先日、上記の画像をご覧いただいたら分かるように、FCRキャブレターの負圧による同調調整を実施しました。結果、見事に失敗。( ´∀`)
世の中、そうそうカンタンにいくもんじゃありません。やはり研究が必要です。負圧メーターを見ながら、下の写真のように、同調調整用の2つのネジを締めたり緩めたりするんですが、その構造がちゃんと分かっていなかったために、うまくいかず。
そこで、研究用FCRキャブから、部品を取り出して、同調の仕組みを研究していきます。
まずは、同調って?一体何?ということで、下の写真をご覧いただければわかるように、FCRキャブレターがアイドリング付近で、スロットルバルブが最も閉まっている状態における僅かな隙間、これを4つのキャブで完全に一致させることが同調をあわせるということになります。
ネットなどの情報によると、ここをまず目視であわせ、そして、更にエンジンをかけた状態で負圧メーターを使って合わせると、より完璧に合わせることができるようです。ちなみに、僕もまず目視で、ということで、この前失敗して同調が合っていない状態のキャブを外して4つのスキマをよく見てみたんですが、そんなもん、どっちが大きいか小さいかなんて目で見てもわかりません。だいたい、合ってるってことなんです。その上での、非常にデリケートな調整ということになるわけです。
さて、ではFCRキャブレターのスロットルを開けていく仕組みを写真で見てみましょう。
右が、スロットルバルブです。フラットバルブですね。そして左がそのバルブを開くための爪です。この爪は1本のステンレスシャフトに連結され、シャフトをアクセルリンケージワイヤーで回すことで、爪を介してスロットルバルブを開けたり閉めたりしていくわけです。
それでは、その爪の形状をよく調べてみましょう。




なんとも精密なちっちゃい部品です。ここで重要なのは、シャフトが通る穴は楕円になっており、下図のように、真円のシャフトが通り、それを2本のネジで連結するのですが、上下に1.2mmの範囲で各キャブを調整することで、例のスロットル全閉時のスキマの大きさを合していくわけです。
そして、下の写真でお分かりか?と思いますが、シャフトには小さな小さなネジ穴が開けられており、その中を細いイモネジが通っていきます。イモネジを締め込んで行くと、スロットルシャフトは爪の楕円の穴に対して、上の方に引き上げられる状態になります。逆にイモネジを緩めると、シャフトは下に下がって行きます。
そして、上の写真の外側にある6角ネジ。これは爪に切ってあるネジ穴と嵌合し、締め込むと爪とスロットルシャフトにテンションをかけることで固定する役割を果たします。2つのネジ、つまりイモネジと6角ネジの関係はフリーです。さてさて、これでどうでしょう?わかります?僕は理解するのに約1週間、色々頭を働かせてやっと、なんとなく分かりました。イモネジでまずシャフトの上下位置を決める。そして6角ネジを締め込むことによって上下位置を正確に固定できる、、、そういう状況なのです。つまり、外側のネジをゆるめて、イモネジだけで調整しても結果が出ないので、セットで、締めたり緩めたりして調整していくのです。前回の失敗の原因はそれで、イモネジだけ回しても全然同調があわず、パニックになってしまっていたのでした。
さて、仕組みがわかれば早速負圧同調の実施です。まずは必要な道具が2つ。
外側のネジを回すめがねレンチと、イモネジを回す小さなドライバーです。精密ドライバーでもいいですが、ここは敢えてブランドに弱い僕としてはPBを買ってしまいます。( ´∀`)
外側ネジ用のメガネは何と!7mmのナットです。そんなん売ってるの?って近所の道具屋で見ると、ちょうど6mmとセットのが売ってました。これなら、6mmはメインジェットの交換にも使えるし、便利です。
さて、実際に4連負圧メーターをセットして、エンジンを始動して調整していくのですが、まず、長時間アイドリングさせても近所に迷惑をかけず、人に怪しまれない場所を探します。( ´∀`)
とりあえずとっくんのお店の軒先を借りることにします。全開は工場の中でやって、排ガスがこもってこもって、、、( ´∀`)やばかったので、今回は外でやります。
負圧は、下の写真のようなインマニから生えているタケノコさんから取ります。
エアコンのアイドルアップのため、わがままを言ってロッシに付けていただいたタケノコが、こんなところで役に立ちます。全部マニの下側にあるので、一旦キャブを外してから、負圧メーターを取り付け、そしてキャブを戻して、アイドリング・暖気させ、再度調整。こんどはうまく行きました!( ´∀`)
うれしすぎて、ピッタリ合った負圧メーターを写真を撮るのを忘れましたが。。。( ´∀`)
現在、堀北FCRエンジン、暖気後は750rpmで非常にすばらしい安定したアイドリングです。冷間時も、500rpmあたりで非常に静かに回っており、ホント、ノーマルバカインジェクションを付けていた時から比べると雲泥の差です。現在非常に運転しやすく、普通に街乗りができます。特に、街乗りで常用する1000回転から3000回転あたり、280度のハイカムでオーバーラップが取ってあるとは思えないほど、全く問題なく使えています。ホントFCRキャブにしてよかったな~と思う場面です。そして、ひとたびムチをくれるように全開にすれば( ´∀`)、ガオーーーと加速( ´∀`)あぁ、堀北最高!( ´∀`)ではまた次回。
Posted at 2014/11/02 04:00:00 | |
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