
XC90 PHEVモデル購入の際に検証した内容を共有いたします。
そもそもXC90で車中泊を企てる方があまり存在しないのか、他にこのような情報がなかったので、同じことを考える誰かのお役に立てるのであれば幸いです。
◆結論:XC90 PHEVモデルは夏場の車中泊使用に耐える
◆背景と目的:
車中泊用途において、まず下記の物理的な前提条件を満たす必要があり、条件を満たすことはすでにカタログスペックと実車の試乗から分かっていた。
・フルフラット:◎(完全にフラット)
・荷室長:◎(175 cmが余裕で真っすぐ横になれる)
・荷室高:〇(フルフラット状態のシートの上に座った状態でギリ天井に頭が付く。もうちょっと高ければベター)
しかしながら、四季を通じて車中泊を行うためには、最も過酷な夏場のシーズンでも車中泊が可能なのかが不透明であったため、ディーラーにて一日実車をお借りして実験的に検証した。具体的には一晩中クーラーを付けてもバッテリーが持つのか?を検証した。
車中泊を経験された方なら言わずもがなであろうが、日本の本州においては基本的に春秋は快適なシーズンなので特別な装備は不要である。冬はポタ電からの電力で電気毛布で暖を取ることが基本戦略となる。一方夏場暑いのはどうしても避けることが出来ず、キャンプ場などの標高の高いところは別として海沿い等ではどうしようもない。日本においては車中泊が可能な公的な場所ではアイドリングが禁止されていることが多いので、エンジンを回さなくてもエアコンを駆動できる大きなバッテリーを積んだ車が欲しくなるのである。
◆方法:
試乗車をディーラーからお借りし、7月の夏場の日中にエアコンを車中泊を想定した使用条件でバッテリー残量がどの程度減るのかを測定
◆条件
・試乗車モデル:2022モデルXC90 T8
・試乗車バッテリー総電力量[kWh]:18.8
・試乗車バッテリー使用時走行可能距離[km]:76
・外気温:36℃
・駐車場所:公園の木陰の下
・実験時間:10:30~12:30の2時間
・エアコン:20℃設定、FAN最小設定
・ナビ画面OFF
・HYBRIDモード
◆結果
・バッテリー残量:54→37 km=17 km
・1時間当たりバッテリー消費量:8.5 km
・計算上のバッテリー使用可能時間:8.9時間
この結果から、試乗車においては、十分夏場の車中泊使用に耐えられる結果となった。実際の車中泊では夜中の使用であることから、外気温がもう少し低いことが想定され、実験時の条件よりは甘くなることが考えられる。更に9時間持てば、翌朝まで十分に保持可能であると考えられる
これを2020年モデルに置き換えると、以下のようにすることが出来る
・バッテリー総電力量[kWh]:11.9
・バッテリー使用時走行可能距離[km]:40.6
・計算上のバッテリー使用可能時間:4.8時間
2020年モデルは2022年モデルよりもバッテリー容量が小さいが、約5時間相当持つ結果となった。5時間持てば早朝までの使用を考えればなんとか許容範囲内であると判断できる
今回のベンチマークの主目的ではないものの、車中泊をするうえで気になった点は以下。
1.ディライトが消灯出来ない
2.エアコンのFANの音がする(社外で聞くとまったく無音ではない)
3.時々機械音がする(社内の居住性の問題)
4.100V電源がない(ポタ電で代替可能)

1は結構クリティカルな問題で、現状ディライトを完全に切ることが出来ない。消費電力の点でも、周囲への配慮も考慮の点でも改善を期待したい。
2はエアコンがついている限りFANが回るのはどうしようもないが、気になる人は気になるかも。
3は実際無音の中で寝ていると、突然の機械音(ガチャガチャ音)で起きてしまうことがある。定期的に何らかの自動制御が働いている様子だが、周囲への迷惑は掛からないので許容できる
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Posted at
2024/01/17 17:28:01