なんと見学のため甲板まであがれてしまいます。
門松が風流ですね。
”みねゆき”のASROC発射機Mk112です。
ASROCとはAnti Submarine ROCketの略でロケット弾に短魚雷を装填して発射するシステムです。
目標潜水艦近くになるとパラシュート降下して着水、目標に向けて突入していく西側の標準的な水上艦艇用対潜装備です。
”みねゆき”の右舷に設置された3連装短魚雷発射機です。
圧縮空気により短魚雷を海中に投射させるものです。
RIM-7シースパロー短距離艦対空ミサイル発射機。
シースパローはF-15やF-4戦闘機に搭載されるスパロー空対空ミサイルの艦載型です。
”みねゆき”の艦橋付近です。
筒状のものはRGM-84ハープーン艦対艦ミサイル発射筒になっています。
特徴的な巨大で太い煙突が目立ちます。
以上、舞鶴基地での一般公開の模様でした。
この後PXで
のお土産をゲットしてきました(京都チーズケーキだけは京都駅で買ったもの)
それにしても海軍カレーで舞鶴と佐世保でどう味が違うのか楽しみです。
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