2014年02月05日
ガソリンに違いはある!と断言してみたが、その理由はなぜかを考えてみた。
エンジンは混合気を圧縮した状態で点火して燃やすことでピストンの往復運動を生み出す。こんなことは車やバイクが好きな方ならご存じのことであろう。言うまでもなくエンジンのパワーはピストンを押し出す燃焼圧力の強さに比例する。では燃焼圧力を生み出す元は何なのか?というと、燃料の熱量なのである。
燃料を圧縮した状態でプラグから点火した時に、より多くの熱が出れば燃焼ガスの体積もより大きく膨張し、その結果よりパワーがでるという仕組みだ。空気というのは温度によって体積が増えるのだから、要は燃焼ガスの熱量を増やせばいい。実際はそこまで単純な話ではないのだが、考え方としてはそういうことになる。
レギュラー仕様にハイオクを入れても意味はないとする考え方がある。これはオクタン価は違っても燃料の熱量は変わらないという前提に立っているものと考えられるが、実際にはレギュラー仕様にハイオクを入れるとわずかながらパワーが増える。つまりハイオクガソリンはレギュラーよりもわずかに熱量が多いことを意味する。添加剤が入っているだけのレギュラーというわけではなさそうだ。
ちなみにハイオクはレギュラーと比べて、燃えにくいだけという主張をする方が結構いるのだがこれは間違い。スパークプラグが点火した後の燃えやすさはレギュラーもハイオクも同じだ。オクタン価の違いは、圧縮する過程の自己着火が起きやすいかどうかに関係する。
レギュラーもハイオクも製造過程の違いで元売りごとに微妙な違いがある。昔の経験だが四輪でハイオクを入れ比べていた頃、日石ダッシュがいいとかコスモマグナムはだめといったことが体験上あったのだが、これも製造過程が元売りごとに違うために燃やした時の熱量も違うのだろう。
困るのは最近のエネオスである。エネオスのガソリンは「供給体制が整備された」とかで系列店はみなエネオスのバイオガソリンを売っている。他社に供給することはあっても外から買うことはないというスタンスだ。そのため、エネオス系列とエネオスから仕入れている無印SSはバイオガソリンに当たってしまうのだが、これが困りものなのだ。
バイオとはバイオ燃料、すなわちバイオエタノールを混ぜたガソリンのことだ。エネオスでは穀物から作ったエタノールと石油系ガスを化学合成したETBEという成分を7%ほど混ぜているそうだ。ガス燃料もエタノールも、単位容積あたりの熱量がガソリンより低い。しかしオクタン価は高いので燃料としては成立してしまう。エネオスを利用したことがない方は一度利用してみるといい。熱量の低いガソリンの運転フィーリングがどれほどひどいものか身をもって知ることができる。
ハイオクは無駄とかもったいないとか敬遠している人がいたら、一度でいいからエネオス以外のハイオクを入れてみてほしい。その差は運転していてわかる程度には違うことを体験できると確信している。ただ、最近はAT車がほとんどなのでMT車ほどには体感できないかもしれない。
MT車に乗っていてレギュラーしか入れてない方は一度お試しあれ。
Posted at 2014/02/05 00:02:33 | |
トラックバック(0) |
科学 | 日記