愛車のM6がミッションエラーで入庫してから1か月が経ちます。
調査を進めても原因が掴めず、類似事例も見当たらないことから作業は難航したようですが、現在は修理が完了して最終確認を残すのみと報告を受けております。
本件についてお気遣いいただき、メッセージやお声掛けいただきました皆さまには改めて御礼申しあげます。
ブログには書きませんでしたが、この修理中に用意された代車で新たな発見もありました。
中でも、LCI前の4気筒1.6ℓターボエンジンを搭載した116iには目を見張るものを感じました。
BMWのエントリーモデルともいえるクルマなので、乗り込むまで過度な期待はしませんでしたが、運転してみると想像を遥かに超える走りができて楽しくて仕方がありません。
街中は最も大人しいエコプロモードでスイスイと走れます。
そして、しっかりとアクセルペダルを踏むとすぐに反応して、自然吸気エンジンのような心地良い息の長い加速感が得られます。
タコメーターを眺めながら、この滑らかな加速はどこからくるのだろうと考えてみましたが、低回転域からのフラットなトルクときめ細かい8速オートマを上手に噛み合わせているからではないかと。
書き始めるときりがないので本題に入ります。
今回のBMW M3 (E46)も前回の650i(E63)に続いてカーシェアリングしたものです。
M6が戻ってくる前に先代Mモデルに乗っておこうという魂胆です。
ご存じのとおり、自然吸気の直列6気筒エンジンはこのM3が最後ですから、BMWのシルキー6を堪能するには一番ではないかと期待が膨らみます。
発売当時にフェニックスイエローのM3を目の当たりにして、Mモデルの格好良さに衝撃を受けました。
このとき、セミオートマのモデルが欲しいと思ったのを鮮明に覚えています。
実は、今でも程度の良い中古車はないかと探してしまうことがあります。
さて、ドアを開けると赤と青のチェック柄があしらわれたアルカンターラとレザーが組み合わされたスポーツシートが目に入ります。
ドアトリムも同じアルカンターラで装飾されています。
豪華な革張りも良いですが、こういう内装は気持ちを高ぶらせるMモデルに相応しい仕上げだと思います。
次に目に入ったのが、立派なシフトノブと誇らしげにSMGと記されたプレートです。
操作性を考えると現行モデルのシフトノブのほうが優れているような気もしますが、このシフトノブのほうが存在感と高級感がありますね。
もしかすると、変わってしまったのはコスト削減の影響だったりするのでしょうか。
何といっても慣れない左ハンドルですから、シフトノブを右手で操作しながら走らせるなんて考えたくありません。
当たり前だと分かってはいますが、ステアリングにパドルシフトが付いていることを確認して安心します。
さすがにヘッドアップディスプレイは装備されていないので、タコメーターを見ながらリミッターに当てずに高回転域で上手くシフトチェンジできるか自信がありません。
とにかく運転を始めようと、イグニッションキーを捻って最初の排気音に耳を傾けると、現行Mモデルとは異なり、思いのほか静かだったのに惹かれました。
シフトをDレンジに入れてアクセルを静かに踏み込むと、スムーズにクルマは動き出します。しかし、これからと思いきや、2,000rpmを超えたあたりでカクンと衝撃とともにオートでシフトアップ。
変速スピードは5段階中の下から2つ目です。
SMGⅢよりはシフトショックが小さいような気もしましたが、パドルでギアを代えて強制的にマニュアルモードに切り替えてしまいます。
まず、ブレーキを試してみると、軽く踏んでもそれほど強くは効きません。
こちらもカックンとならないので良いですが、意識して踏み込まなければ強く効くことはないブレーキのようです。
大通りに出ると3車線の坂道だったので、強めにアクセルを踏み込みます。
社外製のマフラーのおかげかエキゾーストが室内に大きく響いて勇ましくなりましたが、4,000rpmを超えたあたりからもタコメーターで回転数は追っかけられます。
針が7,500rpmを超えたあたりでイエローゾーン近くに配された4~5個インジケーターランプが黄色く光るので針が8,000rpmの近くまできたところでパドルシフトを使ってシフトアップさせます。
直列6気筒ターボエンジンを搭載したM3やM4のような高回転域での吹け上がりの鋭さは感じませんが、これならタコメーターを見ながらシフトチェンジが楽しめそうです。
考えてみれば、エンジンは3,246ccの直列6気筒DOHCです。
同じ自然吸気エンジンでも先日に借りた650i(E63)のような大排気量ではありません。
最高出力:343 ps /7,900rpm
最大トルク:37.3kgm/4,900rpm
0-100km/h:5.2秒
0-100km/h加速は4.8秒という記録もありましたが、加速性能より自然吸気でリッター当たり100psを超えているというのが素晴らしいエンジンの証なのかなあと。
やはり舗装の良くない都内の一般道では足回りは硬く感じます。
ステアリングを握っているドライバーとしてはしっかりとした足回りに好感が持てるかもしれませんが、助手席や後部座席に座ったら乗り心地が悪くて嫌でしょうね。
やはり、誰かを乗せるのならオールマイティな116iに軍配があがります。
首都高速に入るとギアを上げ下げしながらクルマの動きを確認します。
危ういと思ったのはステアリングの切れ味。
ステアリングは少し軽めで車速があがると腕に緊張感がでてしまいます。
ほんの少し調整するつもりでステアリングを切っても結構ラインが変わるなあとは感じましたが、車線変更でしっかりとステアリングを切ると思い描いたラインより鋭く切れ始めてちょっとビックリ。
シートのサイドサポートに脇腹を押されて場外に持っていかれそうです。
M6と比べると運転席からフロントタイヤまでの距離が近いので当たり前なのかもしれませんが、クイックな切れ味にハンドルを切り過ぎたとどぎまぎした瞬間が何度もありました。
同じ場所で同じ速度帯でも116iのほうがアクセルを踏み込みながら気楽に車線変更ができます。
M3は相応なスポーツ走行に向いた玄人向けの仕様のということなのでしょう。
それでも、この世代はMモデルでもサンルーフがあるのが良いです。
次の世代からクーペモデルはドライバビリティ向上のためカーボンルーフになってしまい、室内からこのような解放感は味わえません。
私のような未熟なドライバーなら屋根の軽量化による恩恵はほとんど受けていないのではないかなあと。
高速道路でシフトダウンするとエンジン回転数の制約からなのか、2速には入りません。
それでも3速でフルスロットルするとDSCがチカチカと付いたりしてなかなか刺激的です。
やはりMモデルは運転していて楽しいです。
少し長くなったので、大黒PAに着いてからの話は次回にします。