広州モーターショーが23日の報道公開で始まった。中国は今年「世界一」の自動車市場となる。今月上旬まで開かれた東京モーターショーでは出展を見送った欧米大手も顔をそろえ、「重要度で『東京』を超えた」との声が出るほど。買収や再編で規模拡大を目指す中国メーカーの存在感も高まっている。
■展示面積、東京の3倍
「東京モーターショーは、北京、上海だけでなく、広州にも抜かれた」
日系メーカー幹部は、こんな感想を漏らした。03年に始まった広州ショーは今年、展示面積約15万平方メートル、出展社数約670社で、ともに過去最大。世界5大ショーの一つとされ、41回の歴史がある東京に比べ、面積は3倍近く、社数は約6倍だ。30日までの予定。
東京への出展を見送った米ゼネラル・モーターズ(GM)、独フォルクスワーゲンなど主要メーカーも勢ぞろい。中国の今年の新車販売台数は1300万台を超え、来年は1500万台に達するとの見方も出ている。
独BMW系の「宝馬汽車貿易」の許智俊・副社長は「どの車種もとても好調。特に最高級クラスは、世界で中国の右に出る市場はない」と自信を見せる。1~10月の販売台数は、前年比36.7%増。すでに08年を上回り、過去最高を更新した。同社は50億元(約650億円)を投じ、新工場も建設する。
GMの合弁会社「上海通用汽車」も高級車キャデラックの新型を発表。今月初訪中したオバマ米大統領の公用車のブランドと紹介し、高級感を前面に出した。独メルセデス・ベンツも過去最大級となる22台を展示した。
トヨタも今回、最大規模の3800平方メートルに新型のクラウンやプリウスなど45台を展示。レクサスの大型SUV「GX460」を世界に先がけて公開した。
今年の販売台数が中国一の「F3」を持つBYDオート、吉利汽車など中国勢も、売れ筋車種を一挙に展示。展示規模は海外ブランドと肩を並べた。日産の合弁会社「東風汽車」の中村公泰社長は「政府が成長を後押ししており、大変な脅威だ」と話す。
■中国メーカー、技術向上ねらい再編
中国地場メーカーの吉利汽車は、米自動車大手フォード・モーターが傘下のスウェーデンの高級車ブランド「ボルボ」を売却する先として有力になっている。広州ショーでの新型高級車の発売式典で、司会の女性がボルボ売却で優先交渉権を得たことを紹介。持ち株会社の王自亮・副社長は「各ブランドの運営などを通じ、年200万台生産・販売という目標達成を確保したい」と強調した。
いまの中国メーカーにとって「200万台」「100万台」という数字には特別な意味がある。中国政府は今春、100社以上が乱立する国内業界を再編し、年間生産・販売台数200万台超の2~3社、100万台超の4~5社に集約する方針を打ち出した。規模拡大を通じて自主開発能力を高め、技術を海外大手との合弁会社に頼るメーカーが業界上位を占める現状を打ち破る狙いだ。
「再編で、長安汽車の業界での影響力や地位は向上する」。中国自動車第4位の長安汽車のブースでは、徐留平会長がこう語った。フォードやマツダ、スズキと提携する長安汽車は今月10日、中堅の江西昌河汽車など5社との事業統合を発表した。統合後の長安汽車は東風汽車を抜いて第3位に浮上。年産能力は220万台まで拡大する。
ホンダやトヨタと組む中国第6位の広州汽車も5月、中堅の湖南長豊汽車に29%出資して筆頭株主になった。広州汽車の曽慶洪社長は「自動車産業の構造調整に積極的に参加し、戦略的再編をさらに深めていく」と話した。
朝日新聞より
今年の東京モーターショーは大失敗で終わりましたが、この広州の方は大盛況みたいですね。
実はフランスで気になるニュースがあったのですが、なぜ今回欧州メーカーが見合わせたもう一つの理由というのが
日本市場は先細りである以上、活路は中国市場しかない
ということで経済恐慌という建前を使って不参加したというのがフランスの専門筋の意見です。
なぜ先細りかというと
- 日本の自動車メーカー等によるネガティブキャンペーンの横行(輸入車は壊れやすい、維持費が高いなど)
- どれだけキャンペーンを展開しても集客できない。
- 閉鎖的市場のため思ったより伸びない
- 今後の経済の見通しがあまりにも不透明(度重なる首相の交代、政権交代、見えない経済回復など)
まぁ理由はいろいろ書いてありましたが、根本的な原因として考えられるのが
- 一部のメーカーによる車に対する魅力の低下
- 日本国民が貧乏になってきており、貧富の差の拡大により、輸入車を買える人が限定されつつある
事実上日本市場は輸入車に見限られつつあるというのが本音でしょう。
何せ日本の車雑誌を見る限り、国産車(特にT社)は大々的に取り上げられていたりしますが、輸入車の特集は殆どなし、あるいは専門誌になり輸入車=マニアか富裕層という位置づけになっているのでコアな人間しか買わないというかんじになっていたりしています。
逆に欧州では最近は韓国車、特にKIAの車が市場を伸ばしているのですが、専門家が見たところ、日本車よりもよくできているという意見が出始めていたりしています。
理由は作りこみの向上、耐久性の向上、価格と性能のバランスの向上が主な理由として挙げられています。特にKIAのC'EEDは実用車としてはオーリスやアクセラ以上とも評価されていたりしております。
事実 Healthy Carのサイトを見ても、車によっては今までVOC濃度が高かった車が急激に下がっていたり、衝突安全性能も飛躍的に向上していたりします。
もはや、韓国車を馬鹿に出来る時代は終焉に近づいていると言っても過言ではないと思います。むしろ、海外では真剣に脅威と取らないといけない時代が来ています。
トヨタ等がコスト削減で儲かる車だが魅力のない車を作っている間に、KIAは魅力面ではまだまだなところはあるけど、品質は決して日本車に負けず劣らず、価格は日本車より若干安い、作りこみは車によっては日本車以上欧州車未満、ならば試してみようかっていう家庭が増えています。これは電気製品も同じです。
他の海外メーカーも信頼性、耐久性の向上に躍起になり、また内装の作りこみも日本車がいまだに硬質プラスチックを使っている間に、欧州車はソフトプラスチックを使用し見た目の向上等を行いもはや日本車に対する魅力はだんだん薄れつつあります。
つまり、今、日本車が奮起しない限り、このままでは世界市場では日本車は見捨てられる可能性が高くなりつつあります。
また、日本人の購買力が上がらないとこのままでは海外メーカーが撤退する可能性は否定できません。
そろそろコスト削減絶対主義、見直さないと本当に海外でも売れなくなります。
現に日本以外では日本メーカー製携帯電話など見かけませんから(Sony Ericsson位しか残っていません)