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有江洲 歩恵のブログ一覧

2018年05月21日 イイね!

分厚い壁

分厚い壁運転席で天を仰ぐと、車検ステッカーが見えた。
なんでも、このクルマの自動車検査証の有効期限が満了する日は31年の5月らしい。

そんな日は、決してやってこない。
平成は31年の4月一杯で終わるのだ。



LEGACYというクルマは、昭和64年の正月三日から走り始め、昭和天皇の崩御も、今上天皇の即位も、240km/h近い速度で走りながら、遠くアメリカはアリゾナから見ていた。

1989年1月23日、LEGACY発表、同2月1日、発売。



1989年という年は、R32型SKYLINEやNA型ROADSTERといった、今でも人気のクルマが発売された年にあたる。
そんな中、LEGACYはやや影に隠れた感じもするけれど、おそらく、平成の世になって最初に発表された新型の国産車なのではないだろうかと思っている。



元号が昭和から平成に変わる頃、LEGACYが打ち立てた世界10万km速度記録では、LEGACYは平均223.345km/hで走り続け、10万kmという遥かなる道程を、僅か19日間で走破したことになっている。


私は今の愛車を、ほぼほぼちょうど10万km走行の時にお迎えした。
クルマの寿命は、よく『10年10万km』なんて言い方をするけれど、その当時ですでに18年10万kmのクルマを迎えてしまったのだ。

正直なところ、こんなに長い間、このLEGACYに乗るとは思ってなかった。
せいぜい、大学院を卒業して、社会人になったら乗り換えるだろう、と。



気付いたら、すでに愛車と過ごす8回目の春が終わっていた…。
そして、25万kmが目前に迫りつつ、まったく辿り着けずにいる。




3月下旬、ラヂエータから立ち上る白い湯気。
少し甘い、独特の臭いが、送風口から漂ってくる。
ガラガラと音を立てていたウォータポンプから、クーラントが漏れ始めたのだった。

ディーラへ持って行こうと走らせると、ガラガラといっていたポンプが急にしんと静まり返った。
その後、猛烈な勢いで冷却水温度が上昇し、110℃を超えた。
ポンプの軸受けが焼き付き、冷却水を循環できなくなったのだった。

3度目のタイミングベルト交換と合わせてウォータポンプ交換を行い、愛車が戻ってきたのは、4月の中旬。



歓び勇んで、GWはLEGACYで実家に帰省した。
野麦峠を越えて、450kmほどの道程だった。

リニューアルオープンした『かかみがはら航空宇宙博物館』にも行った。
徳山ダムの観光放流にも行った。
TWINGOをセカンドカーに迎えた今でも、LEGACYで走るのは格別に楽しい。

GW終盤、大学の後輩が岐阜に来てくれるというので、再度かかみがはら航空宇宙博物館へ出掛けることにした。


そして、エンジンが止まった。



国道21号を走行中、アクセルレスポンスが消えた。
クラッチを切って惰行しつつ、信号で停止。
キーをひねると、やや拗ねながらも、エンジンは掛かった。

目的地に到着し、館内見学を終えたあと。
エンジンがまるで掛かる気配がない。
JAFの車載車で運ばれていった。


燃料ポンプが動いていなさそうだという話。
3年ほど前にも交換したけれど、それから7万kmほど走っている。
少々早い気もしたけど、交換するしかない。

岐阜のディーラに預けて、新幹線で群馬に戻った。
新幹線の車内で、ディーラから電話があり、『エンジンがかかったけれど、燃料ポンプを交換するのか?』と。

事態は最悪な方向に転がっている気がした。
とは言え、昨日の時点では燃料ポンプが動いていなかったのだ。交換するしかないと思ったし、なんだかんだ言っても、交換さえすればまた走れるようになると思った。


燃料ポンプの交換をしてもらい、受け取りに行った、この週末。
土曜日に愛車を受け取り、そのまま岐阜と高山を往復した。
まったく問題なく、やっぱり燃料ポンプだったんだなぁ、と、とても安心した。


