2014年05月05日
赤旗
実は、私のサーキットでの思い出は楽しい事ばかりではありません
これを書くべきか悩みましたが、ここは体験談として書かせて頂こうと思います
この話は元スタッフの間でも避けています
初めて人に話します
私がサーキットで学んだことは…
車は安全ではないという事
車は脆いという事
車は簡単に燃えてしまうという事
主にドリフトですが、車は壊れて当たり前(笑)
時には火を噴きながら走ってきたり…
「火!火噴いてる!!」と言いながら皆で消火器持って駆け寄ったり…
本コースでのドリフトでコンクリ壁に激突・炎上というのもありました
この時のドライバーは怪我一つなかったのでホッとしましたけどね
本人も「もう笑うしかない」なんていって黒焦げになった車を見て皆で笑ってましたけど
そりゃそうですよね、数百万かけてチューンアップした車が一瞬で灰になっちゃったんですから^^;
でもこれらは私にとっては楽しい思い出の一つです
それはドライバーが無事だから。。。
スタッフ時代、一度だけ赤旗を持った事があります
旗ってけっこう重いんです
よく「重い~」なんていいながら黄旗やオイル旗を振っていましたけど…
この時ほど旗が重いと感じたことはありませんでした
午前中の予選が無事終わり午後の決勝での事
スタートして間もなく、無線機から「黄旗!」という指示があり、その直後「赤旗!コース封鎖!!」という指示
すぐさまスタート台に駆け寄り、そこにいたスタッフ仲間から赤旗を受け取りました
一体何が起こったのか、そう尋ねると
「グラベルに嵌った車に後続車が突っ込んだ」
ドライバーは無事なのか尋ねると
「分からない」
という答えでした
このスタッフはライセンスを持っていて、コントロールタワーと直結した無線を持っていました
なので彼女には何が起こったのか分かったのです
(私を含め、他のスタッフはスタッフ間のみの無線です)
セーフテイーカーが猛スピードで私の横を走り抜けて行った後、私はピットロード出口に立ち、赤旗を掲げました
救急車のサイレンが鳴り響き、重苦しい空気に包まれるなか
ただただ、整列した参加者達と指示を待ち続けました
考える事はドライバーは無事かどうか
ただそれだけでした
スタッフ間でも状況は厳しい、けど、無事である事を祈ろう
そう励ましあいながら情報・指示を待ちました
10分経ち、20分経ち…
そして40分後、レース中止の連絡が入りました
すぐに整列して待っていた参加者の方々へ中止の旨を伝え誘導
参加者全員を見送ってからパドックを引き上げました
そしてドラミへ向かう途中、積載に乗せられた事故車をみました
その時のあの絶望感、忘れられません
一緒にいたスタッフ達もたぶん同じ心境だったと思います
誰も何も言わなかったんです
言葉にできなかったんだと思います
それに触れてしまえば、絶たれてしまうから。。。
それでも、私たちスタッフは無事でいてほしいと祈っていました
祈りながら帰路につきました
そして其々、ニュースで一縷の希望も絶たれた事を知ったのでした
そのドライバーの方は、グラベルに嵌ったあと、直ぐに車から離れたそうです
でも何故かその車に戻り、その戻った時に、後続車が突っ込んでいったそうです
何故一旦離れたのに、また戻ったのか
何かを取りに戻ったんじゃないか
そんな話もありましたが、結局は分からないままです
私は車が好きです
運転も好きです
観る専門ですがモータースポーツ好きです
なので、レースに参加する方々の気持ちも分かります
ですが、ブログに走行会参加等書かれていると
「何事もなく終わりますように」
そう祈ってしまいます
そして楽しそうな報告ブログを見るとホッとします
こんな事を書くと、何様だ?と思われるかもしれませんが^^;
この際ですから「お願い」をします
タイムを縮めたい気持ちはわかります
ですが無理はしないでください
そしてコースアウトして、自力で立て直せないと解った際は
すぐさま車から離れて安全なところへ避難してください
何か車内に忘れ物があったとしても絶対に戻らないでください
パーツが外れた?
イイじゃないですか^^
直せばいいだけなんですから
車潰した?
イイじゃないですか^^
新しい車を用意すればいいだけなんですから
お金は飛んでいきますけどね(笑)
ドライバーが無事ならそれでイイんです!
後々、それが「楽しい思い出」になるんですから^^
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Posted at
2014/05/05 22:18:23
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