2008年01月24日
原因不明の左背部痛に襲われているかたくりこです(××)
ひねったのが、すごく痛い。ウッってなりますwww
バックするときに、後方確認が辛くて死にそうです。
ま、それは良いとして・・・。
昨日、医療現場の実情を書かせていただきました。
これを読んで気分を害されたひ方もいらっしゃるかもしれません。
「医療者のたわごとだ!」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
でも、一つ言えることは、昨日書いたブログは、紛れも無い「現実」で起きているということを知ってくださればと思います。
昨日、書けなかったことでこんな事実もあります。
テレビで、救急車の適正利用がなされていないという特集を見て、特に年配の方は「救急車を出来るだけ使わないようにしよう」と思う方もおられるわけです。
とある夜勤の日、高齢の女性から病院に電話。
「うちの主人がさっきからものすごく呼吸が苦しいって言っているんです。
診て貰えますか?」とのこと。電話の後ろでは、ものすごい呼吸で苦しがっているご主人の声が聞こえます。
「心臓の病気か何かありませんか?」とかたくりこ
「近くのお医者様に心臓が悪くて掛かっています。薬も飲んでいます」
そう、この方は「心不全」でした。一刻を争う状況であることは電話の状況から判断がつきました。直ぐに救急車を呼んで病院に来るように話をしました。実際、患者さんを診ると、重度の心不全。もう少し治療が遅れていたら命を落とすところでした。
かたくりこは、奥様に「なぜすぐに救急車を呼ばなかったのか?」と尋ねました。すると、このご夫人はこのようなことをおっしゃいました。
「今、救急車がちゃんと利用されてないって言われているでしょ。電話して診察してくれるって言ってくれたら、タクシーで行こうと思って。私たちみたいな年寄りが救急車使っちゃだめですよね」と・・・。
みなさん、この話を聞いてどう思いますか?私は涙がでました。
今の現実がこうなんです。本来、利用すべき患者が利用できない、利用を躊躇してしまうのです。報道の仕方にもよるのかもしれませんが。
また、救急隊員に対して「お前ら公務員だろ。うちらの税金で飯くってんだから早く運べ!」という患者も居ます。かたくりこも公立病院勤務ですので、言われたことはあります。
でも・・・私たちも税金払ってるんですけど・・・です。別に、皆様の税金を使ってのほほんと暮らしているわけではないんですけどね。悲しいです。
救急車は、ガソリンで走っています(当たり前ですが)。ガソリン、高騰してますよね。でも、税金で賄われているので、利用料は確かに掛かりません。
利用料は掛かりませんが、「タダではない」です。税金という財源が使われているのです。だからこそ、利用する側の「モラル」が問われるのです。
ここで、医療者側からみた救急車の正しい利用の仕方を挙げてみようと思います。
①絶対に救急車を呼ばなければいけない時:意識がない(心肺停止状態)・頭を強打した、高所から転落した、多量の出血を伴う怪我をした時です。
けいれんなど、重度の持病があるときも救急車を呼んだ方が安全でしょう。
突然の胸部痛や麻痺症状が出たときも直ぐに救急車を呼ぶべきです。
②救急車を呼ぶ前にまずは電話をするべき時:意識がある(呼びかけに反応がある)が、どこか様子がおかしい。骨折など怪我をしているが出血などは酷くない、少量の出血などです。あわててしまうと、救急車を呼んでしまうことも多いですが、突然、様子がおかしい時は、まずは相談をしてみると良いでしょう。
お子様の熱性けいれん(ひきつけ)は、突然起こり、救急車でよく来院します。大概は、熱によるけいれんで重症につながることはありませんが、中にはてんかんなどが隠れていることもあるので、けいれんが中々止まらないときは、救急車を呼んでよいと思われます。お子様への対応法は次回のときに詳しく載せたいと思います。
③救急車での来院でなく、自家用車やタクシーで良い状態:発熱・下痢・嘔吐・包丁などでの怪我など、意識もはっきりしており、自力で歩行できる場合は、病院に電話を必ず入れてから来院してもらえれば診察を受けることが可能です。
特にお子様の突然の発熱や嘔吐、耳痛などで救急車を利用される保護者の方も多いのですが、お子様の場合、命に関わることは0%ではありませんがごく少数です。あわてず、病院を受診していただければ大丈夫です。
あと、良く聞かれるのが「交通事故にあったときはどうしたらよいですか?」ということです。交通事故の場合、救助が必要な状態の時は、大概救助隊と救急隊が同時に来ます。それは「必要な状態」と判断されたからです。
それ以外のとき、たとえばオカマをほられたなど、被害者が自力で歩行できる場合は必ずしも救急車でなくてもかまわないと思います。
ただ、交通事故の場合、見た目だけでは判断がつかない場合も多いため、救急車を呼んでいただいても構わないと思います。被害者が救急車を拒否した場合は無理して呼ばなくても構いませんが、必ず病院受診はお願いをしてください。
後々、症状が出現することも多く、直ぐに診断を受けていない場合、保険会社が事故との因果関係を認知しないこともあるからです。
また、路上生活者の方が倒れていると通行人の方が救急車を呼ばれるケースも多いです。このような場合は、まずは救急車ではなく、警察に連絡をしてください。
このような場合、事件性がある場合もありますし、路上生活者の方は状況によっては「保護」が必要な場合があります。病院は、路上生活者の方を保護するための施設ではありません。まずは警察に通報し、警察官に判断してもらってください。
以上、救急車の利用方法を記載してみましたが、どうしても判断が難しいという場合は、救急相談ダイヤルというものがありますので、そちらを利用してみてください。東京都は#7119です。各地域全てではありませんが、このようなものがありますので、各地域で調べていただき、イザというときには利用してみてください。看護師・医師が24時間で対応してくれます。
以上、かたくりこでした。なにかご質問などありましたらコメントでいただければお答えしたいと思っておりますので、お気軽にどうぞ。
追 伸
「救急車を呼んだのに消防車が来た!」という経験をされた方は多いはずです。これは「PA連携」といって、救急車が直近に居なく、直ぐに対応できないときは救急隊員の資格を持った消防官が、ポンプ車でまず患者の状況を確認し、救急隊に情報伝達をするという方法です。救急車の台数が限られているので、このような方法が現在は取られています。全ての救急要請をした場合に消防車が来るわけではありませんが、時折そのようなことがありますので、ビックリしないでくださいね。
Posted at 2008/01/24 07:01:28 | |
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