そして、群馬に戻る途中。




エンジンが止まった。
天を仰いだ。



急にアクセルレスポンスが消えたのだった。
またか、と思った。
また、この症状か、と。
なんなんだ、と。
一体なんなんだ、と。


クラッチを切って、惰性で走り、近くにあったパチンコ屋の駐車場に飛び込んだ。
キーを回すと、エンジンは掛かるが、アイドル回転がとても低い。
回転計の一つ目の目盛り、もはや100回転も回っていないんじゃないかと、そんな回転数を示し、3秒後にはストールした。

そんなことを数回繰り返した。
とりあえず、エンジンは掛かる。

キーを回し、エンジンを掛け、キーを回しっぱなしにして、クラッチを繋いだ。
2mくらいスタータの回転でクルマが前進したところで、エンジンが掛かった。


今思えば、掛からなければ良かった。


エンジンが掛かったし、燃料ポンプも交換済みだ。
エアフロ―センサしか思い当たらなかった。
前にもあったことだ。
エンジンを掛けなおせば、走れる。
自宅まで帰れば、修理できる。

そう思った。


その後も、何度かエンストを繰り返しながら、富山市を抜け、東へ向かって走っていた。
正直、疲れた。
疲れ果てた。

そう思って、コンビニにクルマを停めた。
コンビニから動けなくなった。



この日、何度目かの、天を仰いだ。




どうしようもなくなった。
2週間ぶりのJAF要請。
何してるんだろうなぁ…と、自分で自分に呆れた。


JAF提携の自動車整備工場の車載車が来て、ピックアップしてもらった。
もう時間は遅いし、この日はピックアップしてもらった自動車整備工場にクルマを預かってもらい、富山市内で宿泊。


そして、今日。

整備工場の一角を借りてエアフロ―センサを外し、分解して、以前したように、端子部分のハンダを盛りなおした。
これで治ると思っていたし、治らないと困る。


困ったことになった。
万策尽きた。



また、車載車に載せられ、北陸スバルのお店へ担ぎ込まれた。

いろんな人に迷惑をかけて、お世話になって、それでもまだ、愛車は動かない。
原因も不明で、いつ治るのかも、まったく見通しが立たない状態になってしまった。




247,888kmから、オドメータは先に進めなくなってしまった。
25万kmの壁は、これほどまでに強烈に私の前に立ちはだかり、どう突破して良いのか、皆目見当もつかない。

今年のレガ・レヴォセッションズで、皆さんに25万km到達の報告が出来ると思っていたが、そもそも参加さえ怪しい。

ECUやハーネスが原因だったとき、どうすればいいのか。
不安がたくさんある。数えきれなど、しない。
そんな状態になってしまった。





ところで、平成の最初の年、LEGACYの他にも、世の中に出てきたものがある。


私だ。



そして、来年、平成が終わる少し前に、30回目の誕生日を迎えるらしい。

江戸時代の平均寿命は35歳だったという。
すると、江戸時代の基準でいえば、私もそろそろ死を迎えても良い頃合いということだ。

しかし、平成の世は『金さん・銀さん、100歳・100歳』なのだ。
江戸の人々の3倍も生きなければいけない。


クルマの寿命が10年10万kmと言ったのは、いつの時代のことなのか。
3倍くらいに伸びていてもおかしくはない。

1970年代、Porscheは持続可能な世界を思い、少なくとも20年30万km走ることが出来るクルマを世に広めようと、FLA Projectを立ち上げた。
私には、そんなたいそうな理想も使命も無いけれど、ただただ愛車と共に、この先もずっと走って行きたい。


平成は終わる。
けれど、私の人生はもう少しありそうだ。
ならば、ともに平成元年に生まれたもの同士、私とLEGACYは次の時代も走って生きたい。
Posted at 2018/05/21 20:09:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | 愛車関連 | 日記

プロフィール

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有江洲 歩恵(あるえす_あるえ)ちゃん、3歳300余ヶ月児 金属と炭素で形成された機械が好きです
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