
九州旅行記は3日目、3月12日の内容になります。
1日目、2日目についてはこちらからどうぞ↓
九州旅行記1 ~沈まぬ夕日の果て~
九州旅行記2 ~時を巡る坂の街~
九州旅行記2‐2 ~海は忘れない~
この日も朝早く目覚め、愛車を駆って諫早湾を目指します。
最初の目的地は諫早湾干拓事業によってつくられた潮受け堤防です。
潮受け堤防が完成し、水門が閉じられたのは1997年4月で、私はまだ小学校の低学年でしたが、水門が次々と落とされ、海を分断していく様子をニュースで見たことを覚えています。
今でも時折、裁判の関連で当時の様子を見ることがありますね。
これも一度、見てみたかったので行ってみることにしました。

堤防を南側から眺めた様子。
左側が埋め立てられようとしている土地、道路が走る堤防のさらに右側に海が広がっています。

堤防の中央付近にある駐車場にクルマを停め、跨道橋から堤防道路を見渡せます。

少し霞んでいますが、奥に見えるのが、ニュースなどで象徴的に使われる潮受け堤防の水門です。
次々と閉まっていく水門の映像ばかりを見せられるので、もっと水門ばかり並んでいるものと思っていましたが、実際には写真に写っている北側6門と、南側2門だけで、ほとんどは堤防です。
裁判はまだ続いているのか、どうなったのか…
漁業者の言うことも分かる気がしますし、農家の言うことも分かる気がします。
ただ、今、水門を再び開けたところで、堤防は残るわけで、元に戻るわけではないですし、余計に環境が悪化しそうな気もします。
過去の責任を問う必要もあるでしょう。
でも、大事なのは“今”であり“これから”なんじゃないのかと思いながら、水門を眺めていました。
何を求め、どうしたいのか。
その願いは現実的なのか。
実現しないのなら、どこで折り合いをつけるのか。
難しいのかもしれませんが、建設的な議論がなされると良いですね。
堤防には長閑に菜の花が咲いていました。(タイトル画像)
最後に、愛車と水門を写真に収めます。

次に来るときには、事態が前進してることを願いつつ…
潮受け堤防を離れ、干拓地の中心部にある『諫早ゆうゆうランド干拓の里』へ向かいます。
平日、開園と同時ということもあるのでしょうが、客は私一人でした。
(※その後、地元の保育園(?)バスで30人ほどの園児がやってきました)
ここには小さな水族館と干拓事業や干潟を紹介する干拓資料館、その他多くの体験施設があります。
諫早ゆうゆうランド干拓の里
水族館で有明海、諫早湾の干潟を再現したコーナーを見ます。

ムツゴロウやトビハゼ、干潟のエイリアンことワラスボなどがいました。
干拓資料館はとても充実した内容で、平成以降の堤防工事だけではなく、古くからの農業や干拓、干潟での生活の様子などを展示していました。
資料館の外には、こんなものが…↓

稲作用として日本で初めて使用されたコンバインだそうです。
足回りやアーム類のプーリの引き回しなど、メカメカしくて格好良いです。
さて、干潟の生活を見たら、体験したくなりますよね!?
と言うわけで、この日最大の目的である『ムツゴロウを食べる』を実践しに行きます。
長崎道で東脊振ICまで移動し、右手に吉野ヶ里遺跡を見ながら、福岡県柳川市まで来ました。
夜明茶屋
ここは食事もできる魚屋さんで、有明海で取れる多くの珍魚を扱っています。
干拓の里の水族館で見たムツゴロウやワラスボも食べられます。
しかし、この日はムツゴロウの入荷が無く、ムツゴロウの刺身は食べられず…
それでも、ワラスボを含む有明海の幸を使った握りと、ムツゴロウの甘露煮をいただきました。

その日入荷した有明の幸でつくる『名物有明にぎり』\1,800。
この日は、ウニ、エツ、クチゾコ、サヨリ、ワラスボ、マジャク、サルボウ、マエビでした。
九州独特の甘めの醤油でいただくと、とても美味しかったです。
特にワラスボが美味しい。見た目からは想像できない美味しさです。
世間に出回らない逸品、また食べたいです。

ムツゴロウの甘露煮は、当然ながらハゼと同じような感じですが、しっかりと煮付けてあり、頭まで柔らかく頂けます。
ムツゴロウの旬はゴールデンウィークから夏にかけて。
次はぜひ、お造り、にぎりでムツゴロウをいただきたいです。
魚売り場でにぎりに入っていたエツとワラスボを見せてくれました。

エツ

ワラスボ
腹ごなしにお店の周辺を歩いてみると、柳川藩主立花邸や北原白秋の生家など、見るものが多く、観光客もたくさん来てました。
この後、熊本に向かうのですが、ここまでで長くなってしまったし、写真も多いので、九州旅行記3はこの辺で終わりにします。
旅の醍醐味は、何事も見て触れて味わうこと。
3日目の午前中は有明海と諫早湾、ムツゴロウ、そしてワラスボによって、まさにそのとおりの旅になりました。
熊本城に行った3日目午後の話は、九州旅行記3‐3に続きます。
お楽しみ~ノシ
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2015/07/04 23:11:36