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2014年01月25日 イイね!

スパークプラグ考現学

WWWの海を徘徊していてふと面白いことに気がついた。
イリジウムプラグを使った人の中で、評価が真っ二つに分かれているのだ。
前提条件として以下を想定して話しを進めたい。

・現代的なインジェクション化された4ストロークエンジン
・オートバイ用スパークプラグ
・レースやクローズドコースを除いた一般的な運用条件

結構な人が誤解しているプラグの寿命について。プラグメーカーのホームページを調べていただければわかるのだが、オートバイ用イリジウムプラグの寿命は一般的なプラグと同じである。その理由は、中心電極がイリジウムでも外側電極は従来通りニッケル合金になっているからだ。

プラグメーカーが宣伝する長寿命プラグとは、中心電極がイリジウムまたは白金、外側電極がニッケル合金に白金チップを貼り付けたものだ。中心・外側の両方が熱や放電に強くなければ長寿命にはならない。このタイプは四輪用にしか用意されておらず、二輪用は対応プラグが無いことで察しろということなのだろう。

さて、オートバイでイリジウムを使っている人の評価が二分している点。

A 何の問題もない。だが体感も変わらない。
B かぶりやすい、吹けが悪い、かぶると復活しない(交換)

謎なのはBグループで、吹けが悪いのはかぶりやすいから。かぶりやすいのは中心電極が極細だからということで納得しようもあるのだが、かぶると復活しないというのがわからない。パーツクリーナーで洗って乾かせばいいのでは?

と思って検索してみるとこんなページに行き当たった。
このバイク屋によると、

・極細電極はスパークは強いが標準プラグより電気のリークに弱い
・イリジウム電極は磨くと表面のコートが壊れて機能しなくなる
・よって一度かぶったら捨てるしかない

ということらしい。また、かぶりで絶縁体に付着したカーボンは磨いても洗っても完全に取り切るのが難しいそうだ(個人的にはそうは思えないのだが・・・)。ゆえにイリジウムに限らず、標準プラグであってもかぶらせて吹けなくなったら交換がベストだと言う。

交換工賃を稼ぎたいだけじゃないの?という気もしないではないが、研磨や加熱でとれないというのはともかく洗浄してもだめなのだろうか。疑問は残るが、絶縁体の絶縁不良というのは目視できない。一見きれいでもパーツの機能として完全かは別である。日常の中で漏電現象に遭遇した方はご理解いただけるだろう。

電気の世界というのはかようにデリケートなもので、オールオアナッシングにはならない。未使用プラグの絶縁体が絶縁率100%とすると、絶縁率がどこまで低下しているか、それによってどれだけ電力がリークし、火花が弱くなるまたは飛ばなくなるのかという問題は完全にアナログの世界である。かぶらせて復活した後にどうも調子が悪い、といったケースでは交換するのがベストであるという主張に異論はない。

それにしても、火花が強いとはいえ目に見えたり体感できたりする効果に乏しい上に、かぶりやすく復活もできず捨てるしかない、おまけに高いイリジウムプラグの存在価値とは何なのだろう。

四輪のエンジンは、大量の冷却水と大量のエンジンオイルによってエンジンの稼働状態は安定している。最近の四輪は省燃費競争の激化でリーンバーンやインジェクションの高度な制御技術が進んでおり、かぶることはほぼないだろう。そういった安定した運転環境においては、イリジウムプラグは有効かもしれない。

だがバイクは趣味の乗り物だ。四輪に比べてコスト削減圧力も強い。数が出ない製品に不要不急のコストはかけられないからだ。四輪の中にはハイオクを入れるとノックセンサーが不正燃焼を検出しにくいため、点火時期をずらしてパワーをより引き出すものがある。過去に乗った1600ccのDOHC NA車と2000ccDOHCスーパーチャージャー車はハイオクを入れた直後に明らかにパワーフィールが変化した。

しかも石油会社の系列によって異なるハイオクの違いすらわかるほどであった。四輪でハイオク実験をしていた頃はそこまでわかると思っていなかったので、当時かなり驚いた記憶がある。

だがコストの壁が厳しいバイクにはそこまでの制御機構は搭載されないものがほとんどである。バイクにハイオクは無駄と言われる所以だ。インジェクションの制御にしても四輪ほど高度な制御は行われていないものと考えられる。キャブのようなアナログパーツよりはかぶりにくいだろうが、四輪には及ばない。

そういった諸々の事情を鑑みるに、少なくともバイクにとってイリジウムプラグは不向きな製品ではないかと考えるようになった。そもそもが、標準プラグと比べて有意な差は感じられない方がほとんどであろう。四輪であってもイリジウムで体感できる変化があったという話はあまり聞かない。

そんなパーツに、標準の3倍~4倍の価格を払うという意味を、冷静に考えてみるのも一興かと思う。
Posted at 2014/01/25 02:27:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | メンテナンス | 日記

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