フォルクスワーゲンの株価急騰、ヘッジファンドに多大な損失
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)世界のヘッジファンドは28日、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)(VOW.XE)の株価急騰で、最近の記憶では最大規模の損失に見舞われた。
ヘッジファンドのポジション事情に詳しい複数のプライムブローカーによると、これらのファンドはVW株が値下がりするとみていたため、数十億ドルの損失に直面する見通し。プライムブローカーは、ヘッジファンドを中心とした投資家にトレーディングの清算業務などのサービスを一括して提供している。
フランクフルト市場(クセトラ)で取引されているVW株の28日終値は、前日比425ユーロ(81.73%)高の945ユーロ(1185ドル)となった。独ポルシェ(PAH3.XE)がVW株の保有比率を引き上げていたことを明らかにしたため。
VWの株価は、過去2日で348%、過去1カ月で267%上昇した。空売りしている投資家は、ポジションを解消するためには高い金額を支払う必要がある。
ヘッジファンドに詳しい筋によると、VWの株価急騰の影響を受けたのは、グリーンライト・キャピタル、SACキャピタル、グレンビュー・キャピタル、マーシャル・ウェイス、タイガー・アジア、ペリー・キャピタル、ハイサイド・キャピタルなど。
株価下落を予想し、株を借りて空売りしていた投資家は、空売りの買い戻し(ショートカバー)によってポジションを手じまう。株価が予想に反して上昇すると、投資家は高値での買い戻しを迫られ、株価がさらに上昇傾向を示すショートスクイーズ(踏み上げ)が起きる。浮動株が少ない場合は、時価総額が妥当な水準をはるかに上回るところまで拡大する可能性がある。
この並外れた値動きはフランクフルト市場全体に影響を及ぼした。株価指数の上昇率を上回るリターンを目標とする投資家は、VW株を追いかけるか、脱落するリスクをとるかの選択を迫られた。前日の27日には、VWの株価が2倍以上に跳ね上がったため、DAX指数の採用30銘柄のうち29銘柄が値下がりしたにもかかわらず、同指数は0.91%高で取引を終了した。
こうした株価上昇で、VWの時価総額は約3460億ドルと、世界の上場企業の最大手であるエクソンモービル(NYSE:XOM)の時価総額に迫る水準になった。28日の取引終了後、フランクフルト証券取引所を運営するドイツ取引所は、11月3日から、DAXに占めるVWの比重の上限を10%に抑えると発表した。VWの比重は、先週末24日の取引終了時点では6.8%だったが、28日の急騰で27%に跳ね上がった。
VWの株価がけた外れの水準に上昇したことを受け、一部のヘッジファンドは非難の声を上げている。この非難はポルシェに向かっており、「VW株42.6%を保有しているポルシェが、VWを完全子会社にする意図について投資家を誤解させた」というもの。
ポルシェは26日、「VW株31.5%を買い増すことができる、いわゆる差金決済オプションを保有しており、これを行使すれば持ち株比率は75%近くになる」と明らかにした。多くのファンドは、以前のポルシェの発言に注目していた。各ファンドは、「以前の発言はポルシェが同オプションを行使しないことを示している」と受け取っていたという。
独ニーダーザクセン州がVWの議決権を20%強保有しているため、ポルシェの発表はVWの浮動株が比較的少ないことを示唆し、これがVW株に買いが殺到した一因になった。
日本経済新聞より
ただでさえマネーゲームがこういう恐慌を作り上げたのにもかかわらず、懲りずに行うブローカーの頭っていったいどうなってるんでしょうか。
これでVW株が暴落した場合、下手したら会社の存続にもかかわる可能性があると思うのですが…しかもポルシェも共倒れになる可能性も否定できないと思うんですよね…
自動車業界は幅広い範囲でサプライヤーとかを使ってますから、ますます恐慌に拍車をかけるのではという懸念があります。
トヨタ、中国・長春に新工場 投資額550億円
トヨタ自動車は27日、中国吉林省長春市に完成車組み立て工場を建設すると発表した。中国第一汽車集団との合弁で、投資額は40億元(約550億円)。年産能力は10万台で、「カローラ」の生産を予定している。稼働時期など詳細は今後、詰める。足元の中国の自動車販売市場は伸び悩み気味だが、中長期的には成長が見込める有望市場と判断、生産体制を整えてシェア拡大を狙う。
日本経済新聞より
こういう時期によりによって支那に投資するとは…
ただでさえ内需が低減しているのだから海外投資よりも国内の内需拡大の方が先決かと。
トヨタ「カローラ」一部除き値下げ 装備絞り
トヨタ自動車は28日、主力小型車「カローラ」のセダンタイプ「アクシオ」とワゴン「フィールダー」を一部改良し、発売した。両車種とも一部の高価格タイプを除き、標準設定の装備を絞って希望小売価格を引き下げた。ガソリン高で顧客の自動車利用による負担が増えるなか、廉価車を設定して販売水準を維持する狙いだ。
価格の引き下げ幅は最大で7万500円。アクシオの量販タイプ(1500cc、無段変速機搭載で二輪駆動)は5万1000円下げた。標準装備だった駐車支援の後方カメラなどをオプション装備にした。
従来の標準車と同じ装備をそろえると同タイプでは2万円超高くなる。原材料高でベースの価格水準が上昇しているためで、標準装備を簡略にし、必要に応じてオプションで装備を充実できるようにして、安価なクルマを求める顧客ニーズに応える。
日本経済新聞より
値下げしたとはいえども、正規従業員の低下、非正規従業員も減らして生活水準を下げておきながら、顧客ニーズに応えると言ってもおかしいと思います。
衣食住すら満足できない層が増えているのにも関わらず、支那に投資し、本来の市場である国内市場を蔑にするトヨタ自動車経営陣はいったい何を考えているのでしょうか。本来ならば正規従業員を増やして正規従業員が自社の車を買わせるようにすれば自ずと活性化につながると思いますし、正規従業員ということで生活が安定するので結婚が増え、少子化対策にもなると思います。この辺は麻生首相が秋葉原での演説でうまく説明しております。
逆に言うと自動車業界というのは経済活性化と密に繋がってるので、VWと言い、トヨタと言い、下手するとますます恐慌が進むのではないかと思います。
Posted at 2008/10/29 19:30:43 | |
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